ねえ、今日ね・・・・

ねえ、今日ね・・・・

都合のいい女5


 或る時彼はこういった。
「昔、ある人を好きになって、、」そしてその恋の話を語り始めた。彼女はとても仕事の出来る人だった。ドコでどう知り合って、、どんな恋愛をしたか、、そんな野暮な事は私も聞かなかったが、彼は話続けた。
「彼女を俺は本気で好きになった。どうにかして幸せにしたいと思った。でも彼女には旦那さんも子供もいたんだ」
「で、、あなたはどうしたの?」
「子供たちは随分俺になついてくれたよ。5歳と3歳の娘と息子。本当に可愛かったし、とても可愛がったよ。」
「あなたはとても面倒見がいいものね、それは解るわ」
「そして、彼女は離婚する事になった。俺は家族や親戚に大変な迷惑をかけたんだ。」
「で、今その、、彼女は、、、?」
「色々有って、こうして俺は今君といるわけだ。まあ、縁が無かったのかな。今か彼女は下の子を引き取り一人で暮らしてるはずだよ、、そう、、前ここにすんでたんだ。」夜のドライブの途中、マンションの前を通過する時に彼は徐行しながらそう言った。
「どうして、あなたは離婚までさせて、そして、、一緒にならなかったの?」
「まあ、縁が、、なかったのと、俺が悪かったんだよな。今でも俺は彼女の事を尊敬しているし、そして彼女と出会った事は良かったと思ってるよ、相手はどう思ってるかわからないけどな。」
「あなたらしい、言い方ね。」
 その話は前に少し聞いた事があった。彼が離婚をさせてしまったせいで沢山の慰謝料を払った事、そして、、、一緒になれなかった事。色々な彼の周りの環境のせいで、そうなれなかったこと。

 しばらくして、、都合のいい女はその彼から別れを告げられた。
「これ以上君と連絡できない。」
「え?どうして?なんで?理由を教えてよ。」
「ごめん、好きな人が出来た。」
「好きな人、じゃなくて、、昔のあの人?」
「やっぱり、、昔のあの人が俺、、忘れられないんだ。君には悪いと思ってる、、」
「そ、じゃ、仕方ないわよね。まあ、彼女を私が越えられるわけが無い、、ね~」
「本当にごめんな、、、」
「ううん、、気にしないで。ね」

 都合のいい女は、、そう言った、、が、、。

未だ、、彼の事が忘れられないらしい、、(笑)。風の噂で彼はめでたく彼女と結婚し、、そして彼女の引き取った子供の「父親」になった。今、ドコでどうしているのか、都合のいい女は知る由もなし、、。ただ、、都合のいい女は「この空の下で、今日もあの笑顔が絶える事がないように。彼が毎日元気で幸せに暮らして居ますように。」と、、、。祈るだけだそうだ、、、。

だって、、都合のいい女、、だもん。



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