侍畑

侍畑

第十二話

no12-1


【けじめ】
野伏せりの物見を斬り、呆然としているカツシロウにカンベエの喝がとびます。あれほど「なぜ侍になりたい?」と聞いてきた今までのカンベエ様の気持ちが込められているようです。そして裏切ったマンゾウに今までになく厳しい眼差しを向けるヘイハチ。ホノカの時もそうでしたけど“裏切り”という行為に対してここまで厳しいってのは尋常でない事情が隠されているであろうことは想像がつくのですが。それが何なのかとっても気になるところ。ヘイさん、何があったんだよ…?

【覚悟】
ヘイハチが皆の前にマンゾウを引きずり出していた頃、カンベエは黙々とカツシロウの刀を研ぎます。その後ろでかける言葉も見つけられず立ち尽くすカツシロウ。悪く言ってしまえば今まで勢いで「侍」を目指してきた子にとっては目指すところが「人殺し」を避けて通れない道だと身を以て知る事は、かなりヘビーな現実だとは思うのです。だからと言ってもう、戻る事はできないわけで。カンベエもそれを改めてカツに諭すのです。「まだ斬らねばならない」と。でも、ある意味カツは今の時代に生まれて良かったのかも。戦場だったら真っ先に淘汰されてそうです…。(スミマセン。でも心配なんだよぅ…)そして、その汚れちまった悲しみに、なカツの字に「ともに堕ちます」と心中(?)宣言な水分りの巫女様…!!魔性だ!!この里には魔性がいるよ…!!!

【出自】
村人たちの前で裏切りを糾弾されるマンゾウ。みんな「どうして今更?」と思う訳です。でも、農民にとっては田畑がいかに重要なのかは村人は知っています。だからといって今はその優先順位が認められないの状況なのは明白。そんな中、キクチヨが立ち上がります。農民がマンゾウの肩をもつのは当然だ、農民はズルくて汚い、でも農民をそうさせたのは戦で何もかも奪っていく侍だと。ここで、キクチヨがはっきりと農民の出だということが明かされるのですね。第三話感想でもちょっと触れてたんですけど、いい目を見れるかと思って侍を目指したとキクは言ってましたが。以前、農民である自分たちを苦しめていた侍という立場になろうっていうのは、一体どんな気持ちなんでしょう。まぁ「ウオー!オレは侍になるぞー!!なるったらなるーー!!!」って勢いでってのもキクの字に関してはアリかもとは思うのですが(オイ)。でも、きっとキクはただの侍になるってつもりではなかったんでしょうね。弱い農民から搾取するだけの侍ではなく、もっと純粋な強さを求めるためだったのではないのかと。だからの機械化だと思いたいのです。そして、自分のほとんどを捨てて生まれ変わらなければいけなかったキクの心情を思うと、私はとても切なくなるのです。

【旗印】
この原作・アニメ両シリーズ通して象徴的に使われている旗がお目見えです。原作ではヘイさんが作ってるんですよね。そしてそれが効果的に使われていたりもするんですけれど。この、侍+どっちでもありどっちでもないもの+農民っていう単純な記号と文字の組み合わせの旗、決してカッコヨくはないんですけれど、そのごった煮加減が全体の雰囲気と言いますか、ありのままの関係と言いますか、何かを的確に表しているように感じられて、私は好きなのです。

そして、いよいよ侍と農民は野伏せりと相対する事になるのです。

第十三話感想へ続く。

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