「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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1年経過~彼からの告白~
レイさんと付き合って(?)ちょうど1年経った。
最初のキスをした時に私は言った。
「1年後にレイさんの状況が何も変わってなかったら、終わりだからね。」
どういう意味かと言うと・・・。
当時のレイさんは結婚していた。ただ、「夫婦仲が悪く下手したら離婚するかも」というくらいだった。
今考えてみると、当時は本当にそれくらいの夫婦仲だったんだと思う。
よく、独身女性に近づく既婚男性は「うちはもう終わりだ・・」くらいの言い方をする。
本当にそれで終わる人なんてなかなかいないのにね。
レイさんとこういう関係になってから、最初はものすごくラブラブだった。彼もその当時は今の何倍も時間があったし、私もバイトを週2回くらいだったので、いつも会っていた。
冬を迎えた頃、私の親が家にいない日があって、レイさんが泊まりに来た。
その時にこういう話をした。
「もしさ~、俺が離婚して子供を引き取ったら、でにぃはどうする?」
私は「え~・・・。別れる。子供なんてありえないよ」
とキッパリ否定していた。
「離婚して最初は俺が子供の面倒を見てて、2年後とかに母親に渡すって言っても、ダメ・・?」
「うん。だって、保証ないじゃん」
それ以来、レイさんは子供をどっちが引き取るかって話をしなくなった。
そして4月になり、私は以前の会社を辞め、夜のバイトをする時間が増えたのでバイトの毎日となっていた。
その原因はレイさんも4月から忙しい職種に変わったので、まったく時間がなくなっていたのだ。
お互い、連絡を取る回数も減り、私は寂しさから他の男と遊びまくっていた。
他の男の家に週に数回泊まったりしているくせに、レイさんとたま~に会う時は「いつも会ってくれないから寂しいよ~」と演じていた。
5月、6月と2週に1回顔を見ればいい方だったが、7月の中旬に彼は突然、離婚した。
それから私も、何かのつかえが取れたかのように、レイさんと普通に向き合うようになっていた。
8月中も会える時は会ったりしていた。ゴルフに行ったり、家に来たりした日もあった。
それでもお互い忙しい。。。
そして9月を迎え、私達の関係がちょうど1年を迎える頃、彼が私に告白した。
その日は夜のバイトをしてその後偶然出会ったレイさんと一軒寄り、車で送った時に彼の家の近くに車を止めて話をしていたのだった。
車から降りようとしない彼。何か言いたそう。
そんな彼の口から出た言葉は・・・
「今後俺が子供を面倒見る事になるかもしれない」
「そうしたら、でにぃはさよならするの?以前、そう言ってたよね」と。
「俺は、”子供も一緒でいいよ”って、でにぃが言ってくれたら、すぐにでもでにぃと一緒になりたいんだけど・・・。それは難しいよね」
「特に人の目も気になる子だし、そんな年頃だし・・・」
私は突然の告白に何て答えていいのか分からず、黙っていた。
彼は私の手をにぎりながら、話をしていた。外は小雨がぱらつき、真っ暗い真夜中を迎えていた。
私は色々と考え、レイさんに言った。
「私ね、確かに人の目を気にするけど、自分で決めた事とかあったらそこまで気にしないよ?自分が納得していれば平気だと思う」
「ただ。あまりにも突然すぎて今は何も考えられないけど、この時点で”イエスもノー”も言えない。
どっちの可能性も100%でも0%でもないから」
そんな話をしていたら、レイさんは涙を流していた。
私には涙の訳が分からなかった。私はそんなレイさんを軽く抱きしめながら、数分過ごしていた。
「何で泣くの?」と聞くと「以前、子供がいたら絶対別れるって言ってたじゃない?でも今は迷ってくれてるから有難くて・・」
そういう事だったのか。。。
私は何も話せず、ぼ~っとしていた。
車を少し移動して、民家の少ない所に行って、レイさんは車から降り運転席の隣に来てタバコを吸っていた。
私は窓を開けた。
レイさんは私の頬を触りながら、
「でにぃが考えてくれるだけでも本当に嬉しいよ。」
「自分の人生でこういう選択をするなんて思ってみなかったと思うし、これで考えさせるのも悪いと思ってる・・」
「でも、さよならは辛すぎるもんな・・」と言っていた。
頬に彼の手が触れているのだが、その上から自分の手で押さえた。
その瞬間、涙が溢れてきた・・・。
雨も強く降って来たので、彼に「濡れちゃうから早く車に乗りな・・」と言っても、彼は私の頬を触っている手を離そうとはしなかった。
でも雨はだんだん強く降って来て、「早く乗りなよ、中で話そう」と涙を流している彼を車に乗せた。
私は思っていた・・・。
確かに1年前、こういう関係になった時は
「期間限定の1年間だからね!1年経っても変わってなかったら、別れるよ」
なんて冗談交じりに言っていた。
8ヶ月前の冬も
「子供引き取ったら別れるよ!」と言っていた。
その時だから、ハッキリ言えたんだと思う。
でも今はもう違う。考える余地だってもちろんあるだろう。
レイさんはもう自分がどうこう出来ない問題だし、私の判断を仰ぐしかない受身の状態であるって事を言っていた。
あと、「負い目があるから自分から強引には出来ない」とも。
車の中で私の手を握りながら話す彼。
レイさんも30歳の時に私と同じ選択をしていた。
別れた奥さんはバツイチで子供が二人いた。レイさんはそんな奥さんと付き合って3年ほどたった、30歳の時に
「今、彼女と一緒にならなかったら後悔するだろう」と、結婚を決意した。
相当苦労しただろうと思う。周囲の目、両親の事、子供の事。
「そんな自分が悩んだ選択を、でにぃにさせるなんて・・・・」
「だから気持ちは分からない訳でもないよ、俺」
確かに・・・。
そして私の目を見て、彼は再び言った。
「もうこれ以上、俺がでにぃとの事をどうも出来ないから、でにぃ任せになってしまう。色々考えてしまうのは悪いとは思うけど、自分にとって、良い答えを出してね。
でにぃの人生なんだから!」
また、私は泣いていた。
泣くだけ泣いて、少し心が穏やかになった。
レイさんとどうしても一緒にいたいのなら、子供も一緒だという事。
子供はどうしても引き受けられないのなら、レイさんと別れる事。
私はレイさんと別れたくない。お互い好きだし、付き合った当初から
「一緒になれたらいいね」と言い合ってた仲なのに、今は、別れるなんて考えられない。
私なりに頑張ってみようかと今は思っている。
もちろん、他の男を探しつつ;;
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