「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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Polymnia
真・秋の坂道 ~再会~
去年と違うのは自分が働いている、高校生じゃないってことくらいかな。
去年はいろいろな別れがあった。絶望もした。
だけどそんな中でも雑草のように立ち上がってきた。
だから俺が今ここにいるんだ・・・
そのことを誇ろう。胸を張ろう。
[真・秋の坂道~再会~]
「ふぅ・・・」
俺(蕗)は今叔父(楓)が経営している会社で働いている。
まだまだ覚えることが多くて四苦八苦している。
だけど一日一日を生きているって実感がわくというか・・・
「お疲れ。源爺さんが言ってたぞ?あいつは教えがいがあるって。」
「ははは、源さんの指導は厳しすぎますよ。もうひぃひぃ言いながらですから、」
「まぁ源さんもそろそろ定年だ。お前を節目でやめるかもな。」
「えっ?そんなに源さん、年いってたんですか?」
「あれでも79歳だ。」
ウソだ・・・79であんなに動けるはずが・・・
「まぁ、いじめてやるなよ?会社で死なれたら困るからな。」
うしろで源さんが社長!ひどいんちゃいますか!?と怒鳴ってる。
それを楓さんが笑いながら冗談、冗談とほぐらかす。
こういう冗談が出来る・・ってことはそれだけお互い信頼しあえる仲であるのかもしれない。
俺には・・・いない。
「じゃあ機嫌直しに社長のおごりで居酒屋行きましょうよ!!」
源さんが笑顔でそう、楓さんに言う。
「!?馬鹿!!お前ら酒のみまくる・・・」
途中からは社員の声で聞こえなくなった。楓さんは観念したかのように
「じゃあ俺が半分負担しよう、それでいいな!!」
社員一同賛成!!そう叫んでいる源さんがいた。
「じゃあ今から行くけど・・お前はどうする?」
「いえ、俺は未成年ですし、妹がひとりで待っているんで。」
「分かった。じゃあまた明日な。」
「はい、失礼します。」
そう言って俺は会社を出た。
あの会社で勤めれる俺は幸せ者かもしれない。
「うぅ・・寒いなぁ。」
もう冬の風が吹き始めている。俺の心は夕飯がなにか、それが占めている。
「おでんかなぁ・・・」
結論だ。
こんなことを考えているうちに家の近くの遊歩道まで来ていた。
時が過ぎるのは速いというか、物思いに没頭しすぎというか・・
少し反省してしまう。
「あの・・・」
後ろから女性の声が聞こえる。
「へ?」
そう言って振り返る。
「蕗君だよね?」
「あ、あぁ。確かに蕗ですけど・・・どちらさん?」
「嫌だなぁ~私だよ。」
「・・・・・」
「もしかして忘れた?」
「・・・・・」
「蛟山高校3年5組10番尾野水渚!!思い出した?」
「ん・・・!?あぁ思い出した!!」
「ふぅ・・・」
「懐かしいなぁ。何ヶ月ぶり?」
「もう半年以上たつよね。」
「あぁ・・そうか。あれから半年以上経つのか・・・」
「それより今の生活には慣れた?」
「これがさ、大変なんだよ!源さんって言うのがさ・・・」
俺は自分の愚痴を30分、渚にした。
「それでさ・・・あっ、そういやぁ時間大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ。それよりも話の続き気になるよ。」
渚は笑ってくれている。こんな俺の話を楽しそうに・・・
「とりあえずさ、俺の家に来ない?こんな夜遅くまでつき合わせたからさ、晩御飯でもご馳走するよ。」
「本当に?」
「あぁ、ホント。」
「じゃあお願いしてもいいかな?」
「えぇ、どうぞお嬢さん。」
「蕗君はかわらないなぁ~」
「渚も変わらないじゃないか。」
「私は駄目だよ・・・」
「ん?」
「ん~ん。なんでもない、それよりも蕗君の家が楽しみだな~♪」
「そんないいものじゃないけどね。」
「お帰り~お兄・・・あれ?後ろの方はどちらさん?」
「おぅただいま、雪菜。で、後ろにいるのは元同級生の渚さん。」
「あっ始めまして。雪菜です。」
「はじめまして渚です。」
「うわぁ・・・お兄ちゃんに似合わないくらい素敵な人だ・・」
「そんなことないよ、雪菜ちゃんも十分可愛らしいと思うよ。」
「そうですか!?うわー嬉しいなぁ。」
「これこれ、君達僕をのけ者にしないでくれないか。」
「あ、忘れてた。で、お兄ちゃんご飯が出来てるから自分で盛ってね。」
「今日のご飯は?」
「インスタントカレー」
「・・・・ゴメン、渚。」
「いや、謝らなくてもいいよ。」
「普段はもっといいものが出るんだ。」
「うん。」
「だからこのことは瑞希の耳には・・・」
「言わないよ。うん。言わない。」
「良かった~」
「なんか私的にはあんまり良くない・・・」
そんなこんなで3人で楽しくご飯を食べながら話をしていた。
今の学校の様子とか、瑞希が寂しそうだとか・・・
「おっ!もう9時じゃないか。渚ももう帰らなきゃいけないよな。」
「うん。じゃあそろそろ帰ろうかな。お母さん達も心配するし。」
「じゃあ雪菜、渚を送ってくるよ。」
「うん!!じゃあ渚さんバイバイ♪」
「うん。バイバイ、雪菜ちゃん♪」
俺と渚は家を出た。
「ふぅ・・・」
「ゴメンネ。いきなり家にお邪魔しちゃって」
「あぁ、別にいいさ。楽しかったし。」
「そう?」
「それに雪菜も俺と二人だから時にはあんな風でもいいんさ。」
「・・・・・」
「ん?どうしたの?」
「いや、なんでもないよ。それよりもまた遊びに行ってもいいかな?」
「もちろんだよ。その時はもっといいものを食べさせてやるからさ、どんなのが食べたい?」
「う~ん、蕗君が作るカレーとか?」
「却下、俺料理まるっきし駄目なんだよ・・・」
「・・・実は私も。」
「本当かよ!ウソだー!!」
「ウソじゃないよ!!だって私砂糖と塩間違えるもん。」
「俺なんか片栗粉と小麦粉間違えるもんね!!」
「なにお~!!」
・・・・・・・・・・・・・・
「ふぅふぅ・・」
「私達五十歩百歩だよ・・・。」
「奇遇だな、俺も思った。」
「あっそろそろ家だ!!今日はありがとうね!!」
「おぅ!!勉強、頑張ってな!!」
「うん!そっちもお仕事頑張ってね!!」
そういって、俺達は別れた・・・・
この時は彼女の悲しさなんて理解できなかった・・・・
[~再会~完]
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