放浪の達人ブログ

過大キャッチコピー



妻が最近6速マニュアルのオープンカーを買った。
長男も次男もマニュアルのオープンカーに乗っている。
俺が10年ほど前まで所有していた古いサバンナRX-7を
「2人しか乗れない鉄クズ」呼ばわりしていた妻が
荷物すら積めない2人乗りオープンカーに乗り、
俺は車体価格23万円で買った中古の軽に乗っている。

ガレージには当然彼らのオープンカーが置かれていて、
俺の車は玄関前の炎天下の雨ざらし場所が駐車スペースだ。
ただでさえ塗装がハゲかかっているボンネットやルーフには
ガレージの屋根にとまる鳥が落とす糞の被害に遭うこともある。

独身時は休みの日には愛車を洗ってワックスをかけていた。
もちろんワックスは当時から絶賛されていた高額なシュアラスターだった。
ドアの内側の下部分やボンネットの裏側まできれいにして
効果があるのか知らんが時にはワックスを2度塗りまでして
ツルツルのテカテカ、あ~俺の車カッコいい!と惚れ惚れしていた。
RX-7を手放してからは俺は車に愛情を注ぐことはなくなった。

しかし先日、あまりに見栄えの悪いボディの色ハゲを何とかしようと
カー用品店のワックスコーナーに行ったらたくさんのワックスが並んでいた。
「スーパーウルトラシャインエキスパートコーティングワックス」というような
どこで区切って読むのか分からんようなカタカナ商品名やら
「未だかつてない深く濃いツヤの頂点へ!」「キラめく光沢、透明感!」
「この鏡面光沢から目が離せない!」というようなキャッチフレーズが溢れ、
一体どれを買えば良いのか戸惑うばかりである。

その中で「ボディ同系色超微粒子顔料配合被膜で失った輝きを取り戻す!」
「キズを消し色あせたボディカラーを鏡面復活!」
「くすんだボディカラーを鮮やかに復元!」
「見つめたくなる鏡面光沢!」というパッケージ文句のワックスを買ってきた。
ここまでビックリマークを多用しているから最強のワックスだろう。

早速半年振りぐらいに洗車をして1年振りぐらいにワックスをかけた。
うん、見つめたくなる鏡面光沢ってほどでもないが色ハゲが分かりにくくなったかな。
数日後に雨が降った。雨が玉になってボンネットの上に並んでいる。
やっぱり気分いいな、ワックスがけはしないといかんな、と昔を思い出した。

雨の上がった翌日、同系色顔料によって分かりにくくなっていた色ハゲは雨に流され、
ボディは以前と同じまだらの色ハゲに戻っていた。
ここまでハゲてしまった色ハゲはもう誤魔化しが利かないということか。
それにしてもワックスは過大キャッチコピーに溢れてたな。
もっと謙虚に「古過ぎる車にはツヤは望めないかもワックスです」とか
「まあまあ雨を弾くようになります」「値段相応の普通のワックスです」とか
企業の誠実さを打ち出した商品名に期待するばかりである。
でもそんなんじゃ誰も買わないかもしれないなあ。

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