時の旅人

時の旅人

その1



機械的なアナウンスに続いて東京行き快速電車が滑り込んできた。東京や仙台などの大都市を訪れて電車を利用する時いつも感じるのだが、少しの狂いもなくほーむに姿を現し客を乗せるとためらいもなく走り出す。それには一定のリズムがあり、人間様の方が必死にそれに合わせようとしている。アニメ映画で描かれている機械文明の中に紛れ込んでしまったのではないかという錯覚に時として囚われる。あるいは
ジョージ・オーウェルの「1984年」でみられる管理社会もこんなものだろうかと考えたりもする。

僕はその冷たい物体で東京駅まで運ばれ、足早に東海道線ホームの階段を昇ると幸運なことに静岡行きの各駅停車は既に入線していた。朝食もとっておらず胃の中は空っぽだったが、躊躇せずその電車に乗り込んで、発車するまでのわずかな時間にこの日までの出来事や人生を振り返っていた。

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