つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2019.02.21
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内容は古代史なので、分類に迷ったが、歴史はモチーフであってテーマではないと判断した。

「日本文化は韓国からの渡来人が形成した」
と言われれば日本人も何となく頷いてしまうが、著者は疑問を投げかける。

・コメは本当に韓半島経由か
・それにしては日本の弥生時代のようなコメの栽培を示唆する遺跡は韓国に乏しい
・統一新羅ができるまで韓半島に国家はなかった、したがって「韓民族」もなかった
・任那日本府は、伽耶に倭族の村があったと考えればいい(著者は、はっきりと書いてはいないが示唆している)
・列島にも半島の村があっただろう、その程度のものだ
・韓国から何百万も亡命したら韓国の人口増加率が著しく低くなるはずだがその形跡は見られない

・だからといって韓国が南方系を崇めたと考えるのが暴論なら、古代日本人が韓民族を崇めたと考えるのも暴論である。
・外国由来の地名は必ずしもそこに当該外国人の居住地があったことを示すものではない
・在日韓国人は、世界的に最も成功した少数民族の一つである、日本にはそういうふところのひろさがある。
(言いたいことは分かるが違和感もある。ユダヤ人は経済的には世界的に最も成功した少数民族だったが、ヒトラーに迫害された)

飛鳥や北九州や出雲や相模の地を巡りながら、著者は日本と韓国のつながりに思いをはせる。金達寿と違うのは、彼女が自分が間違っているかもしれないと自覚していることだ。呉善花は自覚せるヘイエルダールであり、しかも間違うことを恐れない。金氏が在日として自らの存立基盤確立のためにいろいろ調べたように、彼女もまた「さすらい人」としての自分自身の姿を渡来人に重ね合わせる。そうして、古代韓国人は日本人に受け入れられて同化したのであり、韓国人が日本人を指導したのではないと説く。

呉善花の意見はすこぶる穏当に聞こえる。しかし韓国では古代韓国は日本に比べて先進国だったという思い込みに基づいた言論が幅を利かせている。中国は親、自分は兄、日本は弟というわけである。しかしながらもっと残念なことは、「世界で最も成功した少数民族の一つ」である在日コリアンに対して、自らの度量のひろさを誇るのではなく、自分自身の社会的評価を貶めるようなヘイトスピーチが、いまだに大きな顔をしていることだ。



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Last updated  2019.04.03 23:27:11
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