アンティークな琥珀堂

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ダイアモンド鑑定書の見方


(目次)
[ 鑑定書 | 形 | カラット(重さ) | クラリティ(透明度) | カラー(色) | カット ]
鑑定書
鑑定書の発行機関によって中身が違うことをご存知ですか?
鑑定書が読めればあなたはもうセミプロです。


色々なカットの形やラウンド・ブリリアント・カットの変遷についても述べてあります。
カラット(重さ)
カラットの語源や表示方法、カラットと価格との関係について述べてあります。
クラリティ(透明度)
クラリティはどの様にして決めているのでしょう?
内部特徴や外部特徴について詳しく説明しています。
カラー(色)
ダイヤモンドのカラー(色)はどうやって見る(決める)のでしょう。
蛍光性とカラー(色)の関係をご存知ですか?
カット
カットはダイヤモンドの品質を語るとき、最も重要な要素です。
プロポーションとフィニッシュとは何でしょう?

ダイヤモンドの鑑定書

ダイヤモンドには鑑定書(品質保証書)の付いているものとそうでないものがあります。 研磨されたダイヤモンドの価値は、重さ Carat、透明度 Clarity、色 Colour および カット Cut の4つの要素(4C)で決定されます。 しかし、専門家でない人々は普通これらの要素を間違いなく判断することは出来ません。 したがって、専門家でない人は鑑定書(品質保証書)が付いているものを選んだ方がよいでしょう。 但し、鑑定書(品質保証書)は場合によっては誰にでも発行できる単なる紙切れにすぎないのですから過信は禁物です。 権威のある鑑定機関が直接、正式に発行した鑑定書の取得が求められるゆえんです。


鑑定書(品質保証書)の発行機関で、当地で通用している主なものは次の通りです。

HRD ( Hoge Raad voor Diamant )

GIA ( Gemological Institute of America )

EGL ( European Gemological Laboratory )

IGI ( International Gemmological Institute )

世界的に権威のあるダイヤモンド鑑定書(品質保証書)の発行機関はベルギーのHRDと米国のGIAに限られると思って良いと思います。 
HRDはベルギーの四つのダイヤモンド取引所を総括する公益法人でとして有名ですが、その鑑定部門は公平でかつ正確であると定評があります。 世界で最も権威のある機関と言えましょう。 その他の鑑定機関も米国のGIA基準を除き、世界的にはHRDが主導する「研磨ダイヤモンド等級付け国際規則(IDC規則)」(通称HRD方式)に準拠して鑑定書(品質保証書)を発行しています。
このIDC規則はダイヤモンド取引所世界連盟(WFDB)及び国際ダイヤモンド生産者協会(IDMA)によって受け入れられ、世界中で遵守されています。
勿論、日本にも沢山の鑑定機関(日本の場合は殆どが株式会社組織の業者)があります。 日本の鑑定機関は多くがGIA基準に基づき、日本語の鑑定書(品質保証書)を発行しています。

また、GIAの鑑定書(品質保証書)にはカットのグレードが記載されていません。 (要注意)
その点、HRDの鑑定書(品質保証書)にはカットについてもプロポーションとフィニッシュに分かれてはいるもののグレードが明記されていますので、素人の人にも分かりやすい一歩進んだ形の鑑定書(品質保証書)となっています。 なお、カットの評価についての記載のない鑑定書(品質保証書)の詳細に付いてはこの部の最後に解説をしてあります。

近頃の鑑定書(品質保証書)はマイクロフィルムに撮られ、ダイヤモンドと一緒にプラスチック・ケースに同封シール(封印)されています。 これにより、鑑定書(品質保証書)が同封のダイヤモンドのものであることが明確になります。 ですから、シール(封印)が破られればダイヤモンドとの関連は一見しては失われますので、鑑定書(品質保証書)は単なる紙切れとおなじになってしまいます。 
ダイヤモンドを業者から受け取る際にはシール(封印)されたプラスチック・ケースが破られていないかどうかの点を確認すべきでしょう。 また、指輪などに加工する場合も、プラスチック・ケースにシール(封印)されたまま渡すことで品質を明確に出来ます。 勿論、指輪が出来て戻ってきたときにはその指輪が渡したダイヤであるかどうかは専門家ではない素人にはわかりません。 そこで、信用の出来るところで作って貰うことが大切となります。 


HRDの場合、一般の人が既に鑑定済みのダイヤモンドをHRDに送り、確認やシール(封印)、もしくは再シール(封印)を求めることも可能です。
なお、ダイヤモンドにレーザー光線を使って鑑定書(品質保証書)番号などをガードル部分に刻印しておく方法もあります。 この方法を使えばすり替えはより困難になり、防げるかも知れません。


なお、日本の鑑定書(品質保証書)の詳細については「日本の特殊事情」を参照願います。ダイヤモンドの品質は 4C ( Carat, Clarity, Colour, Cut ) 重さ、透明度、色およびカットで代表されます。 ここではHRDの鑑定書(品質保証書)の項目にそって解説してみます。 

<4Cのうちどれが一番重要か>
研磨されたダイヤモンドの価値は、重さ Carat、透明度 Clarity、色 Colour および カット Cut の4つの要素(4C)で決定されることは前に述べました。
4Cのどれもが重要である事は勿論なのですが、ダイヤモンドの評価をする場合には、一般的には

