放浪の達人ブログ

恐怖の検問

ワケあってインドの平原の真ん中でヒッチハイクしたジープは、俺を含めて13人が乗ってるギューギュー詰め。
助手席に3人、開きっぱなしのバックドアからはみ出してリアバンパーの上に立ってる奴2人。
これぞ超人間過密国インドの縮図。
そして後部座席では手も足も動かせないとはこのことだ、と思ってる俺にはお構いなくトランプを始めるインド人達。
インドにはキツイとかムサ苦しいとか、そういう言葉は辞書にないんだろうか?

途中、このインド人達から昼メシもごちそうになり、陽も傾く頃にはネパールとの国境に近くなった。
所々で村人が検問を作り、「ここを通る車は通行料を出せ」といいがかりをつけてくる。
しかし、全ての検問をブッちぎりジープは走る。木の棒で車を叩かれ、石を投げられても
「払いたくねえもんは払わねえ」という恐ろしい執念。
ベコベコになっていくジープの修理代の方が高いんじゃないの? と思ったが、偉いぞインド人。
イヤな事はイヤと自己主張するところなんぞ日本人なんかにゃとても望めまい。

「穏便」とか「無難」なんて言葉が大嫌いな俺は、
この恐怖の検問の一件でインド人に共感を覚えたのだった。

国境で彼等と別れ、歩いてネパールに入った。
ネパールに入ったはいいが、「さてカトマンズまでどうやって行こう?」と考えた。
車で8~10時間かかる距離だ。

まあ、今度はバスをヒッチハイクしようという新たな決意を持って、
ハイエナのように目をギラつかせバスを探し始めた俺とHクン。
(一緒にヒッチハイクでここまで来たコイツもアホ)  (続く)




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