Polymnia

Polymnia

現世END


泣いているといきなり琥珀に話しかけられた。
「ひっく、ひっく。うるせぇ・・・」
「俺に任せろ。」
「へ?」
「俺がなんとかして花火をもう一度
現世に戻してもらうよう頼むから。信じてくれ。」
「なんで俺達にそこまでしてくれるんだ?」
「・・・・・・俺の愛した子の事を話したよな?」
「あ、あぁ。」
「その子はな・・・・花火って言うんだ。」
「まさか!?」
「・・・違う子だからな。」
「あっ、ゴメン。話、続けて。」
「その子がな、最後なんていったと思う?
ありがとう、って言ってくれたんだよ・・・」
「・・・・。」
「分かるか?この切なさが。俺のせいであんな悲惨な刑にあわされたのに
おれにありがとうって言ってくれたんだ・・・。
その時思ったよ、もう人に干渉することはやめた、とな。
でもお前らとであってその考えが間違いだったことに気付いて、
もう一度人間に賭けてみようと思えたんだ。だから・・・やらせてくれないか。」
「・・・・・そんな頼まなくても、琥珀になら花火を預けれるさ。
だってそうだろ?俺達のことを一番考えてくれてたのはお前だもんな。」
「お前らに出会えてよかった。」
「最高の閻魔様だよ。お前は。」
「ふっ。では今度こそお別れだ。元気でな。」
「こっちこそ。ありがとう。」
そう言葉を交わした後、琥珀は人形ごといなくなった。
        ・
        ・
        ・
あれから半年がたった。
今俺はどんな状況かというと・・・
「好きです。私と付き合ってください。」
そう、告白されているのである。
「・・・ゴメン。俺、待ち続けてる子がいるから
君とは付き合えないんだ。」
「そうですか・・・こちらこそごめんなさい。
こんなことで呼び出して。」
「いや、いいんだ。これからも仲いい友達でいて欲しいな。」
「もちろんですよ。
では今日はありがとうございました。」
そういってクラスの女子は頭をぺこりと下げた。
「あ~あ。もったいないよなぁ。あの子可愛かったのに。」
スバルが隣でそういう。
「別に。確かに彼女は可愛いと思うけど、
彼女をそういう対象としてみたことはないから。」
「はぁ・・・・堅いよなぁ。そういうところ。
もてるのに勿体無い。」
「あはは、俺のことよりお前はどうなんだよ。
ちゃんとみゆきちゃんつかまえてる?」
「ばっ!!馬鹿野郎。あのことはまだそんな関係じゃ・・・。」
「そっちこそ、ちゃんと捕まえなきゃ可愛そうだな。」
そんな冗談を言いながら歩く。
彼女はいなくてもそんな平穏はあり得るのだ。
そりゃあ世界を見れば一日に何人も死んでいる。
・・・・一人いなくなったくらいじゃかわるわけがない。
「あっそうだ。」
いきなりスバルが口を開いた。
「近々転校生が来るんだってよ。知ってた?」
「さぁ?初耳だね。」
「可愛いらしいよ。」
「そりゃあ楽しみ。」
「お前の対象になればいいねぇ。」
正直どうでもいい。
まぁ来るなら来い、そんな感じだ。
       ・
       ・
       ・
放課後になり俺はいつものように廃校の校舎に向う。
― いつ花火が帰ってきてもいいように。 ―
花火が書いていた日記の続きを書くこと、保健室のベットを綺麗にする
それが俺の毎日の習慣の一つだ。
それを終えると、ようやく俺は帰宅する。
帰宅して、夕飯の手伝いをして、勉強して、寝る。
そんな日々が続く中、遂に転校生がやってくる日になった。
その日は朝からクラス中が大盛り上がりだった。
当然と言えば当然なのであろう、いろいろな噂が浮上していたからだ。
美少女とか、帰国子女とか、前はフリーターだとか、あの有名なアイドルの娘だとか。
どれもたんなる噂なので信憑性は皆無に等しい。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、先生がやってきた。
「えー、みんなが知っているようにこのクラスに転校生が来る。」
そういった瞬間クラス中が騒がしくなる。
「これ!!静かにしないか!!ったく・・・。
コホン、じゃあ、入ってくれ。」
扉の向こうからはいっという小さな声が聞こえた後、扉ががらっと開いた。
その瞬間いきなりクラスの野次がぴたりととまった。
