sorairo

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人は一度巡り逢った人と二度と・・・



これが小説のはじまりです

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人は一度、巡り逢った人と二度と別れる事はできない。
なぜなら人間には記憶という能力があり、そして否が応にも記憶とともに
現在を生きているからである。

人間の体のどこかに、ありあとあらゆる記憶を沈めておく巨大な湖のよう
な場所があって、その底には失われたはずの無数の過去が沈殿している。
何かを思い立ち何かを始めようとするとき、目が覚めて・・・・・・   

・・・・どんなにすくってもすくっても手の中には空しい水の感触が残る
だけで、強く握ろうとすればするほど、その水は掌から勢いを増して
零れて落ちていく。
しかし、手に取ることはできないかもしれないけど、記憶はゆらゆらと
不確かに、それでいて確実に自分の中に存在し、それから逃げることは
できないのだ。
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『パイロットフィッシュ』/大崎善生

みず


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