MATRIX7

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2009.04.30
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カテゴリ: モータースポーツ
 厳罰が避けられないと思われていたマクラーレンに対する処分は、執行猶予という判決になった。さまざまな思惑と複雑な情勢が、FIAのモータースポーツ評議会に作用したことは間違いない。金融危機の勃発によって、莫大な赤字に追い込まれているダイムラーの経営陣が、屈辱に対してどのような行動をとるかは見えていた。処分を穏便に済ませば、しばらくはマクラーレンが安定する。マクラーレン、ブラウン、インディアの3チームにエンジンを供給している有力ワークスがF1から撤退することは、なんとしても避けたい。
 ハミルトンが虚偽の証言を行って、トゥルーリを貶めたという罪は重いが、F1の本質を突く問題ではない。ハミルトンが謝罪して反省すれば、それで終わってしまう。それに対して、ダイムラーの巨額赤字はいまだに解決策が見えていない。1ヶ月に数百億円が累積していく。クライスラーを売り払って身軽になったダイムラー社も、本気でコスト削減に取り組まないと財務が破綻する。高級車販売は景気に大きく左右される。先進国市場で失った販売台数を途上国に期待するのは早すぎる。米国経済が復興するには、数年間の歳月が必要になる。そんな情勢では、高級車メーカーはとても持たない。
 ドイツの労働組合はF1撤退を提言している。年間数千億円の経費削減を労働者だけに負わせるのは過酷だろう。人員整理だけでなく、工場設備の廃棄も大胆に進めないと、数千億円のコストダウンは難しい。そういう犠牲が出ているときに、F1に莫大な投資などしていられないというのが本音になる。それはどこのメーカーにも共通する発想だろう。高級車の過剰な利益を使ってクライスラーを買収し、技術を誇示するためにF1参戦を果たしてきたが、それを捨てて小さく身軽な体制に戻れるかは、経営陣の判断力次第になる。
 同じように苦しいトヨタとルノーは小型車が中心になり、途上国市場にも強い。1台あたりに利益が薄いので、数で稼ぐしかない。来年度以降にどのような事態が持ち上がるかは誰にもわからない。景気が急速に回復して、自動車メーカーが黒字化できる可能性は少ない。無駄な経費や人件費を削減してコストダウンする過程で、F1参戦をどのように考えるかは、経営陣によって異なるだろう。確かに、危機が迫っている。





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Last updated  2009.04.30 08:49:53
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