「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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Polymnia
ファンタスマゴリア 中篇
「んん・・・」
「おはよう、花火。」
「!?かっちゃん・・・」
「なんだよ?」
「えへへ、夢じゃない。」
「当たり前だろ?ほらご飯。買ってきたから。」
「はーい。」
ひょっこっと花火はベットから飛び起きる。
「あぁ~おにぎりだ。懐かしい。」
「シーチキンと納豆でいい?」
「・・・かっちゃん、忘れたの?」
「ん?なにが?」
「私納豆嫌いなの。」
「うん?知ってるけど?」
「!?ならなんで!?」
「面白いから。」
「馬鹿!!」
「まぁ食えよ。残してもいいからさ、花火ちゃんはたべれまちゅかね~?」
「むぅぅ・・・食ってやるわよ。
もぐもぐもぐもぐもぐ・・・うえぇぇくさい。」
「ははは。」
そのあと殴られたのは言うまでもない。
・
・
・
「いてて・・あんな思いっきり殴らなくても。」
「かっちゃんが調子に乗るからでしょ。
小さな頃は花ちゃん、花ちゃんって後ろからついてきたのに。」
「そういやぁ・・・」
「なに?」
「お前はどうやって生き返ったのか、今度はしっかり聞きたいんだ。」
「いいけど・・・ってか今度はってこの前はきちんと聞かなかったんかい。」
「そりゃあ馬鹿げてると思ったからね。でも今は違う。」
「そう・・・でも今度は怒らないでよ。このまえのうんざりだって怒ったとき
ホント怖かったんだから。」
「だから謝ったじゃないか、そこは。」
おもわず苦笑する。
向こうも冗談で言ったのか笑っている。
「実は・・・・・」
花火がこの2日間の流れを詳しく説明する。
今分かるのは、今日を入れて2日間しか生きれないこと。
ペンギンの人形に閻魔様がいること。
「・・・じゃあ独り言はこいつとだったのか。」
「こいつというな。こいつと。」
「うぉ!しゃべった!!」
「あはは、かっちゃん怖がり~」
普通びびるだろう・・・目の前で人形が喋っているのを見たら。
「しかし。大体話は分かったよ。
じゃあさ、この2日間でたくさんいい思い出作ろう。そして満足しよう。
それが俺に出来る唯一ことかもしれないから・・・」
「かっちゃん、ゴメンネ。私なんかのために。」
「いいんだよ。お前は気にしなくていいんだ。
花火、どこ行きたい?行きたい場所つれてってやるから。」
「じゃあ・・・お母さんのところ。」
「・・・本当にそれでいいのか?いい結末は待ってないぞ?」
「いいの。元気な顔が見たいから。ね?」
「分かった。そういやぁこのペンギンは連れてくの?」
「もちろんじゃない。ほらほら早く行こう!!」
「はいはい。」
「そういやぁかっちゃん気付いてる?最初のときと口調変わってる。」
えへへと花火が笑っている。
「俺は優しいからな。小さな子には優しい言葉遣いなんだよ。」
「んふふ~このロリコン。」
「うるせい。お前だって最初は本当に9歳だと思ったぞ。」
「うまかったでしょ?」
「今も9歳に見える。」
「!!私16歳だもん。」
「あはは、そうやってすぐムキになるところが子供っぽいんだよ。
ま、そんなお前がいいと思えるからこうやって一緒にいるんだけどな。」
「またそうやってノロケて・・・かっちゃん大好き!!」
「おわっ!!馬鹿、抱きつくな・・・。」
2.
