放浪の達人ブログ

日本びいき



スリランカは驚く程の親日国家である。
日本出国時に空港で安全面の理由で100円の使い捨てライターを廃棄し、
スリランカに着いてから日本で売ってるのと同じライターを30円で買った。
去年からスリランカではタバコの1本売りが禁止になって
日本と同じように1箱(20本入り)での販売になったが
田舎に行けば相変わらず道端で1本売りをしている。
喫煙者はライターよりもマッチを持っている人の方が多い。

「タバコを1本くれ」とか「火を貸してくれ」と言われることもある。
俺がライターを貸すと「さすが日本のライターだ」と言われるが
それはスリランカの雑貨屋で買った中国製の使い捨てライターだ。
日本人が持ってるモノは何でも高品質に感じるのだろうか?

去年タイで買ったタイ製の蚊取り線香が余っていたので
スリランカ中央部の森の中のツリーハウスに泊まった時に使った。
宿の主人は「さすが日本の蚊取り線香はすごい」と絶賛していた。
「いや、これタイ製なんですけど」なんて言い出せなかったわ。

他にも日本の製品を褒めるので遂に俺は言った。
「日本で売ってる電化製品とか雑貨はほとんどが中国製だよ」
すると彼らは「クオリティ・コントロール」という単語を口にする。
中国で作っても良い商品は日本へ輸出し、粗悪品はアジア各国へ流すというのだ。
彼らアジア人は日本で買い物をする際、まず日本製かどうかを確認する。
それが最高品質だが、もし日本製がなくても日本で売ってるモノなら大丈夫、
なぜなら前述の「クオリティ・コントロールがされているから」なのだそうだ。
同じスマホでも日本で買った物は品質が違うのだと言う。

それは本当の事かも知れないが俺は単なる「日本びいき」ではないかと思う。
空港での長蛇の列に何気なくススッと割って入って来て、
いかにも「前からずっとここに並んでました」みたいに横入りして来る中国人とか
他人の迷惑を顧みずに立ち止まって写真の自撮りをしてる中国人をよく見かけるが、
そういう人種レベルのマナーの優越による先入観によって
その国が製造している商品まで品質の優越をつけてしまっているのではないだろうか?

スリランカの北部から中央部を1人で旅して来て至る所で親切にされた。
「日本人と話すの初めてです!」とか「一緒に写真を撮って下さい」と言われたが、
それは「俺個人」に対する親愛というよりも「日本人」というブランドへの感情、
確かに日本人の勤勉さや正直さもあるかもしれないけど、
「日本に行けば金持ちになれる」という昔ながらのジャパニーズ・ドリーム、
つまり日本への憧れが日本びいきになったんだろうなあと思った。
この日本びいきはアジアの他の国でも感じられる。
ありがたいことだし、それに恥じないような行動をしなければと思っている。
でもやっぱりクオリティ・コントロールの件は眉唾モノだと俺は思うなあ。
だってスリランカのホームステイ先の奥さんが洗濯物を干してる時に
「中国製の洗濯バサミってすぐ壊れる」と毒づいていたが
日本でも全く同じだからね、スリランカでも日本でも同品質なんだよ。

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