私のお気に入り!昇る朝日、光る川面、泳ぐ鳥     

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音から隔てられて




岩波新書からでています。

40年ほど前に出版されて絶版になっていたのが
3年前に再版されました。

難聴者・中途失聴者の声、
手記が集められています。

難聴者といえば、20年ほど前のドラマ
酒井法子が演じた「星の金貨」を思いだします。

最近では、筆談ホステス。
また
電車で、学生たちが手話で楽しそうに会話をしていたのを
見たことがあります。

障害として、他の障害にくらべると
そんなに大変じゃないのかなと思っていました。

加齢によってもなってゆく場合もあるし。

でも、本を読んでみると
それは大きな誤解でした。

肢体や目の障害などは、外から見てわかりますが、
耳が不自由な場合、外からは健常者とかわりません。

障害が見えにくい、障害です。

他の障害の人は、耳が聞こえるので、
周りで何が起こっているかわかります。

人の会話が、耳から入ってきます。

コミュニケーションについては、守られます。

聞こえないということは、それらすべてが
閉ざされていて、

見えていても、何を話しているのか、
わからない。

疎外感を強く感じてしまいます。

筆談や、文字があるといっても、
周りの人にとって、筆談はやはりめんどうなもので

その筆談も、的をえたことを書けるかというと
そうでもないとのことです。

それで、だんだん自分の世界を小さくしてしまう。
わかっていなくても、なんとなく
わかった顔をして相槌をうって、
とんでもないところで、変な声をだしてしまったり、
トンチンカンなことを言って、恥ずかしい思いをしたり。

そんな耳の不自由な人の気持ちが
たくさんのっています。

また、難聴の方は自分の不自由さを
隠している人も多いそうです。

障害手帳を持ってる人で、平成18年度で34万人。
何らかの不自由を感じている人は、
600万から800万人。

高齢者が増える今後は、もっと多くなりそうです。

補聴器をつけていても、
なんでも聞こえるというわけでもなく、
耳鳴りがひどかったり、
近くにいる人の声しか拾えませんし、
雑音も大きな音も拾うので、
なかなか万全ではありません。

後ろからの音は全く無防備です。

そんな人もたくさんいらっしゃるということを
心に置いておくだけで、
少し、生きやすい、世の中になるのかもしれません。



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