Polymnia

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紅葉吹雪 第7話


ガチャ。
ん・・・あぁ朝か、てかっ今日も仕事休みなのに目覚ましかけたのか?
いや、違う、今日からは・・・・。
「ほら、桜。起きる時間だ。」
「う・・・うん。あっ!!お父さんだ!!おはよう!!」
俺を見ると寝ぼけ顔がぱぁっと明るくなった。
(めっっっっっっっっさかわいい!!!)
3年前も可愛かったけど今も可愛い!!ってか今のがかわいい!!
「おはよう、桜。ご飯作るから一人で着替えれるか?」
「うん、任せて。」
ポンと胸を叩く。その動作にもときめく。
昔、親ばかを見てこんなんにはなりたくないと思ったが、いざそのポジションになってわかる。
かわいいんだからしょうがないよな!!
よし、朝ごはんは手によりをかけて作ろう。
「桜はパンが好きか?それともごはん?」
「う~・・・ん、パン!」
「よしきた。これとこれと、あとこれでいっか。」
パントーストに入れて、卵、ベーコンをフライパンで焼く。目玉焼きだ。
ジュワ~・・・・・・チン。
「ほいっと、出来た出来た。桜、準備はいいか~!!」
タッタッタと走りで来る。よしちゃんと服を着てるな。
いただきますと一緒に言い、ご飯を食べた。
うん、うまい。
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「おはよう桜ちゃん。」
「おはよ~!!!瑞希先生。」
「おいてめぇ。」
「なんだよ、いきなり朝から睨むなって。ただあいさつしただけだろう。」
「そうじゃな~い!!確かにお父さん嫉妬するけどね!!
あれだよ、昨日渡した紙、最後の。」
「最悪のケースを考えなくちゃいけないからな、謝るよ。」
「謝る気がないなら謝るなっての。」
そりゃそうだ、といたずらしようとする餓鬼のような笑いをする。
全く、と昔から変わらぬ彼の動作を見てうれしく感じた。
「で、蕗は速くその手を放せよ・・・。」
「嫌だぃ!!なぁ?桜。」
俺は桜の右手をがっちり握っている。
「嬉しいけど・・・お父さん幼稚園に行かなきゃ。」
「そ、そうか・・・。桜はお父さんから離れてしまうのか・・・。」
「さぁ桜ちゃん行こう。」
「だがそれでもお父さんのことは忘れないで・・・・」
振り向くがもうだれ一人いない。
「聞けよ!!!!」


俺はいまスーパーにいる。
今日の晩御飯選びだ。今日は何にしようかな・・・・。
そうだ、桜の好きなものにしよう。そう思うまではよかったのだが、
ふと考えるとあいつの好きなものなんか知らない。
(まだまだ俺たちには時間が必要だな。)
そう痛感した。まぁ子供が好きなのは・・・から揚げ?
よし、から揚げにしよう。モモ肉っと。
おっ!!!この肉セールで100g83円じゃないか!!
二人だから200gでいっか。
あとは、キャベツだな、半玉でいいや。
他は・・・一応お菓子もか。
なんだかウキウキするな。
おっ今なんだかんだで1時30分じゃないか。
お迎え~っと。会計会計。
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「蕗・・・・。」
「おっ君は米原先生。奇遇だね、丁度いま着たんだ。」
グッと親指を立て、ウーイェイと言わんばかりの笑顔で瑞希を見る。
そんな俺を奴はかわいそうな目で見たあと、ハァとため息一つこぼした。
「なんかムカツクな・・・。」
「とりあえずお前ここに20分はいただろ、もう少しで通報されかけたんだぞ。」
「なにぃ!?」
「まぁ止めれたからよかったものの・・・・お~い、桜ちゃん、
パパが迎えに来たぞ。」
ワ~イと大きな声が聞こえたのち、向こうから愛らしい顔の女の子が走ってきた。
って・・・・かわいらしい女の子って俺の娘じゃ~ん!!
パパかわいい子がいてし・あ・わ・せなんちゃって!!
「お~桜、いい子にしてたか?」
「うん!!お父さん、これ見て。」
そう言って一枚の絵を見せてくれた。
「これは・・?」
「お父さんだよ!!で、隣が私。」
「上手いなぁ、桜は。これは将来マンガ家になれるぞ!!」
しかも俺の顔の横には「大好きな父」って!!蕗感激。
「顔ゆるみすぎ。」
「ハッ。そうだな。落ち着こう。ヒーフー。」
「どうしたの?」
うっ!!桜が俺の顔を覗き込んできた!!
めっっっっっっさ!!
「かわいいー!!!!!!!!!!!」
ボカッ
「イテッ」
瑞希に頭を小突かれる。
「で、では帰るか。」
「そうしてくれ・・・。」
「アハハ。瑞希。」
「ん?」
「・・・・アリガトな。」
瑞希はキョトンと一瞬した後、すぐにほほえみながら、
どういたしまして、と一言いった。