歩くこと1時間。そのうち半分が疲れたと言う花火をおんぶして歩いたが、
なんとか天野家に到着した。
「ヒィヒィ。疲れた。」
「お疲れさーん。」
俺の背中から降りた花火は懐かしそうに自分の家を眺めていた。
そして小さな声でただいまと言った気がした。
「寂しい?」
「寂しくなんかないけど・・・入らない?」
「じゃあ入りますか。」
そういい、俺は天野家の呼び鈴を鳴らす。
ピーンポーン
数秒後、どたどたという小走りの音が聞こえ、ガチャっと扉が開く。
「はいはい、・・・えっとどちらさまですか?」
そう言い出てきたのは、正真正銘花火の母親だ。
10年たっていても分かるほど変わっていない。
「お久しぶりです。蒼井蠍です。」
「まぁ!!蠍君?大きくなったわね~。上がってちょうだい。
ん?後ろの可愛らしい女の子は誰?」
「え、この子は・・・イテテ!!」
「?」
本名を言おうとしたら後ろから花火につねられた。
「蒼井双葉です。この変なおにいちゃんの妹です。」
誰が変だ、誰が。
やはりというかなんというか・・本当のことは言わなかった。
「そう、まぁ上がってね。」
そういうとおばさんは家に一足先に入る。
「・・・ゴメン。」
「かっちゃんが謝ることじゃないよ。こうしようって
昨日から決めてたから。」
「お前が考えてること、察知してフォローしてやればよかったな。」
「いいからいいから。早速入りましょ。
汚い家だろうけどゆっくりくつろいでくださいませ。」
花火はおどけた調子でそういった。
蠍はそんな態度を取る花火を見てまた一つ思い出した。
そう、彼女は泣きたいほど辛いことがあると笑って冗談を言うのだ。
でも・・・そんな彼女を抱きしめることは出来ない。
なぜなら、おれ自身も彼女に気付いてやれず苦しめたからだ。
そんな資格はない。彼女を見守ることしか出来ない・・・
「あぁ。おじゃまさせてもらうな。」
「うんうん。あー懐かしいなぁ、このドア。」
何もかもがわざとらしい・・・
でもそこは何も知らないふりをしておくべきだろう。
彼女が選んだ道なのだから。
3.
「さぁ、そこに座って座って。」
そういい、おばさんはお茶を取りに行く。
「じゃあ言葉に甘えて・・・」
俺と花火、もとい双葉が座る。
「隣は双葉双葉双葉双葉・・・」
「かっちゃん、気持ち悪い・・・。」
マジでひいてるようだが仕方がない。
こっちはそれくらい必死なのだ。
「お待たせ、こっちのお菓子もよかったら食べてね。」
「あ、どうも。」
「・・・・にしても。」
おばさんが懐かしそうに口を開く。
「本当大きくなったわね、昔はこ~んなくらいだったのに。」
「まぁ10年ですからね。」
「そうね・・・・しかも蠍君かっこよくなったし。
うちの花火が生きてたら絶対捕まえなさいって言ったのに・・・」
花火の顔が沈む。
「花火、会いにいっていいですか?俺」
花火がこっちに顔を向ける。
目で「お前じゃない」と訴えたら、あっと言いそうな顔をして
また顔を下げてお菓子を食べる。
「いいわよ。こっちね。」
花火(本体)の仏壇の前に案内される。
「花火もきっと喜ぶわ。」
おばさんは力なく笑う。
「では。」
隣にいるというのに拝むというのも変な話だ。
「・・・花火ね、9歳のときに死んじゃったって話聞いたでしょ?
お母さんから。」
「あ、はい。」
「その日のことね、今でもはっきり覚えてる。
いつものように廃校した校舎へ行こうとしたの。そしたら信号無視した
トラックにひかれたんだって。・・・本当なんであの子が死んだのかしら。
なにか悪いことをしたのかしらね、その罰が下ったのかしら。」
遂におばさんが泣いてしまう。
「おばさん、でも今花火は天国で幸せだと思いますよ。
こうやって10年経ってもおばさんは自分のために泣いてくれているのですから。
それに・・・花火との思い出のこと正直、昨日まで忘れてました。酷い話ですが。
でも、思い出せた今は彼女に夢中です。」
そう言って微笑む。
花火はというと・・・やはり顔をうずめていて表情が読み取れない。
「あっ、おばさん。僕今から少し行かなきゃならない場所ができたんですけど
その間花、双葉預かってもらっていいですか?」
「え?えぇいいわよ。」
「よかった。じゃあ双葉、一人だけど頑張れよ。ほら人形さんは持っとくから。」
花火は困惑しているがまぁいいだろ。
3発くらいは殴られてやろう。
「では。すぐ帰ってきますんで。」
「はいはい、いってらっしゃい。」
「あれ?双葉は挨拶なしか?」
「いってらっしゃい・・・お兄ちゃん。」
ふぅ。よく言えました。
そう思い俺は花火の家を出た。
4.
