放浪の達人ブログ

昭和歌謡曲

    【昭和歌謡曲】

俺よりも少し年上の55歳の山仲間と出掛ける時は彼の車で行く。
10年近く前だったか、徹夜日帰り登山をして帰ってくる時の車内で、
助手席に座っていた彼がある音楽CDを流し始めた。
それは平井堅のシングル「瞳を閉じて」だったのだが、
長野から愛知まで延々と運転しながら聴いていた俺は眠くて死ぬ思いだった。
それからというもの、彼は色んなCDを図書館で借りて来ては
車内音楽として流しているのだがどうもイマイチなのである。
奥深い山道を走っているのに「島唄」を流し始めた時はさすがに止めた。

どうも彼は昭和歌謡曲が好きなのである。
しかも俺がリアルタイムで知っているか知らないかの微妙な年代の曲だ。
「伊藤咲子ベスト」...。う~ん、1曲か2曲は聞いたことあるなあ。
「天地真理ベスト」...。俺が小学生の時に1曲聞いたことあるなあ。
「岩崎宏美ベスト」...。何曲か知ってるが今はどうしてんだろ?

先月彼が用意したCDは昭和歌謡曲のコンピレーション・アルバムだった。
コンピレーション・アルバムっつ~業界用語を知らない人のために解説すると
「特定の編集方針に基づいて複数の楽曲を一つにまとめたCDやレコード。
 あるいはあるジャンルの楽曲をまとめたりしたもの」とある。
ここで彼の準備したCDの主な曲名を紹介してみよう。
50代以上の人は知ってる知ってる!と頷くだろうが若い人は全く知らないだろう。
知っていてもせいぜいテレビでサビの部分を聞いたことがある程度じゃないかな。
「カナダからの手紙~平尾昌晃と畑中葉子」「桜田淳子~しあわせ芝居」「坂本冬美~ふたり酒」
「ピンクレディー~モンスター」「千昌夫~北国の春」「アンルイス~女はそれを我慢できない」
「甲斐バンド~ビューティフル・エナジー」「八代亜紀~雨の慕情」「キャンディーズ~罠」など。
他にも西城秀樹や野口五郎、クリスタルキングなどの昭和スターの曲がごちゃ混ぜ収録なんだが、
そもそも先ほど俺がせっかくコンピレーション・アルバムについて解説したのに、
このCDは全く編集コンセプトが見えないのである。(笑)
別れの歌ばかりだとか作曲者が同じだとか発表された年が同じだとかならまあ分かる。
しかしこのごちゃ混ぜCDについては編集した人の意図がサッパリ見えない。
ただ単に個人的好みを反映したモノなのだろうか?それにしても混沌としている。

その混沌としたいわゆるカオスこそが昭和、それがコンセプトなんです、と言われたら
俺もまあ渋々と頷くしかないのであるが、このCDを発売した会社も会社だが
このCDを図書館から借りてきた友人の感覚すら疑ってしまったのだった。
ちなみにあと2枚を同時に借りてきたそうなのだが、もう1枚は「自然のさざめき」というヤツで
小川の流れや鳥の声が入ってるだけのCDだったのですぐにカット。
もう1枚は「ブルーハーツ・ベスト」あ、これなら俺案外好き。
でもやっぱりこの組み合わせで借りて来た友人の感覚は理解できない...。

俺にとって50代後半から60代の男性というのは近いけど遠い存在というか、
昭和アイドルの話をするとやたら盛り上がるのである。
南沙織、早見優、大場久美子、松田聖子、山口百恵など有名無名いろいろだけど、
昭和の歌手って「え!あの歌を歌ってた当時18歳だったの?」というような驚きというか、
山本リンダってすげえグラムロックっぽい化粧だったなとか、何か個性があったんだよな。
今のAKB一族をはじめとしたアイドルってどれも同じ顔に見えて区別出来ない、というのは
やはり俺も昭和の人間だからだろう。だって今のアイドル、みんな平成生まれだからなあ。




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