帰りの車の中で隣に乗っていた桜ずっとこちらを見ていた。
「どうしたんだ?」
「あのね・・・実は・・・。」
「うん?怒らないから言ってみな。」
「実は健太君と喧嘩しちゃったの。」
「ふむふむ、なんで喧嘩しちゃったの?」
「健太君がお父さんの悪口言うから・・・。」
「それで・・・たたいちゃったのか?」
「うん。健太君泣いちゃった。」
「そっか・・・あのな、桜。お父さんが悪く言われて怒ってくれたのは、
そりゃあもちろん嬉しいけど・・それでも叩いちゃダメだ。
叩かれると痛いだろ?」
コクンと桜は隣でうなずく。
「叩いても・・・今の桜みたいに悲しい気持ちになっちゃうだろ?」
「うん・・・」
「謝りなよ。謝ってないならな。」
「わかった!!」
「よしよし、桜はいい子だ。ほら、家に着いたぞ。」
は~いと言って桜は降りた。そんな動作も可愛い。
家に入ってからすぐに桜は洗面所に行き手洗い、うがいをした。
いい子すぎるだろ!!俺なんか一回もしたことねぇよ・・・・。
俺がこんなんじゃダメだと、洗面所に向かい隣でうがいする。
あぁ~喉が変な感じ。
その後食堂へ行き、晩御飯の下ごしらえをする。
桜が途中手伝おうか?と言ってくれたので甘えて、お風呂洗いを頼んだ。
桜がお風呂洗いでこちらに寄ってこない間に危ない揚げ物を仕上げる。
まだ2時30分だから早すぎるのだが。
6時にはご飯が食えるぞ。
あっそうだ。今なら大丈夫かな・・・・。
「お父さん、お風呂洗い終わったよ。」
「おっ、お疲れさん。どれどれ・・・。」
風呂場を見てみると、うん。まぁ上出来かな。
窓はあけといてと。
「なら、出かけるか。」
「うん。どこ行くの?」
「お父さんの仕事場だよ。ここから1時間くらいかかるけどいいか?」
「いいよ、お父さんと出かけるならどこでもいいもん。」
くぅうやっぱりこの子かわいい!!
そこから小1時間一緒に車に乗り、会社へと向かった。

時同じくして、
沙紀はどこかさみしさを感じていた。近藤涼香もいていつも通りのはずなのに
心の中では親友ではなく、ある男性を求めていた。
仕事には身が入っていいのだが入りすぎていたらしく、2時20分に昼食を
とっていないことに気づいた。
「お腹減ったなぁ・・・お昼休憩取ろうっと。すいません青田先輩、今からお昼休憩取ります・・・。」
「おっ、今まで頑張ってたからな、ゆっくり休んでくれよ。」
こういうところがこの職場のいいところなのだろう、お昼の時間は指定されていない。
束縛しないというのが楓社長の考え方だからだ。
「よし、今日はすべ家にしようっと。」
カバンから財布をとり出し、私は会社を出た。
会社を出て15分くらい歩いたところにすべ家はある。
10分くらい歩いただろうか、そのくらいの時に車が横を通り過ぎて行った。
普通なら気にも留めないのだが、今回は訳が違った。
「先輩・・・?」
そう、車を運転している男性が並原蕗に見えたのだ。
それだけならいい、だが助手席には幼女が乗っていたのだ。
どういうことだがわからない、だから気になり立ち止まってしまった。
嘘だと思いたい・・・・。
沙紀はそこから動けなかった。

