日進月歩

日進月歩

独りぼっちの馬と裏切り者の鹿・7


次々に樹里を襲った。

相変わらず沙咲は自称親友を続け
そのせいで先生とおとりまき連中から
何度も呼び出しを喰らい
お叱りと忠告を受けた。

全てがくだらない。
どうしてアタシが怒られなきゃいけないの?
アタシはあんたたちや沙咲から離れたいのに。
沙咲が勝手についてきているのに。
やめて。
くだらない。
全部。

もう
死にたい。


「私達、どんな事があっても、親友だよって誓ったわよね?」

「その誓いを忘れないで欲しいの。」


そう思うたびに
カッターに手をかけるたびに
菜留子の言葉を思い出した。
このくだらない場所から早く抜け出して
早くおば様の誤解を解いて

菜留子に逢いたい。

それだけで強くなれた。
大丈夫。
アタシには菜留子がいる。
そう思えた。

でも…何処から突き崩せばいいの?


悩んでも答えが出ない。
それが一週間は続いただろうか。

「菜留子…!」

何度も見直した。
何度も確認した。
それでも確かに樹里の目の前には
菜留子が立っていてこちらに手を振っている。

「…っ!どうして?!
 会えないって…」
急いで駆け寄りながら言う。
何十年も聞いていなかったような懐かしくて
暖かい声がする。
「ふふ。樹里があんまり遅いから。
 逢いたくなっちゃって。」
そうだ。
よく考えてみれば菜留子と会わない日が3週間も続いたのは
今回が初めてだ。
日曜日にならなくても何かにつけて
2人で遊んだ。
小さい頃からそれは変わっていなかった。

「あー。涼しい!!」
外は立ち話できるような暑さではなかった。
とりあえず2人は、近くのファーストフードの店に入る事にした。

「樹里?ホントにそれだけでいいの?」
菜留子は樹里の片手に納まっている
小さなジュースのカップを見詰め不安そうに聞く。
「いいの。今月ヤバイんだもん。」
「そう。」
菜留子がやっと納得すると
2人で時を忘れて他愛もない話をした。

樹里は嬉しかった。
あのメールを菜留子から―正確にはおば様からだが―
貰った時はどうなることかと思った。
ましてや、こうやって楽しく話ができるなんて。
でも。

「樹里?あれからどう?」
間抜けな事に一瞬何の事か分からなかった。
そして、一瞬の後に悪夢へと引きずり戻された。
「…ああ。最悪よ。」
樹里は思い出したくもない出来事を菜留子に話して聞かせた。
話し終えると同時に二人の間に重い空気が流れた。
「一体、どうしたらいいのかしら。」
菜留子がそうっと口を開く。
「アタシにもわかんないわ。」
2人で顔を見合わせると
大きなため息をついた。

「帰りましょう。」
結局その一言で楽しい時間は幕を閉じた。
沙咲のせいで。


――――――
毎回の事ですが
キリのいいところが中々無い。
これも、私の無計画のせいですが;

えーと。
沙咲めっちゃ醜いことになってますね。
何故こんな事になったのかは、追々。

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