彩工房 花

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日本の山野草ニリン草

老木の花


          ここ数年 父は公民館で を習っています

「老木の花」 という本をみつけたので

          「あ これも  お花 の事書いてあるの?」 と 聞いてみました

お能 の事について書いてあるそうです

          少しだけ 読んでみました
白州 正子

               「お能の余白」

          日本人はとかく不完全なものに心をひかれがちです

          たとえばシメトリカルなものをすかないこともそのひとつです

          いかにふたつのものが同じであろうとも 完全に同じ者がふたつはありえません

          同じ をみるにしても 満開の よりも散りかたの または蕾のうちに美をもとめます

          それは「 のさかり」の美しさを事実よりもはるかに美しく想像させるからです

          その想像の余地を残すということを日本人は生まれながらにして知っているのです

          別のことばで言えば「人間が不完全である」ことを

          もっともよく知っているとも言えます

               「一生の出来ごと」

          ほんとに私はいつでもこう思いますんです

          「 高砂 」の次第に 「今を始めの旅衣 日も行末ぞ久しき」とござんすね

          あれが人生というものかと存じます 生れて はるばると生きて死んでいきます

          私はそういう気持ちでいつも謡っとりますのですが

          さあこういう気持ちは 何と申しましたらよろしいんでしょうか

          一生は旅とでも申しましょうか いろいろ辛い事がありまして

          「隅田川」の文句じゃございませんが

          「思へば限りなく遠くも来ぬるものかな」と

          つくづくそんな風に思うのでございます

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