sora-no-ao

『手』


真夜中におなかが痛いとき
熱が出たとき
母がそばにいてさすってくれた
目を覚ますと
どんな時間でもそこに母がいた

母は仕事をしているので
泊まりの仕事のときは
祖母が同じように
そばにいてくれた

祖母は入院している
癌、脳梗塞、多臓器不全・・・。
90に手が届く祖母の身体は
ぼろぼろ・・・
もう自分で起き上がることも
話をすることもできない

一度峠を越えて安定したけれど
癌が少しずつ祖母の体を蝕んでいる
最近は痛みに顔をゆがめるようになった

苦痛に顔をゆがめる祖母の身体を
摩りながら、痛むところに手を当てる
痛みが手を緩めるはずもないのに
祖母は眠りにつく

母に・・祖母にもらった魔法を
私の手も宿しているかしら?
そんな手を私ももてるようになったのかしら?
もらうだけではなくて
私も惜しみなく与える人になれたのかしら?


「この痛みを取り去ることができれば・・・」
「安らかであって欲しい・・・」
その人を思って触れるときに
何かが手から流れ出て伝わっているのかもしれない

祖母の痛みの前に無力な自分が悔しいけれど
こんなことしかできないけれど・・・・

でも、この手を大切にしたいと思う。。。
流れ出るものを伝えたいと思う。。。








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