勝手に最遊記

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Boys Meets Girl ―4―


「じゃー俺も、一緒に行くっ!」すっかり桃花と意気投合した悟空。
「方向音痴のサル二人で大丈夫なのか?」お茶を啜りながら、嫌味を言う三蔵。
あのね~っと睨み付けるが三蔵に何を言ってもムダだと、桃花と悟空は出て行った。

くすくす・・・「何だ、八戒?」
「いえ・・すみません。珍しいですね、三蔵が女性にうち解けるなんて。」
「アレがうち解けるって言うのか、普通?」
「違うんですか?」ニコニコと八戒が問い返す。

「・・・ま、女として見てないからな。」三蔵はマルボロを取り出し火を付けた。
・・・実際、陽欄の様に“女”を武器に迫ってくる女が一番嫌いだった。

紫煙を吐き出しながら「あーゆーお人好しなカンジがウチのサルと似てるしな。」

そうですね・・と八戒が頷きながら、「でも彼女は普通の人間ですが・・気になることが。」「何だ?」

「先程、怪我の治癒で背中を見せてもらったのですが・・・傷だらけで。僕が消せるモノは消しましたが、
どうしても消えない大きな・・・妖怪の爪痕とおぼしき傷が一つ、残ってしまいました。」苦い顔で言った。

「そんなに妖怪に痛い目にあっているのに、妖怪を庇った。体を張って。・・・どうしてだ?」
「まだそこまで事情は聞いていませんが・・。」
三蔵は少し考え込んで、
「消化不良を起こしそうだな。まだ迷ってウロウロしているだろ。俺達も探しに行くぞ。」

三蔵と八戒が立ち上がった。


その頃、悟空と桃花は―――――――やっぱり迷っていた。食堂に戻ろうと思っても、戻れないのだ。

「女中さん達、見かけないな~。さっきまで料理を運んでくれてたのに。・・・どうしたの?悟空ちゃん?」
「何だよ・・ココ?これって扉か?」

見ると、廊下の突き当たりが壁になっていると思っていたのだが、扉になっていて細く開いているのだ。
そこから青白い光が漏れてきて扉だと気付かせてくれたのだった。

「何だぁ?こんな所に扉なんて・・・フツーないよなぁ?」
「うん・・。しかもこの扉って変だよ。閉じてたら壁と見分けつかないもん。地下に続いているみたいだし
・・・隠し扉なんだよ、きっと!」

「隠し扉か・・。」「うん・・秘密の扉・・。」そう二人で言い合って
顔をつき合わせた。そして同時に、「「探検だ!」」意気揚々と下りていく二人を、見送る人影があった。


三蔵と八戒は、悟空と桃花を探していた。

「・・・妙だな。」
「はい。女中さん達も、此処の女主人も姿を見せない。家の中から人の気配が消えてしまっています。」
「人の気配は消えたが、妖怪の臭いはするぞ。」
「ええ、悟空や悟浄はともかく・・・・桃花さんや子供達が心配ですね。」

「まったく・・・これだから女、子供は嫌いなんだ・・よっ!」
言い終わるかどうかのうちに、三蔵は背後に忍び寄っていた妖怪に向けて銃を撃った。

ギャァッ!!聞くに耐えない声を上げて倒れた妖怪を見て、
「三蔵!この妖怪の服を見て下さい、此処の女中さんですよ!」
「・・・チッ。八戒、面倒なことになったな。」
「でも妖怪が相手ですから。加減しなくていいですし、楽ですよ♪」
「この状況でにこやかに言うな・・。」「とにかく、手早く片づけましょう。」

三蔵と八戒の周りを、この家の女中達であっただろうと思われる妖怪が取り囲んでいた。


「うわぁ~何か怖い~。」「大丈夫だって!俺が付いてるんだから。」
―――――――――――――――悟空と桃花は地下へと続く階段を降りていた。

地下は思いのほか広く、見通せた。下から出ている青白い光が足下を照らしている。
「何の光なのかな・・。あ、階段終わりみたい。」

―――――ゴォンゴォンゴォン・・低い音が絶え間なく続いている。地下に降りるにつれ、
その音も光も強くなって来る・・・・・・。

階段を降り、少し進んだ所で・・・・・悟空と桃花は自分の目を疑った。

「何だよ・・・コレ・・・。」やっとの思いで悟空が言葉を吐き出した。

そこに、巨大なカプセルがあった。

そのカプセルが青白く発光し、光を地下いっぱいに満たしているのだ。
カプセルの中は紫色の液体が入っていて、その中に・・・

「・・・悟浄さん!!」「悟浄!!」

悟浄が入れられて居た。体にはチューブがいくつも付けられており、意識がない。ユラユラと体が
微かに揺れ、ぶくぶくと気泡がまとわりついている。

「おらああぁぁ!!如意棒!!!」悟空が渾身の力を込めて、カプセルに叩きつける。

ビシッ!ビシッッ!!カプセルにヒビが入る。「悟浄ぉぉ~~!!」悟空がもう一発、叩きつけた。

バリイイィン!!!カプセルが一気に割れ、紫色の水ともに悟浄が流れ出してくる。

「悟浄さん!しっかり!!」「悟浄!寝てんじゃねぇ!!」
悟空と桃花は必死に悟浄の体に付いているチューブを抜き取った。

「悟浄!目を開けろよ!!」悟空の問いかけにも答えない。

「悟空ちゃん、とにかく八戒さん達の所に行って悟浄さんを診てもらおう!八戒さんなら助けてくれる!」
「・・うん!とにかく悟浄を運んで・・。」悟空が悟浄の体を抱えようとした時、

「ダメよ。そんなことしちゃ。」妖艶な声が地下に響いた。


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