家を出た俺はなんともこっけいな姿だろう。
なんせ人形片手に歩いてるのだから。
「お前、恥ずかしくないのか?」
グハッ、やっぱ言われた。
「う、うるさい。お前と二人で話してみたかったからな。
別にいいのさ。」
「その割には顔が引きつってるぞ。」
この野郎・・・・
「と、まぁ冗談はこれぐらいにして、私に話とはなんだ?」
「そうだな・・・とりあえず公園のベンチ行こう。」
俺はとりあえず近くのベンチに腰掛けた。
「花火のことだが・・・」
「あの子は・・・不憫だな。」
「!?」
思いもよらない返答だ。
「ん?私がへんなことを言ったか?」
「不憫だと?」
「そうだ。・・・彼女は不憫以外なんというのだ。
自分の好きな相手にも忘れられていて、親にも会って・・・
彼女には哀しい道しか残されていないのだぞ?」
「・・・・すまないと思っている。
お前には言うよ、俺な。本当に忘れてしまっていた。
心の中では彼女を大事に思っていなかったんだろうな。」
「そう思うなら・・・彼女が残していく思い出を忘れないでやることだな。」
「あぁ分かった。・・・そういやぁお前名前なんていうんだ?」
「聞きたいのか?」
「だって呼べないじゃないか。」
「・・・琥珀だ。」
「日本名だな・・・ま、似合ってるのかもな。」
「ふん。」
「あのさ、最後に聞きたいんだ。」
「答えれることなら答えよう。」
「お前が花火を生き返らせたのか?」
「無論そうだが・・・何故だ?」
「多分お前が想像している生き返るじゃない。
彼女が不憫だと分かっていて、苦しませる道を選ばせるような・・・
そんな人には見えないんだ。」
「お前に私が分かるのか?ははは、とんだ笑い話だな。
・・・・でもな、これだけははっきり言おう。
決めたのは私ではない。むしろ私には決める権利はない。
冥界には私の上にもう二人いてな。いや、少しだけ私より権力があるだけなのだが。」
「そいつらが決めたのか?」
「そういうことだ。」
「ふざけるな・・おまえら神様の道楽に巻き込まれて
あいつは傷つかなきゃならないのか!!?」
「落ち着け。周りから見たら変人だぞ。」
「あ・・・」
周りの人がこっちを変な目で見ている・・・
「すまない。」
「お前の言い分も分かる。だが・・・耐えてくれないか。」
「あぁ分かった。お前を信じるよ。
・・・・じゃあ、そろそろ花火を迎えに行くか。」
「うむ。」
一つ分かった。
琥珀はなんだかんだ言って花火のことを考えてくれている。
優しい悪魔なのかもしれない。
5.
蠍は花火の家に着きチャイムを鳴らす。
ピーンポーン
「はい?」
インターフォンからおばさんの声が聞こえる。
「あ、蒼井です。花・・・双葉を迎えに来ました。」
「あっ、どうぞどうぞ。入って頂戴。」
では失礼します、っと。
「あっお兄ちゃんお帰り~。」
花火は笑顔でこちらをみるが・・・少し口元が笑っていない。
「おっす、ただいま。」
ごめんなさいとアイコンタクトを送る。
「双葉ちゃんにいろいろ話したかったんだけどね。
すぐに眠っちゃったの。」
なるほど・・そうやって逃げたのか。
「あはは。今日はここまで来るのに歩かせましたからね。
疲れてたんですよ、きっと。」
「・・・かわいい妹さんね。大事にしてあげるのよ。」
「もちろんですよ。では今日はこれで失礼します。
また・・・花火さんに会いにきますから。」
そういい、俺は家を出た。
「じゃあね、おばちゃん。」
花火がそういい家を出ようとした。
その時だ。
「・・・花火。」
「え?」
つい花火は後ろを向いてしまった。
「本当は花火でしょ?愛娘の顔を忘れるわけないじゃない。」
「お母さん・・・」
「やっぱり。あんたは気をつけてると思ってるだろうけどバレバレ。
あんたまだ悩んでるとき爪かむくせなおしてないの?」
「そりゃあ昨日まで死んでたもん。」
「・・・・詳しいことは聞かないわ。思う存分今を楽しんできなさい。
お母さんは今日会えて嬉しかったわ。」
「ありがとう・・じゃあ行って来るね。」
「蠍君を困らすんじゃないよ。」
「分かってる。大好きな彼氏だもん。」
・・・バレテ良かったのかもしれない。
だってこんな清清しい気持ちで出て行けるのだから・・・
6.