1.カラー(色)Colour
2.クラリティ(透明度)Clarity
3.カット Cut
4.カラット(重さ)Carat
の順になるのが普通です。
(もっとも、全くの素人はカラット数の大きいものに飛びつくかも知れません。)

しかし、その昔、ダイヤモンドが単なる硬い石でしかなかったのは、美しくなかったからです。人間がダイヤモンドのカットの仕方を発見して、ダイヤモンドは宝石の王様と言われるようになったのです。 カットの重要性が判るというものです。
ですから、もしもダイヤモンドを美しいかどうかの観点からみるのならば、重要性の順序は

1.カット
2.カラー
3.クラリティ
4.カラット
の順になるでしょう。

この一番重要なカットが、多くの店でないがしろにされ、カラー、クラリティとカラットで売られ、カットはほんの付け足しの情報になっている場合が多いのです。
そして、ダイヤモンドの理想の形がトルコフスキー型であるのか、あるいはヨーロッパ型であるのかなどと言う以前に、実際には本当の意味で宝石としての価値のあるものは全体の四分の一にしかすぎないとも言われている現実があるのです。
<その他の関連する事柄>

その他のダイヤモンドの鑑定書(品質保証書)記載事項
上述以外に、鑑定書(品質保証書)記載事項で注意すべきところが幾つかあるので述べておきます。

   1 当該のダイヤモンドが自然に産したダイヤモンド natural diamond である旨の表示
     natural diamond であることが総ての前提です。
   2 コメント comments の欄
     何も記載されないのが普通ですから、何か記載されていれば要注意です。
   3 同一性確認のマーク identification marks の欄
     主として、レーザーによりガードルへ 14 字までの英数文字が記載されます。
   4 検査方法などと責任の範囲
     通常、当該の鑑定書(品質保証書)が単に検査しただけで責任は限定される旨
     表示してあるものです。
   5 鑑定書(品質保証書)の発行者の名称など、サイン、発行年月日や番号
     これらは事務的なものですが、正式なものである証明になります。
GIA方式など他の鑑定書(品質保証書)で注意すべき事柄

GIAのグレーディングリポートには「本リポートは宝石の品質を保証するものでも、価値を決定するものでも、等級を決定するものでもありません。 本リポートの受取人は、本リポートに記載されている情報に関し、宝飾店や宝石鑑定士に相談することをお奬めします。」と記載されています。
GIAのグレーディングリポートにはカットの中心であるプロポーション(一部業界ではメークといいます)のグレードは明記されていないのです。
これはグレーディングリポートがどちらかと言えば専門家むけに作成されたという過去の経緯が影響しているものと思われます。
しかし、将来的にはこれらの鑑定機関に於いてもカット・グレードを記載する可能性を否定はしていません。 

また、現実には、ついている鑑定書が権威のある発行機関であるかどうかにより 10% 程度は価格に差があることも確かなようです。


なお、日本の鑑定書(品質保証書)の詳細については「第3章 ダイヤモンド購入上の注意事項と購入の実際」の「日本の特殊事情」を参照願います。

<ダイヤモンドのカラー(色)>

* Colour :色(これも大切な要素です)


[ カラーのグレード|蛍光性の有無|色の見方|色の評価|蛍光性の評価 ]

( colour grade ):カラーのグレード
研磨済みのダイヤモンドは、無色のものから色の濃いものまで、濃さも色々ですが、
黄色味がかった特徴を持つケープものが大部分だといえます。 色は「マスター・ス
トーン」と比較して評価され、「国際カラー等級表」にしたがって等級がつけられま
す。 色の鑑定は難しく熟練が必要です。 一番良い白色から段々下がり黄色くなり
ます。
D, E, F, G, H, I, J, K, L, - - - の順になります。
D (exceptional white +), E (exceptional white) と F (rare white +),
G (rare white) と H (white) と呼ばれ、普通は色がついていないように見えます。
I, J は (slightly tinted white) と K, L は (tinted white) と M から Z は
(tinted colour) と呼ばれます。


( fluorescence ):蛍光性の有無、強弱
ダイヤモンドの蛍光は、紫外線が通常の場合青味がかった色の可視光線に変わる結果
生じるものです。 ダイヤモンドの色は普通の昼光下で色の等級付けがなされますの
で、昼光の中に含まれる紫外線により、蛍光性の有無により左右されます。
(蛍光が強いと紫外線のある所では白く見えても、紫外線の無いところでは黄色ぽく
見えるので、よくないとされています)
蛍光のない方から強い方に nil, slight, medium, strong の順になります。

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ダイヤモンドの色の見方

ダイヤモンドの色は二つのグループに分けられます。 すなわち、無色から黄色までの一
般的な色のグループとファンシー・カラーのグループです。 ここでは一般的な色のグル
ープを中心に説明します。

<適切な光源>
特に電灯の光は赤みが多い(色温度が低い)ので避け、自然の光でみるようにしまし
ょう。 昼間の北側の窓からの光線がよく、人工光の場合は標準照明装置の光がよい
でしょう。
(I.C.I. 標準光源 D65 またはこれに近いもの、宝石検査用のデーライト光源など)


