つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2010.10.08
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『アウステル大陸漂流記』

セヴァランブの国名は、啓蒙者セヴァリアスに由来する。彼はマホメットによって国を追われたゾロアスター教徒だった。セヴァリアスがこの知られざる大陸に着いた時、そこには太陽神を崇拝する先住民がいた。ゾロアスター教徒として、彼が先住民の間にいかにして溶け込み、彼等を啓蒙したかについては、抄訳の関係上、十分には述べられていない。それでもその結果この国はセヴァランブと呼ばれる太陽神崇拝の君主制民主国家としての道を歩み始める。なお君主は大統領のようなもので、世襲は否定されていた。

ヴェラスがいかにフランス思想の流れにおいて先駆的であったかということは、以上によっても明白である。ただしこの物語全体の中でもっとも美しいのは、啓蒙者セヴァリアス以前の物語、邪悪な神官たちの淫欲に最期まで抵抗したアイノメとディオニスタル夫婦の悲劇である。これを読むためだけにでも、本書(ユートピア旅行記叢書3)を図書館から借りる価値があると不具は思う。





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Last updated  2010.10.14 18:07:07 コメントを書く
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