「あのね、蠍ちゃん。」
「ん、なんだ?」
肩車をしていると上から声が聞こえてくる。
「・・・・ばれちった。」
「は?」
「だからお母さんにばれたの!!正体が。」
「マジか!?やっぱ分かるもんなのかね・・・」
「母親ってすごいね。私もあんなふうになりたかったなぁ・・」
「なれるさ。お前なら。」
「馬鹿。二日後には死ぬんだよ!!・・・もう死んでるけど。」
「ははは、なーに言ってんだよ。俺が死んだときに結婚して、
子供は・・・・三人。名前は・・・桜とウメと菊香。
どうだ?」
「でも・・・蠍ちゃん独身じゃないよ。そのころには。」
「俺を信じろよ。お前がいなくなってもぜ~ったい!!独身でいるから。
死ぬまでな。」
「蠍ちゃんは優しいなぁ~泣けてくるよ。」
「ほら、そろそろ歩けるだろ。」
「え?うん。」
ひょこっと降りて隣を歩く。
「ほれ。」
「え?」
俺は彼女の横に手を差し出す。
「手をつなぐくらいできるだろ。」
「・・・うん。」
彼女は顔を下に向けながらうなずく。
照れている顔もまた可愛い。
・・・ん?そういえば彼女は今9歳な訳で。
そんな彼女をみて可愛いと言う自分は・・・
「ロリコン?」
「ん?なにが?」
「い、いや、なんでもないぞ。」
「そう・・・なら・・よかっ・・・た。」
バタン!!
「は、花火?」
―大変だ―
そう思い、俺は彼女を抱きかかえ走った。
― 頼む。まだ死なないでくれ。
そして・・・・
まだ俺にこいつと過ごせる楽しい時間をくれ ―
俺はいるかも分からない神様に頼んだ。
5章:4日目
「どういうことだよ・・・これは。」
俺は倒れた彼女を校舎の保健室、つまりいつもの場所に寝かせた。
彼女は今寝ている。
はたからみれば安眠しているようだろう。
でも彼女は少なからず倒れているのだ。
それに・・・明日にはお別れなのだから。
「どういうことだもなにも彼女の体がそろそろ限界なんだろう。」
「なんだと・・・まだ一日あるじゃないか。」
「それは彼女の精神がこちらに残れる時間だ。
彼女の肉体がそれまで耐えれたらの話だが。」
「またお前ら神様の道楽のせいかよ・・・。」
「・・・・すまない。」
「え?」
「私がもう少し発言力があれば1週間でも1ヶ月でも生き返らせたのに。」
「琥珀・・・いやぁあのさ・・こっちこそゴメン。怒ってしまって。」
「怒られるのは慣れているさ、死を司るからな。」
そういって琥珀は笑った。(実際に笑ったような・・・ん?)
「じゃあ、俺は無理をさせてしまったのか。」
「身体的にはそうなるだろうが見てみろ。彼女の顔。」
花火は・・・幸せそうに眠っている。
「こいつ、人の気も知らないで・・・。」
「君達を見ていると自分の卑劣さに涙が出てくるよ。
私もこれでも昔はある者を愛していてな。」
「へぇ。意外だね。」
「彼女は人間だったんだ。」
「決してあっちゃいけない存在なきがするが。」
「その通りだ。むろん彼女は私に対する記憶を消され
死んだときには私の管轄下には置かれなかったよ。」
「閻魔様ってのも苦労するんだな。」
「私の苦労なんて大したことない。ただそれで傷つけてしまった人たちに
なんとわびれようか・・・」
「いいんじゃないか?そんな風に考えなくても。」
「なに?」
「あんたは十分すぎるくらい詫びているさ。
少なくとも俺にも花火にも。」
「ふん。」
「ん・・・ん。」
花火が少し動いた。
そして少し目を開け数回瞬きをした。
「あっ目が覚めたか。花火。」
「あれ?私蠍ちゃんに肩車してもらってて・・・。」
「途中でねたんだよ、全く運ぶほうの身にもなれよな~。」
冗談であることがばれているかもしれない・・・
でも彼女は、
「そっか~ゴメンネ。重かった??」
そうほぐらかしてくれた。
全く・・・頭が上がらないな。
「めっちゃ重たいよ。家でお菓子食べまくっただろ?」
「あっ!!ひどい!!それが彼女に言う台詞?」
「自分から重たい?って聞いてきたんだろ?だから正直に重たいって
言ってやったんじゃないかよ。」
「むぅ~あぁ言えばこういう子だね。」
「そういう子ですから。」
もう笑いこらえれなかった。
盛大に笑ってしまった。
彼女も・・・・・
いつの間にか思いっきり笑っていた。
2.DREAM
蠍ちゃん!!今日はどこへ行くの?