<マスター・ダイヤモンドによる理想的な色の比較セット>
科学的に色を詳細に測ることが不可能であるので、現在ある色の計測器による計測結
果は参考にしかなりません。 そこで、色の決定にはマスター・ストーンとの比較が
必要になるのです。 カラー・グレードはマスター・ストーンによってきめられます
が、このマスター・ストーンは各カラー・グレードの下限に決められています。

マスター・ストーンは次の条件を満たしていなければなりません。
ブリリアント型であること
重さが 0.70ct 以上であること
プロポーションが
テーブルの直径が 60 - 66 %
クラウンの高さが 11 - 14 %
ガードルの厚さが 3 % 未満
パビリオンの深さが 42 - 45 %
クラリティが si 以上で有色もしくは黒色の含有物を含まず、
構造上の現象が色彩効果を引き起こさないこと
ガードルは自然のまま bruted のこと
蛍光性は nil or slight のこと
色は黄色の色調であること

<カラー・グレーディングの環境>
明るさは強すぎない充分な明るさ、300-2,000 ルックスの間で、1,000 ルックス前後
が適当です。 周囲に色のある物体を置かないこと。
宝石検査用のデーライト光源を使用する場合には部屋は若干暗めの方がよいようです。
真白い紙(ソーティング・パッド)の上でパビリオンにたいして直角の方向から見ま
す。 光源からダイヤモンドまでの距離は約 15cm に保ちます。


<経験とグレーディングの能力>
最初に石をきれいにしておくことです。 ほこりや油分が付いていると色に影響を与
えます。 マスター・ストーンと比較する場合には、互いに 1cm 以上離して置くよ
うにします。
ソーティング・パッドを折り曲げ、その間に石をキューレット部を上方に向けて置き
ます。 光線をキューレットの上方からあてて、パビリオン面の直角方向からみます。
ガードル部の出来の如何が色の判定に影響を与えますので、紙の手前を持ち上げてガ
ードル部が目に入らないようにします。

もう一つの方法はソーティング・パッドを 90゚ に折り曲げキューレットを上方にし
て置いて、キューレットの上方からみる補助的な方法です。
そうすることにより、ガードルの出来に影響されることなくパビリオン全体を見るこ
とが出来ます。 昔からの方法として、石に息を吹きかけて息の蒸気が消えていく間
にきめる方法もあります。


<グレーディングする時の輝きの位置>
見る場所はパビリオンの半分より上のキューレットの近い部分です。
大きな石を見る場合には見る場所をパビリオンのキューレットに近い3分の1だけに
します。

<その他の注意すべき事柄>
混乱を防ぐ意味で、カラー・グレーディングの前にルーペによる検査を実施すべきで
す。 判断に迷う場合には、下のグレードにします。
カラー・グレイディングはリラックスした体勢と状況で行うべきで、あまり長い間続
けるべきではありません。

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ダイヤモンドの色の評価

ダイヤモンドは純粋な炭素(C)の塊ですが、窒素(N)を不純物として含むものが多く、
その分黄色味を帯びてきます。 この黄色味の評価の等級はD-Zで表わされ、Zにいく
ほど黄色味が強くなり、評価が下がって安くなるわけです。 ABCを使わないのは、
D以上のものの産出の可能性を残しているからだとも言われています。
色のランクを決定する前に、少なくとも4名による別々の鑑定結果が全く一致していなけ
ればなりません。 これにより、色の鑑定についても一貫性と客観性を保証できるわけで
す。
現在のところ、ダイヤモンドの色に関しては最新の器具を使ってもこれ以上によい方法は
見つかっていません。 ダイヤモンドの色度判定の分析はまだ充分に正確ではなく、特に
蛍光性があったり、わずかに茶色かグレイがかった石のランクづけについては、当てはま
らないのが実状です。


ケープや普通の色の他にも、ダイヤモンドには、茶色、緑、黒、ピンク、ブルーなどの色
がついているものがあります。 こうした最も魅力的な色付きの、ファンシーと呼ばれて
いるダイヤモンドは、標準色図表を使って、目で比較することにより、ランクづけするわ
けです。
また、さらに、分光光度計や分光蛍光測定器による分析を行い、ダイヤモンドの色が天然
のものか、処理(人工的に変えられたもの)によるものかを調べることになっています。
これらの調査結果は、特にファンシー・カラーの石については「ダイヤモンドの色の鑑定
書(品質保証書)」に記載されます。

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蛍光性の評価

カラー・グレードと同様な方法で、蛍光性を比較するためのマスター・ダイヤモンドで比
較することによって蛍光性を査定します。 これは波長が 366nm の紫外線を照射して実
施します。 蛍光性のグレードは nil, slight, medium, strong です。 
蛍光性の色については記載されません。

<ダイヤモンドの形(shape)>
* ( shape ):形。一番よく輝くのはラウンド・ブリリアント( round brilliant )です。
現在、鑑定書(品質保証書)の 90% 以上がラウンド・ブリリアントのものです。
[ ラウンド|ファンシー|小さな石|大きな石|その他|変遷|形と面の数 ]
ラウンド・ブリリアント・カット (Round brilliant cut)

ラウンド・ブリリアント・カットは最も輝くカットでその形も研究しつくされた
完成されたものと言えましょう。
クラウン Crown 、ガードル Girdle 、パビリオン Pavilion からできています。
その他の一般的な形(ファンシー・カット)

