Tapestry

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THE RED VIOLIN



伝説の名器と詠われた「赤いヴァイオリン」。
オークションでは一体誰の手に渡るのか・・・?

17世紀にイタリアの名職人の手によって、精魂込めて作られた
「赤いヴァイオリン」をめぐっての、4世紀に渡る壮大なドラマである。渋~い映画だ。
何と言うか、ヴァイオリンの美しくもの悲しい音色の様に、
心の奥底にじ~んと響いてくるとでも言うのか。

産まれてくる我が子のためにと、精魂込めてヴァイオリンを作った職人。
しかし、出産に不安を抱いていた妻は、子供を産むと同時に息絶えてしまう。
悲しみに暮れながら、ヴァイオリンを仕上げる職人・・・。
と思いきや、舞台はいきなり現代、オークション会場に変わる。
参加しているたくさんの人々。
それらの人々の、この「The Red Violin」に込められた思い入れと、
ヴァイオリンのそれまでの生涯を、時代を行ったりきたりしながら、語られていく。

時代だけでなく、舞台もイタリア、オーストリア、イギリス、中国と、
世界を股にかけて大活躍のヴァイオリン。
オークションでは「伝説の名器」として、最高値がつくような、
完璧とも言える美しさを持ったヴァイオリンだが、その美しい音色とは裏腹に、
それを愛し、奏でた奏者は皆、不幸な生涯を送る事になってしまう・・・。
そして、やがて最後には、そのヴァイオリンの生い立ちの秘密が明かされる・・・と言う、
オチがとてもいい。ぞくぞくする。あぁ、そういうことだったのか・・・と。

職人の妻が亡くなる前に占ってもらった、タロットカードの結果と共に物語が進んでいく・・・
と言うのが、これまた神秘的でとってもいいのだ。

最後は結局、誰の手に渡るのか?と言うのも、全編通して興味津々だったのだが、
この最後の最後のオチも最高だ。

全編通して、ミステリアスで、美しくて、もの悲しい空気感があって、大好きな映画だ。
どうしようもなく暗い雰囲気が漂ってはいるものの、
これもバックで流れるヴァイオリンの音色が、全てを美しく醸し出してくれている。
あの名作「ピアノ・レッスン」を思い出すような、何ともいえない、味わいある映画である。

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