カイバーマンのお仕事2

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2007年09月12日

噛み合わぬまま会談終了。

カテゴリ： BLEACH連載SS

(8月2日(金) 井上織姫)

初めから無理な相談だったんだ。
黒崎君はすぐ泣くようなタイプは絶対好きじゃない……ああ、やっぱりうんざりした顔でこっちを見てる……。
これ以上嫌われるのはいやだと思いながら、あたしは涙が止まらなかった。
だから全部、あたしが悪い。

いきなり扉が開いて、冷え冷えと明るい声が降ってきた。
「まあ、こんな明け方に逢引とは、今時の若い人は大したものですね」
あたしは飛び上がり黒崎君は凍りついた。
「ううう卯の花さん？」

「ここでは院長とお呼びなさい。それより、これはどういうことかお聞きしたいのですけど」
……言えません。
黒崎君は蝦蟇蛙みたいに脂汗をだらだら流している。
あたしも似たような感じだと思う。
うわーん怖いんだよこの人ー！
「これが表ざたになると、花太郎を罷免しなくてはなりませんし、出来れば自力で病室に帰って頂けないかしら？」
「バレバレかよ！」
思わず黒崎君が言い返し、はっとして口を押さえた。
……花太郎君がセッティングしたこと、ばれちゃった……。

あたしたちはすごすごと戻ることにした。
幕引きは乱暴だったけど、一応告白も出来たし、思い切り泣いてすっきりしたし、良かったかな……。

「井上！」
名を呼ばれて振り返る。
もう、これが最後かもしれない。

「……」
黒崎君は不機嫌そうにあたしを睨むと、

「う、うん。自分でやるよ」
あたしはぽかんと間の抜けた顔で返事をした。

二学期、学校に来てもいいって意味だと気がついたのは、朝ごはんの後だった。

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