今日はね・・・ここです!!
ここって・・・昨日と同じ学校じゃん。
む・・まぁそうだけど。昨日は保健室だけだったじゃん?
だから今度は他の場所に行きたいなぁって。
そっか・・蠍ちゃんも考えてたんだね~偉い偉い。
むぅ・・・子ども扱いするなよ。
だって可愛いんだもん。
花ちゃんのほうが可愛いよ!!
へ・・・?
3.
俺は起きるなり絶望した。
そう・・・
あのあと(昨日の8時)すぐに寝てしまったのだ・・・
「残り少ない時間を・・・馬鹿馬鹿馬鹿~」
「あっ、おはよう!!蠍ちゃん。」
振り向くとエプロン姿の花火がいた。
「えっと・・・一種のコスプレ?」
「・・・・蠍ちゃんのご飯なし。」
「オワッ!!ちょっと待て。冗談だよ、冗談!!」
「せっかく作ったのに・・・。」
「作った?どうやって?」
「知らない?私さっき買ってきたんだそこのコンビニで。」
知るわけないだろうが・・・
「そんな怒りそうな顔してたらご飯、あげないよ?」
茶化されてそれにのれるテンションは持ちあわせていなかった。
「・・・なんで。」
ついに発してしまった。
「ん?」
「なんでそんな落ち着いてられるんだよ。もう生きれる時間は少ししかないんだぞ?」
俺はそういってうつむいてしまった。
(あぁ・・・最高にかっこわりぃ・・)
「だって蠍ちゃんがいるもん。」
「俺?」
「一人でいたならそりゃあ今の蠍ちゃんみたいに思うかもしれないけど、
今の私には大好きな彼がいるもの。大丈夫よ。」
花火はふふふと笑う。
「あぁ・・・やっぱお前には頭が上がらないな。」
「あげさせないわよぉ。夢は北斗晶だもん。」
「げぇ・・・勘弁してくれよ。それより飯だ、飯。」
「そうだねぇ・・・では。」
「「いただきます!!」」
あぁ・・・クソうまい。
・
・
・
「ふぅ・・・ごっそうさん。」
「ごちそうさま。にしてもよく食べたね。」
「そうか?えっとパン6つに、ラーメンそれと・・・」
「よく食べてるじゃん・・。」
「で、今日はどこか行きたいところは?」
「えっとね・・・。」
「ないなら俺が行きたい場所でもいい?」
「いいよ。蠍ちゃんはどこ行きたいの?」
「それはな・・・遊園地だ。」
「へ?」
「夢だったんだよなぁ。恋人同士で観覧車乗るのが。
・・・なに笑ってるんだよ。」
目の前で花火は腹をかけて笑ってる。
見た目が9歳だから年下に馬鹿にされてる気がして無性にむかついた。
「じゃあ今日はここでぐーたらするか?」
「え!?そんなの嫌嫌~!!行こうよ。ね?」
「最初からそういえばよろしい。
じゃあ支度して行くか。」
「うん。」
立ち上がって校舎を出た。
「あっ。」
「ん?どうしたの?」
「もう金がない・・・」
思い出した・・・二日近く家に帰ってない。
「家に帰る必要があるんだが・・・」
「だが?」
「考えてみろ、二日家に帰ってないんだぞ?」
「・・・・・あ。」
「分かるだろ?両親に殺される・・・」
父はともかく・・・母さんだ。
彼女は怒らせるとホント怖い。
殺されるだけじゃすまないかも・・・
「琥珀。もしかしたら今日からお世話になるかもしれないけど、
そのときはよろしく。」
あながち冗談ではないのかもしれない。
「琥珀って誰?」
「さぁな。お前が知ってて知らない人だ。」
さぁ・・・甘い観覧車の前の大きな壁、
俺乗り越えれるかな・・・
~続く~
~~~~~~~~~~~~~~裏話~~~~~~~~~~~~
案の定中編ですよ。長くなりましたね。
琥珀(閻魔様ですね)との絡みはもともと考えていなかったのですが
まぁいれちまえと。
その分後編は力入れますよ~
このごろ遊園地へ行ってないので難しいですが。
もしかしたら一日では読めないかもしれません。
ですがゆっくり読んでみてくださいませ。
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