「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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シンの部屋
死神
僕は走る
地面を蹴り、前へ前へ
少しでも速く、誰よりも速く
ただただ走る
なぜ走るのか?
そう問われたら
「好きだから」
と答えるしかないだろう
走ることが好きだから走るのだ
僕は走らない自分を想像できない
走れないなら僕には生きる意味はない
それほど走ることが好きなのだ
自分は走るために存在しているのだと思ってしまうこともある
僕は主に長距離を走る
長距離を走りきってゴールした時の喜びが、達成感が好きだからだ
そして来週に大会を控え
今日も部活で長距離走の練習で町内1周をしていた
だがその時、悲劇は起きた
―――――交通事故
気がつくと僕は病院にいた
目が覚めたとき足に異変があった
診察に来た先生から自分の怪我について聞いたとき
ショックのあまり気を失いそうになった
「右足を骨折し右足首の靭帯を断裂しています、完治まで約1年はかかりますね」
正直全てに対してのやる気を失くした
1年も走ることができないのだから
僕は自分の存在価値を失ったような気分になった
死にたい、何度も何度もそう思った
でも怪我が完治すればまた走れると思って僕は耐えた、耐えに耐えた
1年間リハビリを頑張った
そしてやっと医者から「運動をしてよい」と許可を得た
久しぶりに部活に出て
部員のみんなに挨拶して
ストレッチをして走ってみた
だけど足が動かなかった
何度も何度も足を前に出して走ろうとしたけど
足を前に出そうとする度に激痛が走った
病院に行き医者に見てもらったけど、原因は不明
「恐らくは事故後の後遺症でしょう、多分すぐによくなりますよ」
まぁそういうものか、と思い1週間ほど部活を休んだ
そしてまた走ろうとしたが、足は動かなかった
歩くのには支障はないのだけど
走ろうとすると途端に足に激痛が走る
それを我慢して足を前に出そうとしても動かない
「なんだよこれ…なんでなんだよ…1年も我慢したんだぞ、1年も頑張ったんだぞ」
自分の全てが無くなった
走ることが全てだった僕にはこの事に生きていく意味を失った
どうやって帰宅したかは覚えていない
家に帰ってすぐに布団に入った
布団に入って泣いた、ただただ泣いた
そして気がつくと深夜になっていた
フラフラと僕は覚束無い足取りで自宅マンションの屋上へと向かった
もちろん自殺するために
自分の生きてる意味はもうない
別にこの世にもう悔いはない
フェンスに上り飛び降りようとした時だった
「そんなとこでなにやってんの?」
いきなり声をかけられた
声のするほうを見ると、僕と同い年ぐらいの女の子が立っていた
服装は上下黒、手には彼女の身長ぐらいはある鎌を持っていた
彼女は月明かりに照らされて美しかった
まるで死神のような姿だな…
「んで、そんなところでなにやってんの?」
呆気に取られてる僕に対し彼女は平然と言ってきた
「見て分からない?ここから飛び降りて死ぬつもりなんだけど」
「ふーん…でもなんで?」
いちいちうるさい奴だな
そう思いつつもどうせ最後か、と思い話すことにした
僕の話を聞き終えると彼女はこちらに歩み寄ってきた
「あなたそんなことで死ぬなんて…馬鹿じゃない?」
僕はこの言葉にカチンときた
「いいだろう別に!君には関係のない話だよ!」
「関係なくないわよ、だって私、死神なんだもん」
「は……?」
僕は理解できなかった
死神なんて空想の世界に住んでいるものだから
「だから死神だってば、この鎌が証拠」
確かに彼女は死神が持っているような大鎌を持っていた
「で、でもなんで僕が自殺するのが君に関係あるんだよ」
「君みたいに強い念があると死んでも死にきれずに霊になって残っちゃうのよ」
「強い…念?」
「そう、君は走ることが大好きだけどそれができなくなったから死ぬんでしょ?でもかなり悔いが残っている、それが念よ」
理解しがたい話に僕は混乱していた
「つまり強い想いが残ってしまってるから死んだとしても霊として残っちゃうの」
「でも霊になったからって何かあるの?」
「死んでも悔いが残ってるからって無差別に人を殺しだすのよ」
「そんな無茶苦茶な」
「だからそうなる前に自殺者を私たち死神が殺すのよ」
さらに理解しがたい話に僕はさらに混乱した
「安心して、痛みはないし貴方の存在を殺すだけだから」
「存在を殺す!?」
「そう、あなたがここにいたという記憶を、あたなの家族、友達全ての記憶
から貴方の存在が消えるの」
「それで…存在を殺された僕はどうするの?」
「2つの選択肢があるわ、あの世に行くか、この世で死神として生きるか」
彼女はため息をつきながら僕に言った
「あの世に行けば何も不自由のない生活が待ってるわ、それに対し死神は人間としてこの世で生活し、今の私のような仕事をする」
あの世で不自由の無い生活かぁ…それもいいかもなぁ
「死神になれば貴方には新しい名前と生活が用意されるわ、足も元通りにな
る」
「本当!?」
僕はその言葉に浮かれあがった
「本当よ、でも死神の仕事は正直だるいわよ、大体貴方がそんな辛そうにしてるから死神のことをいろいろ教えているのよ」
「…どういうこと?」
「普通は死神のことは話さないの、でも、でも貴方は、私の」
言いかけて彼女は本当に悲しそうな顔をして口をつぐんだ
「で、どうするの?死神になる?それともあの世に行く?」
「もちろん死神になるさ」
「決まりね、じゃあ存在を殺すわ」
そう言うと彼女は大鎌を僕に向けて振り下ろした
気がつくと僕はベッドで寝ていた
「ここは…?」
上半身を起こしてみた
昨日となんら変わりのない体
「なんだいつもと変わりないじゃないか、やっぱり昨日のは夢だったの
か…」
「夢じゃないわよ」
と、いきなりドアが開き
昨日の死神が部屋に入ってきた
「ここは貴方の新しい家」
「僕の新しい家…?」
「そしてこれ」
彼女が渡してきた封筒を開けてみた
中には紙切れが1枚あった
【高峰 遠矢】
と書かれた紙が
「それが貴方の新しい名前」
「そっか…そういえば君の名前を聞いてなかったんだけど」
「私?私の名前は高峰 綾子」
「へ…?高峰って僕の名前と一緒じゃん」
「そうよ、私たちは兄弟ということになるわね、あ、もちろん私が姉ね」
「な、なんでこうなるの…」
僕はベッドに倒れこんだ
「仕方がないでしょ、最近死神界も財政難なんだから」
「あ、そう…」
「とにかく、学校に行くわよ」
「りょ、了解…」
こうして僕の新しい人生
【死神】としての生活が始まった
ほとんど変わりの無い生活が
変わったといえば
姉ができたことぐらいかな
この先無事に生きていけるのかな……
~あとがき~
このへっぽこ小説を最後まで読んでいただきありがとうございました。
まだまだおかしな部分が多くてつまらない小説だったとは思いますが
これからも頑張って行こうと思うので応援してください♪(何
できれば感想・意見等がありましたらBBSに書き込みお願いします
2005年 7月2日
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