中韓の主張をうのみ



海外ニュース - 2月16日(木)3時3分

米紙「麻生たたき」社説 NYタイムズとボストン・グローブ

中韓主張うのみ
 【ワシントン=山本秀也】歴史に絡む麻生太郎外相の発言に中国が批判を強めるなか、米国のリベラル系有力紙が社説で中国に同調し始めた。いずれも南京事件や慰安婦問題などの史実に関して、中韓の主張をうのみにしたうえで、麻生氏に「誠実さも賢明さもない扇動的な発言」(ニューヨーク・タイムズ)「右翼」(ボストン・グローブ)といった非難を浴びせている。
 「日本の攻撃的な外相」と題したニューヨーク・タイムズの社説(十三日付)は、日本の統治下で台湾の教育水準が引き上げられたなどとする麻生氏の発言を引用して非難。さらに、史実に言及した部分では「朝鮮の若い女性を集団で連行し、性的奴隷とした」「南京の市民数十万人に対する虐殺」など、中韓の主張をそのまま伝えた。
 同紙は歴史問題にとどまらず、中国の軍事力を「かなり脅威になりつつある」とした麻生氏の発言も取り上げ、「すでに難しい状況にある日本の対中関係をことさら刺激した」と論評した。このなかで、同紙は「中国が日本に脅威を与えたという最近の記録はない」とまで断定し、米政府すら懸念を強める中国の軍備増強や原潜による日本領海の侵犯事件などを完全に無視した。
 歴史、安保の両面で麻生氏を非難したこの社説は、結論として「麻生氏の外交センスは、その歴史センス同様に片々たるものにすぎない」と断定した。
 一方、ボストン・グローブはこれに先立つ八日の社説(電子版)で、「タカ派外相」などの形容詞つきで麻生氏の台湾統治や靖国神社参拝に関する発言を取り上げ、「日本政界の右派」への警戒を呼びかけていた。
 同紙は靖国神社に関して、A級戦犯が「埋葬されている」と述べるなど、中韓の主張以上に、基本的な事実確認をおこたっている。また、歴史教科書についても「占領下の中国、朝鮮で日本軍が行った虐殺を洗い流すため」と誤った認識を示し、複数の教科書で意図的な改定が行われているかの印象を与えた。
 ニューヨーク・タイムズなどの米リベラル派主要紙は、これまでにも小泉純一郎首相の靖国神社参拝を強く非難する一方、日米安保体制の強化には批判的な立場をとるなど、日本に関する多くの問題で中国寄りというべき論陣を張ってきた。
 ワシントンの日本大使館によると、ニューヨーク・タイムズの社説に対して、日本政府はニューヨークの総領事館を通じた反論を準備している。
(産経新聞) - 2月16日3時3分更新

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