ネット無断掲載摘発



社会ニュース - 2月14日(火)14時23分

人気漫画をネットに無断掲載、漫画喫茶経営者ら初摘発

 福岡県警は14日、複数の人気漫画を、作家ら著作権者の許可を得ないままインターネットのホームページに掲載し、無料で閲覧させていたとして、東京都大田区多摩川3、漫画喫茶経営村元寅次(52)、同区東矢口2、会社員山内浩子(34)、千葉県市川市新田4、自営業武井直人(43)の3容疑者を著作権法違反容疑で逮捕、大田区内の漫画喫茶運営会社など2か所を家宅捜索した。

 3人とも容疑を認めている。インターネットへの漫画掲載の摘発は全国で初めて。

 調べによると、村元容疑者らは、昨年7月から人気漫画の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」「スラムダンク」「GTO」など9作品をパソコンのスキャナーで読み取り、ホームページに掲載していた疑い。

 これまで約1300作品を掲載し、アクセスは1か月間で約330万件に上った。ホームページには「全日本漫画著作権管理機構監修」と活動実態のない団体名を表記し、適正な著作権処理を行っているように見せかけていた。

 村元容疑者は、閲覧者に1か月あたり380円を今年4月1日から徴収するとホームページで告知。2月14日現在で約1000人が予約し、計約200万円が同容疑者名義の銀行口座に振り込まれていたという。

 村元容疑者は「漫画喫茶の宣伝のために掲載し始めたが、アクセス数が増え、漫画数を増やした。違反は知っていた」と供述している。

 同県警甘木署の捜査員が昨年10月、このホームページを発見。漫画家約750人でつくる「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」(東京)が同年12月、県警に告訴していた。

 県警は1月に漫画喫茶と運営会社を家宅捜索、漫画の単行本約1万7000冊と、パソコンなどを押収していた。ホームページは1月25日から、漫画を閲覧できない状態になっている。

 「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」の告訴代理人の山崎司平弁護士の話「インターネット上では同様の無断掲載がほかにもあり、黙認されていた。今回は、村元容疑者らに掲載をやめるよう再三警告したが、無視されたため告訴した。何人が閲覧したのかわからないため、被害額は不明だ」
(読売新聞) - 2月14日14時23分更新

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