ラウンド・ブリリアント・カット以外の一般的なものは次の五つの形です。

オーバル・ブリリアント      Oval brilliant(57面)
マーキーズ(ブリリアント)    Marquise or Navette (brilliant)(57面) ハートシェープト・ブリリアント  Heart-shaped brilliant(65面)
エメラルド・カット        Emerald cut(50面)
ペアシェープト・ブリリアント   Pear-shaped brilliant (Pendeloque)(57面)
小さな石のための形(メレーに使用)

小さな石にはカットの面の数が少ないものが用意されています。

シングル・カット         Single cut(17面)     
バゲット             Baguette(25面)
テーパード・バゲット       Tapered baguette(25面)
スイス・カット          Swiss cut(33面)

大きな石のための形(普通 10 カラット以上の石に使用)

大きな石のためにはカットの面の数が多いものが用意されています。
カイロ・スター・カット      Cairo Star cut (74面)
ジュビリー・カット        Jubilee cut (80面)
キング・カット          King cut (85面)
マグナ・カット          Magna cut (101面)
ロイヤル144・カット      Royal 144 cut (153面)
その他の形(ファンシー・カット)

色々なカットが考案されてきました。 その中から幾つかを紹介します。
トリリアント・カット       Trilliant cut(44面)
プリンセス・カット        Princess cut(49面)
ラジアント・カット        Radiant cut(70面) 
プロフィール・カット       Profile cut
各種ローズ・カット        Rose cut
ブリオレッテ           Briolette
蝶々               Butterfly
馬の頭              Horse's head

ラウンド・ブリリアント・カットの変遷

1919 年にマルセル・トルコフスキーはパビリオン角を 40.75゚ にすると最も反射がよく
なり、従って一番輝くと計算しました。 より大きな角度がよりよい反射をもたらすが、
ファイアが少なくなるとしています。 同様にトルコフスキーはクラウン角を 34.5゚ と
計算しました。 二回反射した光がベゼルの端から洩れないようにするにはそれらを反射
する約 42 度の角度の小さな面が必要になるとしています。 これは上部ガードル・ファ
セットと呼ばれます。 同様に約 2 度深い角度のパビリオン角をガードルの近くに加え
ることにより、ベゼルの周りの面からの反射された光の損失を防げるとしています。 
これが下部ガードル・ファセットです。 その他にスター・ファセットと呼ばれる約 15
度水平な面をテーブルの周りにつけ加えることによって、光の配分をよくし、光が後ろか
ら逃げるのを減らします。 それは分散をへらすことにはなりますが、より多くの光を散
らすことで損失を補えます。
その後、永年にわたるトルコフスキーの案に対する多くの指摘や計算がなされてきました。
現在、最も新しい案はユーリッツ Eulitz の提案ですが、エプラー Eppler の提案した、
プラクティカル・ファイン・カット Practical Fine Cut やスカンディナビア方式
Scandinavian D. N. も実際的な提案です。 これらに共通していることは、クラウンの
高さを抑え、テーブルを広くとっていることです。

形 (shape) と面の数

宝石としてのダイヤモンドの美しさは色の分散によるところも大きく、この観点からする
と、石の大きさが大きくなるに従って面の数を増やす必要があります。 すなわち、如何
なる面もその長さが 3mm よりも長くなく、0.5mm よりも大きくなければ適度な光の分散と
輝きは得られないと言われています。 このため、10 カラット以上の石には 57 面よりも
多くの面が必要だし、0.12 カラットの石の場合には57 面よりももっと面の数が少ないも
のでなくてはなりません。 

<ダイヤモンドのカラット(重さ)>

* Carat ( weight ):重さ(カラット、ct. で表示されます)  

カラットの語源と実際の重さ

昔、地中海から中近東、インドで採れるサヤの中の位置に関係なく重さがほぼ均一で1粒
が約 0.2g の黒色のいなご豆 (通称カロブ Carob, 学名 Ceratonia Siliqua) が分銅と
して使われました。 ギリシヤ語でこの豆をキャラテイオン(keration)と言い、いなご豆
1個=1カラットとなったと言われます。
古いカラットの単位は各国でまちまちでした。 フランスでは1カラットが 0.2055 グラム
であり、イギリスでは1カラットが 0.2053 グラムであり、エジプトでは 0.1917 グラム
といった具合にバラバラだったのです。 結局、1906 年に the Congress of Measures
and Weights に於いてカラットをメートル法に組み入れることになり、以降、順次各国で
1ct = 0.2g とするメートル・カラットが採用され、今日に至っています。

重さの表示方法

ダイヤモンドの重さはカラットで少なくとも 1/100 までの精度(小数点以下2桁以上)
で表します。
そのため、カラット数は少なくとも下3桁まで計ります。 下三桁は四捨五入でなく八捨
九入です。
ちなみに、1.00 カラットとはどんな重さでしょう。 0.2 グラムです。
実際の測量とその結果表示は、例えば 0.998 = 0.99 ct
                  0.999 = 1.00 ct
                  1.008 = 1.00 ct
                  1.009 = 1.01 ct となります。

