+神出鬼没+

+神出鬼没+

2009.05.02
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カテゴリ: 短編小説風味日記
一個前の短編日記の続きだよん。

「GW 中」

そよそよとした気持ちいい風、麗たちは小さな花畑に居た。
麗「最近、奴、居ないな。」
麗が草の上に寝転がり、空を見上げながらぽつりと呟いた。
たんぽぽで、少し不恰好な冠を作っていた犬が不思議そうに首を傾げる。
その犬に冠の作り方を教えていたパンダが綺麗に出来上がった冠を麗の頭に落とし、答えた。
パンダ「そんな愛おしそうに言わなくても、昨日居なかっただけじゃない。」
麗は眉を潜めたが、何も言わなかった。誰が愛おしそうだって?と言う声が聞こえてきそうな表情だ。

犬「・・・・心配、です・・・・。」
いつも過剰にスキンシップしてくる奴が居なくなると、思いの他、気になるものだ。
パンダ「ま、帰ってくるでしょ、捨て台詞はいていったし。」
麗「まぁな。」
しんみりとした雰囲気は一瞬で忘れ去ってしまうのが、このメンバーらしい。

「綺麗な花ですね。」

麗たちが無防備にまったりしていると、いつの間にか近くに誰かが来ていた。
「!!!?」
麗は声がするほうに急いで身を起こし、犬はパンダの後ろに隠れた。
パンダも犬を守るように抱き、その2人を守るように猫が入る。
つかの間、ぴりぴりとした時間が過ぎた。

目の前にいるのは、黒兔と同じ背丈、顔立ちもそっくりの、白い耳のウサギだった。
白兎「えぇ、私は白兎ですよ。そうですね、遊佐、と名乗っておきましょう。」
猫「ユサ?宇佐美じゃなくて?」
確か、黒兔はある日、自分を宇佐美と言ったのだ。
白兎「はい。遊佐です。」

黒兔と同じ顔、同じ声なのに、口調はまったく別人で、何より、耳も肌も白く、髪の色もいつもと違う。
敵意がないとは分かったが、まだ緊張したような雰囲気だ。
白兎「綺麗な花の冠ですね。」
そう言って、遊佐は麗の足元に落ちていた冠を手に取った。
白兎「こんなに美しく編み上げられるなんて、器用なんですね。」
そう言って、パンダににっこりと微笑みかける。
パンダ(あら、いい男じゃない♪)
パンダはすっかり気をよくした。
白兎「もちろん、君が作ってる冠もとっても可愛いよ。」
そう言って、パンダの後ろに隠れている犬に優しく話しかける。
犬は同じ顔にちょっかいを出されてはべそをかいていたが、その紳士的な物腰にほっとした様子だ。
まだ疑っているような顔の猫に向き直り、白兎は微笑む。
白兎「あぁ、そういえば、この川の魚たちは、随分優しくて美味しいんですね。」
猫「!分かるの?そうなんだよ~♪僕のお友達だからねぇ♪」
猫は魚に人一倍愛情が深い。決して餌として見ているのではない。
そこを褒められれば嬉しくてたまらないのだ。
次々と仲間の心を奪っていく白兎に、麗はよりいっそう警戒を深めていた。
そんな麗に白兎は手を伸ばした。
一瞬たじろぐ麗だったが、触れられるわけではなく、ふわりと花の冠を被せられた。
白兎「そして、そんな綺麗な花が、貴方はとても似合いますね。」
その善人そうな微笑みに、麗は何も言えなかった。

白兎は、まるで、ずっと一緒にいたかのように、溶け込んでいった。
麗は麗で、違和感を感じながら、どこが居心地の良さを感じていた。
遊佐は物知りで、こどもの日の事などを話し、折り紙の兜を作ってみせたり、動物達とゴールデンウィークを楽しんだりした。

犬「遊佐さん、コレ、あげる。お・・・・礼?」
犬は出来たばかりの花の不恰好な冠を白兎に差し出した。
白兎「私が頂いてもいいんですか?ありがとうございます。」
そういって、白兎は微笑み、犬もはにかんだように笑って、冠を白兎の頭に乗せた。
自分は、遊佐が作った兜を大事そうに持っていた。
猫「ゆぅ~さっ!さっき釣れたお魚!刺身がいいか?それとも焼くか?」
猫は嬉々とした表情で、白兎に尋ねる。
白兎「そうですね、猫さんのお友達ですから、どちらでも美味しいんでしょうね。」
白兎の言葉に猫はますます気をよくして、ウキウキと豪勢な晩御飯を作り出した。
パンダはカメラのシャッターをきりながら、終始嬉しそうだ。
白兎「どうしました?そんなに面白い顔してますか?」
パンダ「ん?そうじゃなくて、犬って人見知りするから、こんなに気を許してるのが珍しくてw」
そういって、パンダはその光景をシャッターを収める。
みんな、なんだかんだいって、このメンバーが好きだから、メンバーの喜びが自分の喜びなのだ。
パンダ「よかったね!遊佐も、犬のこと可愛がってやってね!」
パンダは犬の人見知りを実は心配していたりする良いお姉さんのような存在だから、犬が気を許せる人材は嬉しかった。
白兎「もちろんですよ。」
そういって、白兎は犬の頭を撫でた。

猫が作った美味しい晩御飯を囲み、パンダが幸せな光景をカメラに収め、犬が脅えもせず笑っていた。
麗は違和感を感じながらも、深く考えず、皆幸せならいいかと楽観的に思っていた。
不思議な事に、黒兔のことが心配には感じなくなっていた。
ここにいないはずなのに、なぜだろうと思いながらも、その疑問に答えを求める事はしなかった。

<GW 下>に続くよ~ん。





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Last updated  2009.05.02 22:42:28
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