つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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GrahamはFrankfaterの夢を見るか? その3

唯一の規制は「公共の福祉」?

「ともかくね、アンジー、君のセンスはセンスとして…君の主張には重大な欠陥があることを指摘しておきたいと思うんだけれど」
「ハン! 貴殿のお考えはお考えとして、一杯やりながらでよろしければ、喜んで拝聴させていただきますよ、グレアム判事殿」
「つまりね…今のご高説は差別用語を一律に規制することが不適切なことについての一応の説明にはなっているけれども、未成年ポルノを一律に規制することが適切であることの説明には、なっていない」

「何? だっておまえ今オレのセンスを認めたばかりじゃないか! それを…」
「この国の憲法の条文を知ってるかい?
第二十一条【集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密】
1 集会、結社及び 言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。 通信の秘密は、これを侵してはならない」
「そんなことならオレだって言えるさ!
第十二条【自由・権利の保持義務、濫用の禁止、利用の責任】
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、 国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ
未成年ポルノが公共の福祉に反するのは常識的見解じゃないのか?」

「ところが、裁定を下すのはそう簡単じゃないんだよ、アンジー」
「どういうことだ?」

「三原先生の作品は少女漫画雑誌に掲載された…ということは、青少年に与える影響が大きい、ということを意味する。教育的配慮の問題だね。延いては、公共の福祉にも抵触する恐れがある、と」
「だから出版社が自主規制したと? 
ハン! それなら未成年ポルノが青少年に与える害悪についてはどうなんだ?」
「未成年ポルノを読むのは、未成年じゃない」
未成年だって読むさ!
「成年コミックとして扱われ、未成年が購入することは法律で禁じられている」
「抜・け・道・は! いくらだってあるだろう!」
「それは酒やタバコも同じことだろう? 
未成年が隠れて飲んだり吸ったりするからという理由で酒やタバコの自動販売機を街中から撤去できないこの国が、<成年の嗜好本>である未成年ポルノを、一般書店から駆逐するようになるとは、少なくとも現在の段階では、ボクには信じられないのだけれど

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