Polymnia

Polymnia

真・秋の坂道3 ~君が笑えば・・・~


そういう日に限って台風が来そうだ。
そのせいで久しぶりの1人の時間もお預けだ
「台風が来るぞ~」
「はぁ・・・うるさい、雪菜。」
「だって台風ですよ!!大尉」
「久しぶりの休みぐらい一人でいたかったな・・・」
「外に追い出してあげようか?」
「わ~い!!台風が来るぞ~逃っげろ~」

       [真・秋の坂道~君が笑えば・・・~]

本格的に台風が近づいてきた。
「あっ外にある自転車入れてきて~」
「うぃ~」
ふぅ・・・やけに風が強くなったな。
ん?あそこに人がいる・・・
「・・・渚。」
「あっ蕗君。」
「なんでここに?」
「今日塾だったんだ~。」
「顔、真っ赤だぞ。」
「そういえばさっきから頭がポーっとするなぁ。」
「・・・・はぁ、少し家で休んでいけよ。」
「助かるなぁ~」
「それ狙ってた?」
「まっさか。ここ偶然通りかかったんだもん。」
「あらそう。」

「ありがとう、お兄ちゃん。・・・・で、後ろの方は?」
「見知らぬ女性だ。」
後ろから力なくベシッとたたかれる。
「ちなみにウソだ。」
「途中から分かってたよ、渚さんでしょ?」
「正解れすぅ~」
「ろれつ回ってないぞ、ほら雪菜。布団引いてあげて。」
「あいあいさぁ!!」
台風は時間が経つにつれて力を増して行き、渚が帰れる状況じゃなくなってしまった。
「で、帰れそうにないけど…どうする?」
「お兄ちゃんはけちんぼだなぁ。泊めてあければいいじゃない。」
「まぁお前がいいならいいけど。渚はどうしたい?」
「泊まって見たいなぁ~」
「うし。歓迎するよ。雪菜、飯作るか。」
「じゃあ今日は…小籠包で!」
「食べれるもので頼むな。」
「失礼な!ちゃんと作れるもん!」
そう言って雪菜は台所へ行った。

今は渚と二人きりだ。
「家に連絡しなくていいのか?」
「あ…うん。ダメかも」
そう言って彼女はえへへと笑った。
「ほら、多分心配してるぞ。」
「うん…でもいいんだ。」
「え?」
「家に居場所がないの。」
「・・・・」
こいつは俺の話を笑って聞いてくれていた。
俺1人が辛い思いをしているとでも思っているのかのように・・
あいつの悲しみを退けるように・・・
俺にはどんな言葉をかけれるのか。
いや
どんな言葉をかけてもそれは表面だけのあいつへの表面だけのかけことばだ。
あいつに・・・
笑って欲しい。
こんな俺でも笑ってあげさせれるならそれでいい。
「よし。俺は目の前の女性を拉致する。」
「えっ!?」
「これは宣言だ。二日後仇視駅のションベン小僧の像の前に立ってる女性を家に連れてき
て歓迎する。」
「蕗君…」
「お前とは言ってないぞ?」
「家帰って荷物まとめなくちゃ。」
そう・・・その笑顔なんだよ。俺が見たかったのは
「だーかーらお前じゃないんだって。」
「そうならそうでいいじゃない。」
「そんなことより今あのときのことを思い出したよ。」
「なんか話変えられた気がするけど・・・で、何のこと?」
「学園祭の練習のこと。」
「あぁ~本能寺の変だっけ?」
「そうそれ!!瑞希がスパルタでさ~」
「あの子実は熱血だったよね~」
話がいつまでも続く・・・そんな永遠のときをいた気がした。
だが話なんていつかは止まってしまう。
「あの日はいけなかったんだよな・・・」
「そう・・・だね。」
「はぁ・・・やめやめ!辛気臭い話になる!!」
「にしても瑞希君今すごいよ?」
「なにが?」
「モテモテ。」
「あらそう。少し寂しい気もするけど。」
「会いたい?」
「そりゃあもう。」
「ふふふふふふ。」
「そんな含み笑いせんでも。」

「そこの二人。もういいかなぁ・・・」
「おわっ!!いつからいたんだよ!?」
「そうだなぁ。拉致するって所から。」
「結構前じゃない・・恥ずかしいなぁ。」
「そういう問題じゃないの!!ご飯って呼んでるじゃない!!」
「あぁ~ゴメン。今行くよ。」
「そうしてよ。全く。」
「渚、体調大丈夫?」
「うん少し楽になった。蕗君の愛の力かなぁ・・」
「ふぅ・・・はいはい。」
「ちょっと!!なにその反応!?」
「だからご飯食えって言ってるでしょ!!」
「「はい・・」」
こうして家族?が一人増えた。
久しぶりに騒がしくなりそうだ。
           [~君が笑えば・・・~完]



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: