FOTA9チームがFIAとの合意がないのに、見切りでエントリーを申請したことは不思議に思われる。これではフェラーリは予算規制で敗北を認めたことになる。モズレー会長の脅しと餌に釣られて、ウィリアムズと新参の数チームが期限までにエントリーを申請している。これだけで、F1レース12グリッドのうち、大部分が埋まってしまう。残されている枠は3~4チーム分しかない。おそらく、FOTAがエントリーを申請しないと締め切りを口実に、9チームはF1から排除される危険があった。モズレーならばやりかねないという恐怖が全員のエントリー申請につながったと考えるしかない。それでも、条件付きの申請をFIAが受理するとも思えない。FIAが付加条件を認めるならば、とっくに話し合いで決着がついていたはずになる。 FIAの本音は、今のところ不透明になる。FOTA9チームが降伏してきた以上、それを素直に受け入れるか、どこまでも予算規制反対派を排除するかは、モズレーの判断にゆだねられる。これまでのいきさつから、FOTAの身勝手な条件を鵜呑みにするとも思えない。エントリーを申請した約20チームの中から、来年度のF1参戦チームを選択するのに、現在のF1チームを優先すると語っていない。つまり、何が起きるかは、6月12日のFIAによる2010年度F1参戦チーム発表まではっきりしない。
200億円以上の予算を使っているワークスが、来年度から即60億円予算というのは、たしかに厳しい。そこで妥協点として120億円という話が出ている。しかし、これをFIAが認めるかは疑わしい。長期間も話し合いを続けてきて、この程度の妥協案がまとまらなかったことが、双方の妥協しない態度を物語っている。要するに、交渉の過程でFIAは頑固に4000万ポンドにこだわっている。フェラーリは予算規制そのものを批判している。フェラーリとしては、予算規制で人員の多くを解雇したり、技術水準が大幅に低下することを恐れている。それがFIAの狙いだとしたら、フェラーリは素直に撤退するしかない。しかし、フェラーリが撤退を決めた時点で、F1レースは終わってしまう。予測のつかない会議が続く。