「ほら、ついたぞ。桜。」
会社の駐車場に着く。ここで普通に行くと社員に見つかる。
なので、俺、楓さん、あと一人・・・
「あっ蕗君。」
「美里さん。」
「楓に会いにきたの?」
そう、社長である楓さんを呼び捨てにする美里さん、青井美里は、
副社長であり、楓さんの幼少時代からの幼馴染である。
今は熊井美里なのだが。先日ついにゴールインした。
遅すぎよと楓さんの胸倉をつかんでいた姿が忘れられない。
「そうなんですよ、ほら桜、挨拶して。」
「こ、こんにちは・・・。」
美里さんはなにがすごいって顔がバリバリのキャリアウーマンみたいで、怖いのだが、
ちゃんと子供のあやし方を知っている。
桜も最初は怖がっていたようだが、同じ目線になり、ちょちょっと頭をなでてあげたら安心したようだ。
「いいお母さんになれますよ。」
「ふふ、ありがと。でも楓にその意思がないからね・・・。」
「そんなもんですよ、楓さんは。じゃあ桜を楓さんに見せてきます。行こう、桜。」
「うん、バイバイおばちゃん。」
「おばっ!!でもそうか・・・あの子から見たら私、おばちゃんか。」
後半ぼそぼそ言っていて聞こえなかったが、まぁあらかた予想はつく。
コンコン
「おぅ、いるぞ。」
「失礼しまーす。」
「おぅ、蕗か。ん?その女の子は?」
「俺と美里さんの子です。」
ブッと飲んでたコーヒーを噴き出す。
「冗談ですよ、渚との子です。」
「そ、そうか・・・。」
「でも美里さんが嘆いてましたよ?子供ほしいって。」
「アホ、今流れ止めるわけにはいかないだろ、もうすこしな。」
「愛想尽かされないように気をつけてくださいね。」
「にしても・・・俺桜ちゃん初めて見るな。」
「そうでしたか・・・。かわいいでしょ。」
「かわいいって言わなきゃ怒るだろ?でも渚ちゃんに似て利発そうだよ。」
「ちょうどいま暇してて遊びに来たんですけど・・・今美里さん暇してます?」
「どうかなぁ。お~い、美里。」
はいはいと出てくる。さすがに呼ばれたらすぐ来るあたりが完璧だ。
「今暇?」
「そうね・・・まぁ暇かしら。どうしたの?」
「ちょっと桜と遊んでてもらっていいですか?仕事場の方見てきたいので。」
少し悩んだあと、美里さんはいいよ。行ってきな。と言ってくれた。
そのご厚意に甘えて行くことにした。
部屋を出て、少し歩いたところで近藤と遭遇した。
「「あっ・・・。」」
お互い声がハモる。そこから何も言えず気まずい空気が流れた。
「今日はどうなさったんですか?」
近藤が重い空気をなぎ払うかのように笑顔でそう言う。
「あぁ・・・暇でな。少し職場に顔を出そうかと。」
「そうですか、沙紀も喜びます。では私はこれで・・・。」
「待って!!」
考えるよりも先に手が、そして声が出ていた。
「この前はゴメン・・・。」
「嫌です、許しません。」
だろうなと思いながらも俺は頭を下げることしかできなかった。
「ならこうしましょう。これから恋愛対象で見てくれなくてもいいから涼香って呼んでください。」
「そんなのでいいのか?」
「そんなのって・・・女の子にはそれだけでもうれしいんですよ。それに・・・言ってる方も恥ずかしいんですから。」
「なら・・・す、涼香。」
「照れないで下さいよ、私も照れます・・。」
「また落ち着いたら、俺の娘見に来てくれよ、なんなら今社長室にいるから来る?」
「あいにく仕事が忙しいので仕事に戻ります。」
「そっか・・・がんばってくれよ。」
「はい!!あっそうだ。先輩3年前私が入社する時に出会ったの覚えてます?」
「へ?・・・・いや。覚えてるような覚えてないような・・・。」
「あのときは涼香ちゃんって呼んでくれたのになぁ。」
「ま、マジか?」
「ふふ、信じる信じないは自分の胸に聞いてください。じゃあ行きますので。」
軽く会釈をして彼女はこの場を去った。
~君を悲しませることがすべて消えてしまいますように~
ん?電話だ。誰誰っと・・・雪菜?
「はい、もしもし。」
「お兄ちゃん!!なんで家にかぎかけてるのよ。」
「お前はアホの子か?家に鍵かけないで出かける奴がどこにいる。」
「今帰ってきたのに入れないから困ってて。」
「ん?お前桜を家に入れただろ?」
「その鍵の入ったカバンをちょうど宅配に渡しちゃってさ。ね?」
「はぁ・・・なら帰るよ。」
そう言って電話を切った。
しゃあない、仕事できなかったけど帰るか。
桜を迎えに行こうと。
         ・
         ・
         ・
         ・
「おっそ~い。」
雪菜が家の前でウンコ座りをしている。正直品がない。
そんなアホを無視して鍵をあけ、桜と二人で入った。
「ひどいなぁ、もう。」
「うるせぃ。で、なんで3日で帰るって言ったのに今帰ってくるんだよ。」
「まぁまぁ。それより久しぶりに部屋にいていい?なつかしくなっちゃった。」
「いいよ、行ってきな。」
邪魔者を追い払ったところで・・・うん?
「どうしたんだ、桜。」
「雪菜お姉ちゃんのところに行っていい?」
「おぅ、いってやりな、ご飯になったら呼ぶ。」
はーい、と笑顔で言って桜はタッタッタと走って追いかけて行った。
なんだ、この心のモヤモヤは・・・ま、まさか!?
「イッツジェラスィィィ-!!!!!!!」
シーン
はっ、何叫んでるんだ俺は。これじゃあ家の前でウンコ座りよりタチが悪い。
風呂のスイッチを入れて、ご飯を炊いて、あっみそ汁も作るか。

