勝手に最遊記

勝手に最遊記

Short Story Nap


桃花の呟きに、八戒がクスリと笑った。

抜けるような青空に、温かい太陽。

吹き渡る風は爽やかに髪を流し、緑の草原が目に優しい・・・

たった今、
妖怪との戦闘が終わったばかりなのを除けば。

「・・呑気な女だな、お前は。」
不機嫌そうに銃を終う三蔵。

「切り替えが早いって言ってよ。・・・お昼にしようよ!」

「しようしよう!今日は、八戒が弁当作ってくれたんだよな~!!」
ウキウキとジープから飛び降りる悟空。

「えぇ。宿の方に厨房をお借りして。今日は良い天気でしたので
張り切ってお弁当を作らせて頂きました。」

「うぅ~楽しみっ♪八戒ちゃん、お料理上手だモンねっ!」
悟空に負けず劣らずウキウキする桃花を見て、

「で?桃花は、お手伝いしなかったのか?」
悟浄が“やや”意地悪そうに聞いた。

「う゛っ・・・あんなに早く、起きれないって・・・。」
朝の5時から作れないよ・・眠すぎて。

「使えねぇ女・・。」ハッキリ皮肉を言う三蔵。

「まぁまぁ。僕が勝手に、好きで作ったんですから。
さっ、用意しましょう。」

無用な喧嘩を避けるため、八戒はランチの準備に取りかかる。
桃花もワタワタと動き回り、まるでピクニックに来たような穏やかな光景。

         「「「「いっただきまーすっ」」」」
            (三蔵・・・・・・。)
賑やかに食事が始まった。

八戒が用意してきたのは、悠に20人分ぐらいの重箱。
それすらも危ういほど、悟空がもの凄い勢いで食べ始める。

「八戒!この肉団子うんめぇ~!って、悟浄!タコさんウィンナー食うなよ!」
「あぁ!?なんでテメーに食われなきゃいけねーんだよっ!?
タコさんがカワイソーだろっ?」
「っっせーなっ!テメーが俺の皿から取るからだろっ!」

『・・・良かったですねぇ、重箱で。』八戒が微笑む。

20人分のうち、15人分は悟浄と悟空の方へ置いた。
自分と三蔵・桃花+ジープの方へ5人分(やや多め)
こうでもしないと、騒ぎに巻き込まれて食べられなくなる可能性もある。

「うるせーぞ!てめぇら死ねっ!!」キレた三蔵が発砲する。
「「きゃあーっ」」悟浄・悟空が悲鳴を上げた。

『ん、もう・・折角、味わってんのにぃ~。あ、卵焼きっ♪』
八戒絶品の、出し巻き卵が一つ重箱に残っていた。

コレは食べておかないとっ♪・・・箸を伸ばした――【ガキン】

ハッと顔を上げると、目の前に不敵な笑みを称えた三蔵が居た。

そう、卵焼きの上で、箸と箸とが絡まったのだ。


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