日進月歩

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独りぼっちの馬と裏切り者の鹿・6


「2年D組の無口少女が
 転校してきた女の子を、屋上で絞めていた」と。
「ああいうのは、キレたら何をしでかすか判らない。」と
「近くに寄れば、殺されるかも」とまで。

あのあと樹里は生活指導の先生にこっぴどく叱られた。
言訳する気など、さらさら無かった。
どうせ大人には何を言っても判らないと思っていたし
何より、自分が怒られているのを被害者面下げて
見ていた自称親友に腹が立って仕方なかったからだ。

開放された後、自称親友サンは
あろうことか、樹里に話し掛けてきた。
「ふふ。樹里は悪い子ねぇ…」
とても楽しそうだ。
凄くイライラしたが、無視を決め込んだ。
こんな奴と金輪際関わりたくなかった。

教室に戻ると、樹里は人の塊に押し倒されながら
沙咲がその塊の中心に入って行くのを見届けた。
中の方では
「今度からはあの人とじゃなくて
 うちらと移動教室、行こうねぇ…」
だの
「もう、あの人に近づいちゃ駄目だよ!!」
など。

そんな会話を聞いて樹里は泣きそうになった。
沙咲と離れる事が悲しいのでは決して無く、文字通り
涙が出るほど、樹里は嬉しかったのだ。
1人に戻れる。
金輪際関わらなくて済む。
なんて、嬉しい事だろう。
願っても無い、とは絶対にこの事だと
樹里は思いながら席についた。

と。
輪の中から
「ちょっと待って!!
 私は今までどおり、樹里とは親友よ!!」
と聞こえ、樹里は絶句した。
まだ言ってるのか!!
そう叫びたくなった。

何十もの目がこちらに向く。
「ねぇ?樹里、そうでしょう?」
沙咲は気味の悪い笑顔を浮かべてこちらを向いた。

吐きそうだった。
このくだらないお友達ゴッコに
まだ樹里を付き合わせようとしているのだ。
全てを後悔した。
あの日、沙咲が転校してきたあの日
沙咲を見詰めた事。
話し掛けられたのに答えた事。
全部。
最初の最初から全て。

「ふざけないで。
 アンタとのお友達ゴッコはもううんざり。
 アンタの周りにはステキなお友達がたくさん居るじゃない。
 その中からにして。アタシはもう嫌よ。」
出来るだけ冷淡な口調でそう告げた。
沙咲のとりまきは樹里に「最低」とでも言いたげな
視線を送ってきた。
はっきり言って樹里には菜留子との友情さえあれば
何も要らなかった。
群れるためだけの不安定な友情も
クラスや先生の人気も
邪魔なだけだった。

一石二鳥だ。
クラスから孤立できて、沙咲とも手を切れる。
こんないいことは無い。
でも、そんな野望さえ沙咲は破ってきた。

「どうしてそういうことを言うの?
 樹里、私たち親友じゃない。」

殴ってやろうかとさえ思った。
誰が?
誰が誰と親友だって?
目眩がする。

「あれは誤解よ!!
 そうでしょう、樹里。
 私たちの友情は―」

次の瞬間吐くどころの騒ぎではない
事態が起こった。

とたっと沙咲が樹里に駆け寄ったかと思うと
樹里の両手をそっと包み込んで
「―不滅よ!!」


―――――――
忘れてなかったよー!(何

ちょっとずつ壊れてますね(ニヤリ<殴
もう少ししたらいろんな事がわかって
動き出すかと思います。

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