放浪の達人ブログ

気にすんな!

      【気にすんな!】


 日本で最も使用頻度が高く、何にでも使える言葉として代表的なものに「ど~も」がある。
何ともアイマイな日本人を象徴する言葉ではないか。
 それに対しインドでの使用頻度No1は「ノー・プロブレム」、タイでは「マイペンライ」、
インドネシアでは「ティダ・アパアパ」である。(斎藤達人研究所による)
どれも「大丈夫、気にすんな」って意味を持つ。

 コルカタ(旧カルカッタ)の恐るべしインド人の雑踏を歩いた人なら知ってると思うが、
インド人には歩く時に右側や左側を歩くという観念はない。
本能のままに歩くというのがインド人の歩き方なのだ。
つまり通りを歩くだけで無数のインド人と肩がぶつかり合うのである。
人だけではない。車、リキシャ、自転車、牛、ゾウなどが
譲り合うことなどせず、ただ自分の歩きたいように歩く。
「譲り合う?何じゃそりゃ?ノー・プロブレム」なのである。

 タイのトゥクトゥク(乗り合い3輪車タクシー)やインドネシアのベモ(乗り合いバス)にしても、
乗る時は値段交渉制である。「値段?いちいち気にすんな。高いと思ったら 乗らずに歩け」である。
バス停にしてもいい加減だ。一応タイにはバス停はある。
しかし市バスはおおよその場所にしか停まらないどころか、
5車線道路の真ん中の車線で徐行するだけということも多い。
荷物を持った奥様やヨタヨタしたおばあちゃん達が
ドアを開けたまま徐行して走っているバスを諦めず追いかけしがみ付く光景は
壮絶であり滑稽だ。しかし笑ってばかりもいられない。
俺の乗りたいバスが来たら今度は俺自身もバスに伴走するハメになるからだ。
最近バンコクのバスは市内どこまでも乗り放題の料金が¥12から¥15に値上がりした。
¥3値上がりしただけで目くじらを立ててしまっているところが大富豪の俺らしくないな・・・。

 アジア各国のバスにはもちろん時刻表なんてモノはない。
ネパールなんか隣りの町に行くのに早くて6時間、遅くて15時間かかるというアバウトさだ。
インドネシアに至ってはバス停なんて存在しない。
乗りたい時に人指し指を突き出すのみである。
あるいは木陰に座っていればバスの運転手が目で「乗るか?」と合図をしてくる。
お互いの微妙な眉毛の動かし具合でバスが停まったり通り過ぎたりするのがスバラシイ。

 日本のシステムを変えてみたい勇気のある人、今度JRや名鉄バスに乗る前に
「岡崎駅まで¥150で行ってくんない?」と俺の代わりに挑戦してみてくれないだろうか?
ドライバーの人も「お姉ちゃん、可愛いから¥50にしてあげるから乗ってよ」と、
このにっちもさっちもいかない管理社会に風穴を開けてくれ。
それが明日のニッポンへの第一歩である。

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