日進月歩

日進月歩

タイトルのためのちび小説


小小説(?)置き場。
下に行くほど古いです。
上が最新です。

じゃ、どうぞ!

*両親を訪ねて*

ぼくは生まれた時から独りぼっちだった。
ただし本当に1人ぽっちというわけではなく
両親がいないだけなのだ。
同じくらいの歳の仲間はたくさんいた。
そう。
ぼくには両親がいない。
お父さんは当然の如くお母さんの顔さえ知らない。
周りの皆はそれが当たり前だと言い
仕様がないというけれど
ぼくは寂しくてどうしようもなかった。

「探しに行きたい。」
そう長老に言った事もあった。
長老は
「それはいけない。
 みつかりっこないんだから。」
そう言ってぼくを止めた。

周りの皆も最初はぼくを止めた。
「生んだ事さえ覚えていないんだから
 会いに行ったって、悲しくなるだけだよ」
とか
「死んでいるよ、もう。」
なんて言うんだ。
「皆は会いたくないの?」
そう聞いたけれど
「ううん。会いたくないね。」
口をそろえてみんなそう言った。

そのうちぼくがあんまり
探しに行くと言い張るようになると
皆はぼくをいじめはじめた。
「お前みたいな弱虫に
 この森を歩いて探し回れるかよ。」
「見つかるわけ無いよ。
 お前の親なんだからもう
 他の奴らに殺されてしまっているさ。」
そうやってぼくの両親の悪口を言いながら
踏んづけたり持ち上げられて叩き落されたりした。

3日もいじめられると
ぼくは傷だらけになってしまった。
ぼくは悲しくて悲しくて毎日泣いた。
周りの皆はそれを面白がって
更にいじめるようになった。
長老も誰も助けてなんかくれなかった。
それが、当たり前だったから。

生まれてから1年。
地上に出てから15日。
いじめられ始めてから一週間たった日に
僕は決めた。

お父さんとお母さんを探しに行こうと。

誰にも告げずにある日の夕方
森で一番大きな木の枝の先から
羽を広げて飛び立った。

皆が「ニンゲン」と呼ぶ動物が
「アッ!クワガタダ!」
そう言ったのを聞きながらの旅立ちだった。

―――――
某児童書に惚れて書いたブツ。
意外と気に入ってたりする。

――――――――――――――――――――――――

*夜の少女と太陽の少年*

私は朝を捨てた。
数字で決まる人生。
うわべだけのメール。
嘘だらけの人間関係。
世間体が支配する家。

そして朝川 光林。
朝川 光林とは私の名前で「アキナ」と読む。
ややこしくて私は嫌い。
そして何より
“光”だの“朝”だのという字が入っているのが気にくわない。

そんなくだらないものと一緒に
朝を捨てた。
要らないから。

そして、今私は夜に生きている。
月の光で目が覚めて
太陽の光を浴びると眠くなる。

私にとって月は太陽で
太陽は月なのだ。

そんな私を夜の少女だと言ったのは
彼だった。


彼の名前は夜原 宵。
ちなみに職業は自称「太陽の少年」。
どう考えても泥棒の彼は夜に弱い。
うちに忍び込んだ最初の時にも
大きな欠伸をしながらの入場だった。

ばっちり目が合ったのに彼はにっこり笑って
「こんばんはv」
そして面食らう私をよそに
「寝ないの??」
と聞いてきた。

私も何を思ったのか
「私には夜が朝だから」
とちんぷんかんぷんな答え方をした。
今考えても明らかに可笑しいその答えに
「んぉ。
 んじゃ、オレと真反対だね!!」
満面の笑みで言われてしまったら
普通そうでしょう、と言い返せなくなってしまう。

少し間が有った後
彼は私の頭をぽんぽんと軽く叩くと
「何か有ったか?」
凄く寂しい顔でそう言った。

彼が窓のサッシに足をかけ
「また来るね、あきなちゃんv」
と言って去っていってから
私はずっと考えつづけた。

彼は何故何も盗っていかなかったのか、と。

彼は次の日、私が目覚めた頃またやってきた。
今度はたくさん話した。
朝と一緒に捨てたもの。
最低な親の話。

いつの間にか昨日知り合ったばかりの
泥棒少年が私の世界の中で
一番信じられるものになっていた。

彼も自分の事を話してくれた。
「俺がさぁ、太陽の少年になったのは…」
彼があんまり真面目に
自分の事を「太陽の少年」なんていうから
私は吹き出してしまった。
「笑うなよぉ。光林ちゃん!」
「ごめんなさい…続けて?」

私はその後すぐに吹き出さなければ良かったと後悔した。
宵君の、太陽の少年の両親は
共に浮気をしていた。
父親は夜になると家を抜け出し
母親は夜になると家に浮気相手を連れ込む。

宵君にとって、夜は大嫌いな存在だった。
「でも、太陽が出てる間なら
 仮面家族でも何でもあの人たちは演じてくれたからさ…」
だから、俺は太陽の少年になったんだ、と寂しそうに言った。

「よいくん?」
沈黙が耐えられなくなって私はこわごわ口を開いた。
「ん?」
宵君はもう笑顔に戻っていた。
「また来る?」
宵君は満面の笑みを私に向けてくれた。

―――――――
今まで書いてきた中で一番
辻褄が合ってないと思う作品。
でもいいんだ!!
ちなみに男の子は「やすはら よい」君だよ。

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*使命*

「うまくまけたかしら」
冷たい声音で何気なく言う。
「みたいだね。今の所。」
皮肉交じりに相方が呟く。
「確かに私のせいだけど…その口調は酷すぎない?」
別に謝って欲しいわけでもなく、ただ言ってみた。
どうせ向こうもわかってる。
口数が少ないこやつにもう少しだけ話して欲しかった。

「コミニュケーション取ろうとか思わないわけ?!」
口数の少ない奴には喋りつづけるに限る。
皮肉返ししてみた。
「うるさい。来るぞ。」
口数は少なくても気配だけには敏感だ。

「逃げるか?」
やっと自分も気配を感じ取った所で問うた。
「闘う。やり方はそれ一つだ。」

―さっきは逃げたくせに。

もちろん声には出さない。
こいつとの関係は崩れたら困る。
プライドの高い奴なのだ。
これからもこうしてずっと一緒に闘わなくてはいけない。
これが使命という奴かもしれない。
面倒臭いと思っていたけど、こいつとなら背負ってもいいと思った使命。

「惚れた弱みか。」
そっと呟く声はあいつに聞こえているはずなど無い。
…多分。
――――――――
中途半端だNE☆

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