放浪の達人ブログ

アジアの乗り物

   【アジアの乗り物】

先日一般道でトゥクトゥクとすれ違った。トゥクトゥクとはタイの3輪タクシーである。
昔の日本のミゼット(平成生まれの人は知らねえだろうな)をベースにしており、車のくせに棒ハンドル、
ポンポンポンと白煙を吐きながら走り回るかわいいやつだ。
俺はタイに行くと市バスやボートで移動するのだが、そのトゥクトゥクに乗ることもある。
かわいい姿とは裏腹に運転はとても荒く、値段交渉も厄介だしボッタクリもあるらしいが
俺は何の問題もなく上手く付き合っている。
そのトゥクトゥクを日本で見れたとは驚きだった。余程物好きの人が輸入したのだろう。

アジアにはトゥクトゥクの他にリキシャー(リクシャー)という乗り物がある。
日本の人力車の語源であり、アジアのリキシャーは自転車と人力車が合体している。
タイ、インド、ネパールで乗ったことがあるが風情な乗り物だ。
乗っている客は楽だがペダルを漕いでいる方は大変な重労働である。
貧困層の人がボスからリキシャーをレンタルし、客引きをして日々の生計を立てているのが現状ゆえ、
降り際には大抵金額で揉めることになる。
「乗る前に10ルピーだと言ったじゃないか!」
「10ルピー?そんなこと言ってねえぞ!相場は500ルピーだが200ルピーにしてやるから払え!」と
明らかな恐喝犯罪タイプのボッタクリもいれば
「えへへ、ダンナ~、思ったより遠かったんでさあ。それにあっしには小さな子供が6人おりやして。
 200ルピー払って下せえよ、頼んまさあ」と懇願タイプのボッタクリまで様々であり、
すんなりとは終わらせてもらえないのである。
ある程度相手の言葉に対抗できる語学力を持ち(俺は全く持ち合わせてねえが)
なおかつ泣き落としに入られた場合にも無視できる冷徹な心の持ち主でなければ
リキシャーには乗らない方が無難かも知れない。
1番多いのは「家族や友達がやっている」という高額みやげ物屋に連れて行かれるパターンだ。
そこで買い物をする、いや、させられるとバックマージンが相手の懐に入るというシステムだ。

さて、俺の両親が金婚式記念旅行としてベトナムに行くことになった。
70歳を過ぎての初ベトナム、ベトナム語全く話せず、しかも全日程フリープランというスケジュールだ。
国内のどこへ行くにも団体ツアーで行動するジジババには見習って欲しいものである。
そのベトナムプランが命取りとなるかも知れないが、まあ冥土への土産話としてはよかろう。(笑)
俺はベトナムには行ったことねえので噂しか知らんが、ホーチミンのシクロ(自転車+人力車の合体)は
インドのリキシャーと並んでアジア屈指の極悪ボッタクリ乗り物と言われているらしい。
全行程フリープランということはシクロでの移動は避けられないと思うのだが、
両親がどうやってクリアーしてくるか楽しみなところでもある。
(ぼったくられてトラブルを起こした土産話も実は期待しているというのはココでは伏せておく)

人間というものは滞りなく進むイベントには興味をそそられないのだ。
いくら本人が「ひでえ目に遭った」とこぼしていてもハタから見れば単なる1つのエピソードであり、
それは悲劇というより喜劇に感じるのである。「人の不幸は蜜の味」と言うではないか。
両親にとっては恐らく最後の海外旅行、思い切り楽しんで来て欲しい。
きっと数年後から十数年後の旅行は三途の川を渡る黄泉の国への旅行だろうからな。(笑)


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