つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2012.05.09
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カテゴリ: SF
旧版ではなく新版の方で、表題作以外はほとんどすべて新顔。
共通点は、50年代の短編というだけです。

本題に入る前に。
旧版をお読みになりたい方は、アマゾンで買うのではなく、図書館から借りてお読みになることをお勧めします。諸行無常、高いお金を出して買っても、読んだ本の内容や感想など、書き留めなければ忘れてしまうものでございますゆえ。

「徘徊許可証」ロバート・シェクリイ
『人間の手がまだ触れない』 『残酷な方程式』 など、シェクリイの作品は昔よく愛読しましたが、手元には一冊もありません。本編はむしろ「殺人許可証」とでも題した方が良いようなコメディで、舞台はペンギン村がよく似合います。ペンギン村に来た政府の役人が、村から徴兵を募りますが、平和に暮らす村人にそんな勇気はなく、こんなのを無理やり連れて行けば軍の士気にかかわると…

「ランデブー」ジョン・クリストファー
これはむしろ怪奇幻想小説の類ですが、50年代は幻想も怪奇もSFも未分化でした。空で死んだ夫は、生前から妻に言っていた。生きていても死んでからも君は僕のものだと。再婚した女は、だから飛行機に乗るのを極端に恐れた。しかし彼女は忘れていた。高層ビルのホテルの一室もまた危険だということに。

「ふるさと遠く」ウォルター・S・テヴィス


「信念」アイザック・アシモフ
旧版からの生き残り。 「自分の正気を疑うより、空中浮揚を信じる方が、問題の解決を楽にする。わかりきったことだ。あとは彼が動き回るだけさ。僕を助けたいんじゃない。自分の正気を証明したいためなんだ」

「冷たい方程式」トム・ゴドウィン
竹宮惠子の 『私を月まで連れてって!』 VOL・31「バミューダ・ハリケーン」で、ニナが一言で要約し、「古い話」と一蹴しています。まあ、船の種類によりけりでしょうが。

「みにくい妹」ジャン・ストラザー
名作童話「シンデレラ」のパロディ。ただしグリムの原典にある残酷趣味は無視してあるので、世間に流布している毒を抜かれた要約本のパロディ。なお「みにくい」というのは精神的な意味でしょう。

「オッディとイド」アルフレッド・ベスター
イドというのはフロイトのイドのこと。ある男の超能力を利用しようとするはずが、逆に彼を無敵の「独裁者」にしてしまうお話で、ベスタ―らしい短編。

「危険! 幼児逃亡中」C・L・コットレル
『ファイアスターター』 の元ネタになったのではという翻訳者の説があり、言われてみれば主人公の設定は似ているし、年齢も同じ8歳。昔読んだ平井和正の 「赤ん暴君」(『美女の青い影』所収)

「ハウ=2」クリフォード・D・シマック
シマックにしてはブラックなオチ。 ロボットを下手に「解放」すると、人間は自由の奴隷になるしかない 、というスペキュレーションとしては面白いかもしれません。


ハヤカワ文庫 SF 1832冷たい方程式/トム・ゴドウィン/伊藤典夫【RCPsuper1206】





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Last updated  2012.06.10 23:54:26
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