つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2021.04.25
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カテゴリ: 邦画・アジア映画
この映画 ​を観ようと思ったのは、現代チベット人の生活に興味があったからだ。​ 香港 ​や​ ウイグル ​と同じように、チベットもまた中国当局から弾圧を受けていると聞く。その中で、「自治区」たるチベットの人々の生活がいかようなものであるか。制約はあるだろうが、監督がどのように描いているのか、見たかったのだ。

映像は素晴らしい。馬ではなくバイクや車に乗る、現代チベット人の生活の一端を垣間見るには、格好の教材かもしれない。だが…

映画は、「中国は、1980年代から、家族計画を進めてきました」という、暗黒の中のナレーションから始まる。そうして映画を観る者は、まもなく「風船」が「コンドーム」のことであると気づくのだ。娯楽の少ない羊飼いの少年。彼らはその「風船」の本来の使い道も知らずに膨らませて遊んでいる。奥さんは女医に避妊手術の相談に来るが、結局四人目の子を妊娠してしまう。

こんな風に要約したのは、中国人(漢人)がこの映画をどのように見るだろうか、と考えたからだ。おそらく彼らは、こう思うだろう。中国国民なら、一人っ子政策に協力するべきだ。それなのにチベット人ときたら、古臭い転生だのなんだのという思想に縛られて、避妊も堕胎もできないでいる。これなら少しくらい弾圧して、「人口抑制」政策をとったって構わないではないか?

いささか乱暴な話である。もっとフェミニズム的に捉えるべきだったかもしれない。けれどそれにしたって、「妹」はどうも教師の恋人の胤を堕胎したらしいほのめかしがあるし、出家したのもそれが原因ではないかと思われる。「家族計画」に従っただけなのに、なぜ別れなければならないのか。すべてはチベット人の信仰に問題があるのではないか。…中国人ならそう見ても仕方がないのでは、と思ってしまった映画であった。





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Last updated  2021.05.09 20:05:36コメント(0) | コメントを書く
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