すなわち、 0.999ct から 1.008ct までが 1.00ct として表示されます。
なお、日本の鑑定書は多くが下3桁まで表示しています。 表示桁数が多ければ正確かと
言えば、必ずしもそうは言えません。 むしろ不正確、不親切な場合もあるのです。
HRDの場合、実際にはデータとしては下5桁まで測定しますが、周りの温度、気象条件
などにより、0.00020 carat 程度の変動(誤差)が生じえます。 ですから、有効な数字
は下3桁です。 そこで、前述の八捨九入の原理で下2桁を表示しているのです。
事実、消費者にとって重要なのは下1桁程度で、下2桁あれば充分なのです。
逆に、下3桁の表示をするには下4桁目がある程度正確でなければ意味がありません。
日本の下3桁表示の場合には下4桁目が変動することを考えると、下3桁目は不正確と言えます。
なんでも細かく表示すればよいものではありません。 論理というものがあるはずです。
これも日本の特殊事情と言えるのかも知れません。

カラット以下の単位はポイントです。 1 カラットが 100 ポイントです。
例えば、1.50ct は1カラット(と)50ポイントと読みます。
小粒石で 0.25 カラット以下のものをメレーと呼びます。 それ以上のものはメランジと
いいます。
通常、50 個で 1 カラットの石は 50 個石(50 to the carat)と呼ばれます。
テンパーとはテン・パー・カラットの略で 10 個で 1 カラットつまり、10個石を意味し
ます。


ダイヤモンドの大きさと重さの関係

ダイヤモンドの大きさと重さの関係は、ダイヤモンドの比重が分かっていますから、体積
がでれば重量がでることになります。 体積はダイヤモンドの直径と高さによりおおよそ
得られます。
<ダイヤモンドのクラリティ(透明度)>

* Clarity :透明度、含有物などの程度(大切な要素です)
 [ クラリティグレード|クラリティの評価|クラリティの見方|内部特徴|外部特徴 ]
( clarity grade ):
一番良いものから段々と、含有物などの程度が大きく多くなります。
loupe-clean
loupe-clean は自然光の下で 10 倍のルーペでみた場合、ダイヤモンドに含有物が認
められないことを意味します。 
最初は顕微鏡で調べて、含有物が見つかれば倍率を 10 倍まで下げて見えるかどうか
検査します。
(含有物の大きさが 5 micron 以下のもの)
vvs1 (very very small inclusion 1)
vvs は 10 倍のルーペでも発見が困難な程度の極極小さな含有物などがある場合です
(テーブルから見える含有物の大きさが vvs1 の場合、平均 12 micron
 他の面から見える場合にはより大きくてもよい)

vvs2 (very very small inclusion 2)
vvs は 10 倍のルーペでも発見が困難な程度の極極小さな含有物などがある場合です
(テーブルから見える含有物の大きさが vvs2 の場合、平均 25 micron
 他の面から見える場合にはより大きくてもよい)
vs1 (very small inclusion 1)
vs は 10 倍のルーペで目立たない程度の極小さな含有物などがある場合です。
(テーブルから見える含有物の大きさが vs1 の場合、平均 40 micron
 他の面から見える場合にはより大きくてもよい)
vs2 (very small inclusion 2)
vs は 10 倍のルーペで目立たない程度の極小さな含有物などがある場合です。
(テーブルから見える含有物の大きさが vs2 の場合、平均 70 micron
 他の面から見える場合にはより大きくてもよい)
si1 (small inclusion 1)
si はルーペで簡単に見つけられる小さな含有物などがある場合です。
(テーブルから見える含有物の大きさが平均 150 micron のもの)

si2 (small inclusion 2)
si はルーペで簡単に見つけられる小さな含有物などがある場合です。
(テーブルから見える含有物の大きさが平均 150 micron のもの)

p1 (pique 1)
p1 はクラウン側からは裸眼では見つけにくいが、ルーペでは簡単に見つかる含有物
がある場合です。 (クラウン側から見える含有物の大きさが平均 0.5 mm のもの)

p2 (pique 2)
p2 は裸眼で簡単に見つけられる大きな或いは複数の含有物がある場合で、
石の輝きが若干減じている場合です。
(クラウン側から見える含有物の大きさが平均 1.5 mm のもの)

p3 (pique 3)
p3 は裸眼で簡単に見つけられる大きな或いは複数の含有物がある場合で、
石に輝きがない場合です。
(クラウン側から見える含有物の大きさが平均 3 mm 以上のもの)

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ダイヤモンドのクラリティの評価

ダイヤモンドの内部の含有物と外側のキズや欠けの位置や大きさ、数、性質の評価です。
いかに目立つかでランクが決定されます。
研磨されたダイヤモンド所見は内部特徴(内部の所見)及び外部特徴(外側の所見)に分
けられます。 内部特徴(内部の所見)は外部特徴(外側の所見)が再研磨によりあまり
重量の減少もなしに多くの場合に削除できるのに比較して大変重要です。
内部特徴(内部の所見)は多くがダイヤモンドの結晶期間あるいはそれ以前に作られたも
のです。勿論、研磨の最中にひび割れさせてしまったような場合も無い訳ではありませ
ん。
ダイヤモンドのクラリティ(透明度)のランクづけをするために、特殊な顕微鏡が開発さ
れています。この顕微鏡はビノキュラータイプで対物レンズを変えなくとも接眼レンズで
倍率を変えられるズーム・システムのものです。 最も重要なことはダーク・フィールド
の照明とトップ・ライトが付いていることです。 グラス・ファイバーを用いた低温照明
のものもあります。 接眼レンズにグラティキュールという測定用の円形とメモリとがつ
いていてインクルージョンのサイズが測定できるようになっています。 ダイヤモンドの
透明度を評価する場合、インクルージョンの数量、サイズ、明るさや位置、そしてどの面
から観察できるかを考慮します。 これらはルールに基づいて作られた表によって透明度
としてのランクになります。 最後に10倍のルーペをとうして再検査して、国際基準に則
ったものであることを確認します。 このダイヤモンドの透明度の評価は3人の評価担当
者により、個別に行われます。
最終的に発見された内部特徴は赤で、外部特徴は緑で位置、大きさなどが鑑定書(品質保
証書)の中の図に記入されます。

