この様にインドはダイヤモンドの国でもあります。「STAR OF INDIA」と言う名前の有名な宝石がありますが、これはニューヨークの自然史博物館に永久保存されているスリランカ原産のブルー・スターサファイヤでダイヤではありません。インドで有名なダイヤは、世界で最も有名なダイヤモンド、"KING OF DIAMOND" であり、「コヒヌール(Kohinoor)」と言います。インドでは看板などでよく見かける言葉ですが、ペルシャ語で「光の山」と言う意味があります。現在、エリザベス皇太后の王冠の飾りとして、ロンドン塔博物館に収蔵されています。1852年東インド会社創立250周年記念にビクトリア女王にインドより贈られました。1858年王冠に収められ、以後歴代のイギリスの王妃の冠に据え付けられて来ています。インドは英国にこのダイヤの返還を求めており、印英間の外交問題の一つとなっています。このダイヤは英国のインド植民地統治時代、インドが搾取された象徴なのです。さて、もう一つ有名なインド産ダイヤがあります。それはフランスに渡ってしまい数奇な運命を辿る「ブルー・ダイヤモンド」です。ブルボン王朝の歴代の王妃が身につけ、最後の王妃となったマリーアントワネットがこよなく愛したダイヤです。因みにマリーアントワネット王妃は、このブルー・ダイヤとインド産シャトーシュ・ショールを愛したインドファンでもありました。このダイヤを持つと呪われて皆死んでしまったというダイヤなので、今では怖くて誰も持つものがなく米国の博物館入りしています。全く恐ろしい宝石です。青の他に、ピンクや赤、黄色にオレンジ、緑や黒のダイヤもこの世の中にあります。
2004年01月02日 “デビアス”離陸せず!?■ 今秋9月、イメージモデルのイマン(元スーパーモデルで現デヴィット・ボウイ夫人!)が黒い肌に世界最大級のダイヤ「ミレニアム・スター」(203カラットで価格は88億円)を輝かせてオープニングに登場する等、派手なプロモーションで日本に初上陸した超高級宝飾ブランド“デビアス”。 19世紀末創業から世界中に数々の鉱山を所有しダイヤモンド市場を支配してきた世界最大のダイヤモンドシンジケートが2001年1月にLVMHグループと提携し、ジュエリーブランドとしてスタートさせたもの。レザーに大粒ダイヤモンドをあしらった斬新なデザイン等が目を引くが、商品のバリエーションが少ない上に目の玉が飛び出る超高額品ばかり。 でも、消費者にとっては知名度もなく、ブランドとして認知されていないのが実情。“デビアス”を扱っている都内百貨店では30~40坪の売場で月1億円の売上を期待していたが、なんと1,000万円前後に留まっているとか。LVMHグループがバックに付いていながら、ブランド戦略に問題があったのでは? いっその事“デビアス by ルイ・ヴィトン ”という名前にすれば良かったんじゃないの。
さきの引用中の「東洋のただ一か所」とあるのはインドのことで、一八世紀にブラジルでダイヤモンド鉱床が発見されるまでの数千年間、インドは唯一のダイヤモンド産出国であり、輸出国でもあった。ムガル帝国時代にインドを訪れたフランスの宝石蒐集家タベルニエによると、ベンガル湾に注ぐクリストナ川流域のゴルコンダ地方のコウロウ鉱山では、六万人もの労働者がダイヤモンドの採掘に従事していたという。インドは現在でも多くの宝石を産出する国であるが、ムガル帝国時代の王宮や寺院(タージマハール廟など)は壁面にまでルビーやメノウなどの宝石をはめ込んだ装飾をほどこしていた。 インドのダイヤ産地はすべて地質学でいう漂砂鉱床であったが、このゴルコンダ地方の鉱山は、大粒のダイヤモンドを産することで有名であった。現在イギリスのエリザベス女王の所有になっている「コーイヌール」とよばれる巨大なダイヤは、発見当時は八○○カラットもあったという。ムガル帝国を創設した初代の皇帝バーブルは、征服したインドの王子からこれを手に入れた。そのころからこのダイヤを所有した者が世界を征服するという言い伝えが生まれた。ムガル帝国が衰退に向かった一七三九年、ペルシヤ王が侵入して首都デリーを占領、このダイヤを奪った。ペルシア王は、このダイヤの光るさまをみて「おおなんとすばらしい光の山よ!」と叫んだ。以来このダイヤは「Mountain of Light」とよばれるようになった。 このムガル帝国を事実上征服したイギリス東インド会社は、このダイヤを入手して、一八五〇年イギリスのビクトリア女王に献上した。伝説通り、ビクトリア女王は、大英帝国の女王として世界に君臨したのである。