1時間後・・・
「おーい、桜!!雪菜。ご飯だぞ!!」
1階から叫ぶが反応がない。聞こえていないのだろうか。
しゃあないと階段を上がり雪菜の部屋の戸を開こうとする。
すると雪菜の声を殺した泣き声が聞こえてきた。
俺は戸を開けれず、少し離れた場所から、飯だから降りてこいよ!!と叫んだ。
返事は返ってこなかった・・・。
そういやぁ、桜は?
振り向くと後ろについてきていた。
かわいいぜ、ちくしょう。
「雪菜姉ちゃんが降りてくる前に風呂入っちまおう。」
コクンとうなずいた。
あぁ・・・夢の娘とのお・風・呂!!
お父ちゃん感激!!
そのあと背中を流してもらい、ついにビ○レママにもなった。
めっちゃすっきり。

髪をしっかり乾かし、食堂へ行ってみると雪菜が少し怒ったような顔をして席に座っていた。
「ご飯って言ったじゃない。」
「降りてこないから先に風呂に入ったんだよ、なぁ?桜。」
「うん!!楽しかった。」
「はぁ・・・ま、いいや。おいしそうだねぇ。お兄ちゃんこんなに料理できるようになったんだね。」
「そうだぞ、頑張った。じゃあ食うか、いただきます。」
「「いただきます。」」
もしゃもしゃもしゃ
「おっ桜、キャベツ食ってるな、偉い偉い。」
「エヘヘ・・・。」
目の前でほほ笑んでいた雪菜の箸が一瞬止まった。
「ん?どうした?」
「いやぁ。いいなぁって。
こうやってさ、家族集まってさ、何気ない話とかしてさ、笑うの。
ホントちっぽけなんだけど、でも私にとっては大切で・・・。」
「雪菜・・・。」
雪菜の目から大粒の涙が流れ落ちる。
「どうしたんだよ、お前らしくない。」
「うぅ・・・お兄ちゃん!!渚お姉ちゃんが・・渚お姉ちゃんが・・・。」
「渚が・・・どうかしたのか?」
「渚お姉ちゃんが・・・・・・・・壊れちゃった・・・。」




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