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ダイヤモンドのクラリティの見方
<ダイヤモンドの清掃>
軽石の粉を使って汚れを落としてからアルコールに浸します、その後セーム皮で拭い
て乾かします。 
最後に軟らかい静電気防止の布で磨いてほこりを落とします。 
場合により圧搾空気を使ってほこりを吹き飛ばします。



<顕微鏡を使用してダイヤモンドを検査する順序>
まず、ダイヤモンドを逆さまにしてキューレットを上にします。
石の見る位置は時計の6時の場所にセットします。
次いで何か特徴のある面の上方のキューレットの近くにフェルトペンなどで印を着け
ます。 低い倍率でクラウン側から時計方向に見て行きます。 
まず、ガードル部の表面に照準を合わせます。 ガードルの上下の外側部分を探
ります。

ガードルの内側(ガードル・ゾーン)をパビリオン側の三方向(横、斜め上、真
上)から探ります。

ガードルの近くからテーブル、そしてテーブルの中心からキューレットまでを
パビリオン側の三方向(横、斜め上、真上)から照準をパビリオンの表面からテーブ
ルの中心まで変化させながら探ります。

石を逆転させ、テーブル以外のクラウン側からガードル・ゾーン、クラウン・ゾ
ーン,そしてパビリオン・ゾーンと照準をクラウンの表面からキューレットまで変化
させながら探ります。

テーブルから中心部やキューレット・ゾーンまで、石の大部分を照準をテーブル
からキューレットまで変化させながら探ります。

光線をダーク・フィールドからブライト・フィールドへ切り替えて上記1から5
を繰り返します。

上記の操作で発見した含有物などのそれぞれについて、より詳細に検査します。

<10 倍のルーペを使用しての検査>
ダイヤモンドの清掃をきれいに行うことは顕微鏡のとき以上に重要です。
何故なら、ほこりか含有物などかの判定はルーペの場合、顕微鏡より困難だからです

光線
次いで顕微鏡の時と同じようにダーク・フィールドとブライト・フィールドの環境を
作り出す必要があります。 このため、カラー・グレイドにも使用するオーバーヘッ
ド型のデイライト・ランプが必要です。 ランプは直接反射するのを防ぐ意味で少し
傾けます。
ルーペとピンセットの使い方
石はテーブルを下に伏せ、ガードルとガードルをテーブルに平行にピンセットではさ
み持ちあげます。
ルーペを持った手とピンセットを持った手が安定するようにして、ランプのはじに位
置します。 ルーペと石との距離は約 2.5cm です。 ルーペと目の間はまつげがぶ
つからない程度出来るだけ近づけます。 ルーペでみる場合には両方の目を開いてみ
ます。 その方が目が疲れず、頭痛がしなくて済みます。
顕微鏡の場合と同様に見る位置は石の6時の位置としますが、光の状況により5時あ
るいは7時になる場合もあります。
パビリオン側からの観察
石を手前に傾けることによりダーク・フィールドが得られます。 
これを第一ダーク・フィールドとよびます。 第一ダーク・フィールドから石をもと
の方向に戻し、キューレットを遠ざけていくとほぼ元に戻ったあたりでブライト・フ
ィールドになります。
更に石を傾けていくとまたダーク・フィールドになります。 
これを第二ダーク・フィールドと呼びます。 この位置は非常に重要で多くの場合こ
の位置が一番よくみえるからです。
第一ダーク・フィールドでみえたものも第二ダーク・フィールドでは明るさが違って
見えます。
もう一つの方法として石の見る位置を変えて、例えば、9時方向にしてみるのもよい
でしょう。 特にクリベジの場合には見る方向によって見え方が違うからです。
クラウン側からの観察
特段に決まった方法が確立している訳ではありません。 クラウン面にあるものは6
時か12時の位置が一番よく見えます。 一般にクラウンの各面に直角にして見るの
が普通です。
時には若干テーブル面のほうに傾けた方が明るく見える場合があります。 テーブル
面から見る場合は見る位置が6時とは限りません。
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内部特徴(内部の所見、含有物など)の主なもの
(鑑定書(品質保証書)には赤で表示されます)
Pinpoint
(微小な針で突いた点のように見えるためにこの名が付いたものです)
Group of pinpoints
(ピンポイントが数個まとまって存在する場合に呼称します)
Crystal inclusion
(ピンポイントよりも大きなもので無色透明な結晶から色付きの結晶まで色々な
鉱物があり、多くはダイヤモンドが結晶する以前に結晶していたと考えられます)
Dark inclusion
(カーボン・スポットとも言われ、硫化物の場合や石墨などの場合があります)
Cloud
(ごく微小の白色のインクルージョンが多数集合して雲状にみえるものです)
Cleavage
(割れ、亀裂のうち比較的に大きなものをいいます)
Feather
(割れやヒビが上面から見た場合、半透明に近い白い羽毛状に見える場合をいいます)
Bearded girdle
(ガードルに髭状の亀裂のあるものをいいます)
Laserdrilling
(レーザーでトリートメントしたあとの孔をいいます)
Growth lines-Graining
(構造上の現象で、結晶の成長模様が見えるものをいいます)
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外部特徴(外側の所見、キズや欠け)の主なもの
(鑑定書(品質保証書)には緑で表示されます)
Percussion figure
(衝突傷、ラフな取扱いでダイヤモンド同士がぶつかってできた傷です)
Pit or cavity
(カットされた表面に内部インクルージョンが脱落した穴が残っているものをピット
、欠損部をキャビティといいます)
Scratch
(引っかき傷をいいます)
Abraded facetedge
(ファセット・エッジの摩耗、損傷をいいます)
Abraded culet
(キューレットの摩耗、損傷をいいます)
Beard, Girdle roughness
(ガードルの表面の仕上げ不良で表面が凸凹しているものです)
Nick at the girdle
(ガードル部分に自然面でなく僅かに切り込まれたキズが残っているものです)
Polishing lines
(研磨あとの残っているものをいいます)
Burn mark
(表面に着いた小さい丸い白いスポットをいいます)
Extra facet
(正規のカット面以外に小さな余分なカット面が認められるものをいいます)
Natural
(原石の面が残っているものをいいます)
Natural on the girdle
(ガードル部分にナチュラルのあるものをいいます)
Surface grain lines, Knotlines
(構造上の現象で結晶面などが現れたもの、内部インクルージョンが、たまたまカッ
ト表面に現れたものをいいます)
より分かりやすく説明すれば、
米国では flawless (fl) を使い、欧州では loupe clean を使うということです。 そして、
米国の flawless (fl) には内部のインクルージョンだけではなく、外部の傷も含まれるのに対し、
欧州の loupe clean では外部の傷は透明度 clarity grade には含まれないで、
カットの善し悪しに含まれるという違いがあります。


