最初のサンタさん


貧しい家の子供達は、寒さにふるえていました。

心の優しいおじいさんが、「この子供達に何かしてあげられることはないだろうか?」と考えました。

長く閉ざされる冬、大地も家もすっぽりと白い雪に覆われてしまいます。
狭い部屋に遊ぶものもない生活。

「何か子供達を喜ばせるものはないだろうか?
 長い冬の間の小さな楽しみを与えてやれないだろうか?」

そして、暖炉の薪を見ながら、部屋の中にある人形に目が止まりました。

そうだ、木彫りの人形を作ってあげよう。
暖炉の前に座りながら、ナイフを手に取り、おじいさんは木を削り始めました。

子供達の喜ぶ顔を思い浮かべながら、楽しそうに、おじいさんは木に話しかけながら、削って行きます。
「木の聖霊たちよ。冬の間、貧しい家の子供達と遊んでくれるかい?
 喜びを与えておくれね。みんな、外に出られないから寂しがっているんだよ。」

やがて、可愛らしい木の人形が、いくつも出来上がりました。

おじいさんは、そっと誰にも気づかれないように、眠っている子供達の横に、木の人形をひとつずつ置きました。

「これは、神様からのプレゼントだよ。喜びにあふれた冬をお過ごし。」

朝、目を覚ました子供達は、目を丸くして喜びました。
生まれて初めて手にした人形だったのです。

子供達は長い冬を楽しく過ごしました。

そして、神様に「ありがとう」と感謝することを覚えたのです。

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