興味のなかった俺は外を見ていて状況判断が出来なかった。
「ん?スバルなんでこんなしずまんの?」
意味が分からなかった俺はスバルに聞いた。
「ほんと、見る目ないなぁ。めちゃくちゃ可愛いじゃん!!
ほれ、大輝なんか顔真っ赤。」
ホントだ。硬派の伊藤君の顔が真っ赤だ。
そんなに可愛いのなら、と俺はちらっと教壇をみた。
「はじめまして。岩手からきました。天野花火です。」
「嘘だろ・・・・。」
「なっ、可愛いだろ?」
可愛いも何も・・・・・夢で見たあの花火と変わらない。
「そうかそうか~そんなにほれたのか。
お父さんも嬉しいなぁ。」
「誰が父さんだ。ったく・・・。」
「じゃあ天野にはあそこだ。あの無駄に身長が高くて
のぺっとした奴の後ろの開いてる席に座ってくれ。」
のぺって俺かよ・・・。
「はい。わかりました。」
花・・・天野さんは俺の後ろの席に座った。
「ではSHRを終わる。」
先生はそう言った後すぐに部屋からいなくなった。
いなくなった瞬間クラスの女子が彼女の席付近に集まり、
天野さんを質問攻めしていた。
彼氏はいたの?とか、家どこら辺?とか・・・・
彼女はそんな馬鹿げた質問一個一個きちんと答えていた。
さすがに授業になるとクラスの女子たちはいなくなった。
「蒼井君だっけ?」
いきなり後ろから話しかけられる。
後ろを向くと彼女は小さな声であってた、と言って笑った。
「どうしたの?なんか用?」
ついついそっけない態度をとってしまう。
「いやぁ蠍ってかいてかつって呼ぶから変だなぁって思って。」
こいつは俺の気にしていることを・・・・ん?待てよ?
「俺、天野さんに自己紹介したっけ?それとも女子から聞いたとか?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど・・・ん~。なんでだろう。
なんでか知ってた。」
「俺と前に会ったことがあるとか?」
「まっさか~。でもあるかもしれないね。なんか他人に見えないもん。」
そう言って彼女は頭をかいた。
そんな仕草も蠍が知っている彼女そのままであった。
「じゃあさ、今日俺とでかけない?」
「いきなりデートのお申し込み?」
「そう。だって天野さんかわいいもん。ひとめぼれだよ。」
「嬉しいなぁ。蒼井君はそういうおちゃらけるひとなんだね。
いいよ。蒼井君面白そうだし。」
「ありがと。ん?」
よく見てると彼女の目から涙がたれていた。
「どうしたの?泣いてるけど・・・。」
「へ?あっホントだ。なんでだろう?
別に哀しくもないのに・・・でも不思議。なんか暖かい気持ちだよ。」
「花火・・・。」
「どうしたの、蒼井君まで暗い顔して~。
でさ、どこに連れてってくれるの?」
「そうだなぁ・・・廃校した小学校の体験とかは?」
「いいね。賛成!!じゃあ放課後ね。」
そう・・・・・・・・君との思い出の詰まったあの小学校へ。
また行こう。

思い出を作りに・・・・・ 

                      [ファンタスマゴリア 現世END]

~~~~~~~~裏話~~~~~~~~
はい、これでホントの意味での終わりでございますけども。
全体を通して・・・いかがでしょうか。
最後彼女は記憶を取り戻したのでしょうか?
それともあの彼女とそのまま付き合い始めたのでしょうか?
ん~書いた本人もそれは分かりません。
それは皆様の想像で幸せにするなりなんでもしてあげてください。
全体の話でしたね。
今回は話に伏線を張っていません。(秋の坂道なんて伏線ありまくり)
ですのでストレートに読んでいけたと思います。
ただ小説全体の流れがパソコンで見る小説向きじゃなかったかな、
って思います。
これをもっと分割しておけばね。よかったかもしれませんが。
しませんでした。何故でしょう?
それはね・・・最初は短編のつもりだったからですよ。
分けるのもメンドクサイなぁ・・・みたいな。
知っているかもしれませんが私はこの頃本を読みまくっていまして。
その本の影響がモロに出ているかもしれません!!
まぁ、そこは気にしない方向でよろしくお願いします。
では今回もお付き合いありがとうございました☆
また出会う機会がありましたらご拝読くださいませ。

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