flawless (fl) すなはち「きずなし」という表現はダイヤモンドでは顕微鏡の倍率を上げれば、
必ずインクルージョン(きず)が見つかるのだから、loupe clean という言葉を用いる方が
より論理的であるというのが、欧州の立場です。


<ダイヤモンドのカット>

* Cut :カットの善悪(とても大切な要素です)

[ サイズ|プロポーション|フィニッシュ|輝き|プロポーションの評価|フィニッシュの評価 ]
ダイヤモンドのカットは2種類の要素に分けられます。つまり、プロポーションとフィニ
シュ(仕上げ)です。 石のプロポーションはダイヤモンドの輝きや虹色のきらめきを左
右するものなのです。 プロポーションは標準的プロポーションスコープ及びマイクロメ
ーターを使って測定されます。
プロポーションはラウンド・ブリリアントについてだけ記載されます。 それはその他の
形のダイヤモンドについては普遍的な標準となるものがないためです。

( measurements ):サイズ
最初の二つの数字はダイヤモンドの直径の小さい所と大きい所とを表します
最後の数字はテーブルからキューレットまでの深さを表します
( proportions ):均整がとれているか
現時点ではラウンド・ブリリアントに対してだけ評価が表示されます。 
その他の型のダイヤモンドについてもプロポーションは測定されますが、普遍的な標
準となるものがなく、決定的な分析、評価は行われません。

proportions
よい方から very good, good, unusual の順になります。

girdle
幅の広い部分の平均を測ります。
そして薄い方から very thin, thin, medium, thick, very thick の順になります
thin と medium が proportion grade では very good にあたります。
同様に very thin と thick が good に very thick は proportion grade では
unusual にあたります。
次に girdle の厚さが%で示されます。
最後に girdle の形態 bruted, polished, faceted が表示されます。

culet
pointed (less or equal to 0.032 mm) = very good
small, natural or polished (0.033 mm till 1.9%) = very good
medium, natural or polished (2.0% till 3.9%) = good
large, natural or polished (4.0% and larger) = unusual

table width, cr.height, pav. depth
%で表示されます。
table width と cr. heght からは同時に crown angle も評価されます。
pav. depth から pavilion angle の良否が評価されます。
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( finish grade ):仕上がり
カットされた各面の対称性や交点の乱れがないかどうか、

    主たる4つの対称性は

      1 ダイヤモンドの直径が方向によって変わる度合い
      2 クラウンの高さの異なる度合い
      3 キューレットの位置の中心からのずれの度合い
      4 テーブルの中心のずれの度合い

    よい方から very good, good, medium, poor の順になります。

      very good : 対称性からの逸脱や仕上げの失敗がないか無視できるもの
      good : 対称性からの逸脱が微かに知覚できるもの
      medium : 対称性からの逸脱が知覚できるもの
      poor : 対称性からの逸脱の大きなもの の順になります。

