第６１話 セダン・スポーツ・レース
さて、これをヨットにあてはめるとどうでしょうか。どうもセダンに当るヨットというのが無いように思えます。多くが、キャンピングカーの部類でしょう。小さな家がそのまま動く。レーサーは車に比べるともっと一般化しています。一般化というのが語弊がありますが。車で言う最も使い勝手のあるセダンというのが無いですね。でも、これで良いのです。何故なら、車は仕事をするが、ヨットは仕事はしません。遊ぶだけです。２シーターのスポーツカーに当るようなヨットはあります。小型ヨットの帆走性能の高いヨット。居住性より帆走性能を重視したヨットです。
こう見てくると、居住性と帆走性能との割合で分類ができます。居住性の割合が最も少ないのがレーサー、もう少し居住性が増えてきたのがスポーツヨット、そして居住性重視が最も数が多い、良く見るヨットです。という事は皆さんが持っている殆どはキャンピングカーのようなものです。家には車が１台か２台はある。それで、キャンピングカーの代わりにヨットを買った。こういう事になります。キャンピングカーはドライブを楽しむより、どこかに行ってキャンプを楽しむわけですから、気軽に買い物程度にキャンピングカーで行く人は居ないでしょう。どこか、ちょっとドライブに行ったり、移動の手段としてもキャンピングカーで行くのは面倒です。こういう時はセダンかスポーツカーの方が勝手が良い。
本当は帆走性能の高い小型ヨットというのは非常に使い勝手がある。ちょっとドライブに行くには 気軽ですし、性能も良いので走りも面白い。車と違って、２人しか乗れないわけじゃないし、キャンピングカーほどでは無いが居住性もある。こういうスポーツヨットが最も使い勝手があると思います。これで、ドライブにも行けて、もちろんキャンプにも行ける。日常のドライブとキャンプの割合がどちらが多いか？仕事が忙しい方はドライブがメインで、キャンプが年に１回とか２回とかなら、スポーツヨットの方がお奨めです。暇ができて、キャンプの割合が増えてきたら、その時はキャンピングヨットがお奨めとなります。
私が見る限り、殆どの人がキャンピングヨットを買って、キャンプに行かず、かといって日常のドライブに行くには面倒となる。こういう状況にあるようです。本当はもっともっとスポーツヨットが増えてしかるべきではないかと思うのですが、いかがでしょう？
最近のヨットは居住性重視傾向にあります。でもこれらは欧米あたりのライフスタイルには合っている。彼らは、仕事現役でもまとまった休みが取れる。もう２０年ぐらい前ですが、ドイツでは年に１回は、最低でも連続して２週間の休暇を取りなさいという法律があった。最低ですよ、連続してです。しかも、２０年も前です。こういう彼らには、居住性は必要となる。会社自体が１ヶ月間まるまる休むという事も珍しくない。でも、日本も将来はそうなるにしても、今はまだ無理があります。欧米スタイルの居住性の高いヨットは日本には引退してからでないと使えない。だから、スポーツヨットの方が面白いと思うのです。
ショートセーリングをスポーツ的に楽しむ。これをメインに考えられないでしょうか。
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