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ダイヤモンドの輝きとプロポーション

ダイヤモンドの輝きはプロポーションの如何にかかっているといっても過言ではありません。輝きは次の諸点に基づいています。

外側の反射(テリ):
ダイヤモンド光沢と呼ばれる強い輝きを持っています。 この輝きは主としてダ
イヤモンドの表面での光の反射によるものです。 しかし、全体から見れば 10 - 20
% 程度を占めるに過ぎません。
石の内部での反射:
主としてパビリオン角によって決まります。 最高の内部の反射はパビリオン角
が約40.7 度の時に得られます。
パビリオン角が理想より大きくなると、例えば約 45 度(pavillion height 50%)の
場合はランピイ・ストーン(ゴロ石) Lumpy stone といって反射が悪くなります。
パビリオン角が理想より小さくなると、例えば約 38 度(pavillion height 39.1%)
の場合はフィシュアイ(スケ石) Fish-eye といって反射が悪くなります。

分散(ファイア):
一番重要な役割をするのがクラウン角です。 光がダイヤモンドから外へ出ると
きの入射角が約 23 度の時に最大になると言われています。
シンチレーション:
ダイヤモンドや光源が動いた場合にキラキラする状態です。
以上から分かるように pavilion angle と crown angle が、ダイヤモンドの輝きとファイ
アにとって一番重要な要素です。 これらは直接測りませんので、table width, crown
height, pavilion depth から割り出します。 girdle thickness と culet は、重要
性は劣ります。

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プロポーションの評価方法

最終的なプロポーション・グレードの決定にあたっては総ての異なった要素のうち一番悪
い評価を適用すると言うものです。

(例) girdle thickness thin 2 %
    culet pointed
    table width 58 %
    crown height 12 %
    pavilion depth 44 % の場合

girdle thickness : 下記の表から very good
culet : 下記の表から very good
table width : 下記の表から very good
crown height : 下記の表から very good
crown angle : table width と crown height の関係から
crown angle が 29.5゚ で good
pavilion depth : 下記の表から very good
最終的な評価は上記の各要素の中で一番悪い crown angle : good の good となります。


ブリリアント型のプロポーションの評価一覧表

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フィニッシュ・グレードの評価方法


フィニッシュ・グレードの評価は前述のように4段階評価で行われます。
評価は通常、主要な四つの対称性とその他の輝きに影響を与えるものによってなされます
が、very good になる場合やボーダーラインにあたる場合にはマイナー・シンメトリーが
評価されます。


よい方から very good, good, medium, poor の順になります。

very good :
肉眼では大変に見にくいもの、見えても局部的なもの
10倍のルーペ又は顕微鏡で見つけにくいもの、はっきり見える時は局部的なもの
good :
肉眼では見つけにくいもの、よく見える時は局部的なもの
より、見つけやすく、目立たないけどはっきりしているもの
medium :
肉眼で容易に発見でき、10倍のルーペでは目立つもの
ダイヤモンドの輝きに影響を与えるもの
poor :
非対称性が大変に目立ち、妨げになるもの
ダイヤモンドの輝きに明確に影響を与えるもの
(主要な四つの対称性は)
    1 ダイヤモンドの直径が方向によって変わる度合い
    2 クラウンの高さの異なる度合い
    3 キューレットの位置の中心からのずれの度合い
    4 テーブルの中心のずれの度合い

これらは十倍の顕微鏡もしくはプロポーション・スコープを使って検査されます。
その結果は次の一覧表に従って評価されます。



(注1) good* が2回以上現れた時には自動的に medium に評価します。
(注2) ウェービー・ガードルによってボウ・タイが現れた場合には別途評価します。
     肉眼での判別が困難な程度の軽いボウ・タイならば good に
     肉眼でみて容易に判る程度のボウ・タイならば medium に評価します。
(注3) ガードルの厚さの階級が1段階以上場所によって異なるならば、
     フィニッシュの評価は自動的に good か medium になります。
     フィニッシュの評価が good になるのは、ガードルの厚さが次のように変化
     するものです。
         very thin から medium および medium から very thick
     フィニッシュの評価が medium になるのは、ガードルの厚さが次のように変
     化するものです。
         very thin から thick および thin から very thick

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(その他に輝きに影響を与えるものには)
    1 オルタネイティング・ガードル・シックネス
    2 コーンシェープ・ガードル
    3 上部メイン・ファセットと下部メイン・ファセットのずれがあります

これらが肉眼では普通発見出来ない程度ならば good にグレードします。
肉眼で簡単に見つけられる場合は medium にグレードします。
(マイナーなシンメトリーのデビエーション)

これは通常ダイヤモンドの輝きにあまり影響を与える訳ではありませんが、欠陥であることに違いはありません。

1 クラウンサイド
スター・ファセットの非対称性
上部メイン・ファセットの非対称性
上部ガードル・ファセットの非対称性
ファセットの交点の乱れ

2 パビリオンサイド
下部メイン・ファセットの非対称性
下部ガードル・ファセットの非対称性
ファセットの交点の乱れ

3 ガードル
ガードルの厚さが一定でない
ガードルの処理の仕方が一定でない

4 エキストラ・ファセットの存在 があげられます
    存在する場所により、次のように評価されます。
* ルーペクリーンの場合には "identification marks" の欄に "negligible external
characteristics" の注を付けます。
** コメントの下に "important extra facet(s) on pavilion/crown side." の注を
付けます。

全てのマイナーなシンメトリーのデビエーションは、前述の評価方法によって別々に
評価されます。


最終的にフィニッシュ・グレードはプロポーションの場合と同様に全ての要素の中で
一番悪い評価がその評価になります。

© Rakuten Group, Inc.
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