蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「ラベンダー」



香港映画の 「ラベンダー」 を見る。
最近は少々重い作品を見ていたので、軽い気持ちで楽しめるモノを見ようとレンタル。
かなり楽しめた。

アロマセラピストのアテナは、恋人の死が受け入れられず、無気力に生きていた。
仕事場とアパートを行き来する毎日。
食事といえば、キッチンの戸棚いっぱいに置いていあるインスタントラーメンを一人で食べるだけ。(日清の出前一丁!)
食事の時も、入浴中も、恋人のことを想っては涙する。
ある日、彼女が入浴中にベランダで大きな音がした。
あわてて出てみると、そこには一人の天使が落ちていた。
羽根が折れた天使は、天国に帰ることが出来ない。
そこでアテナは、しぶしぶ彼を介抱してやることにする。
傷心のアテナとお茶目なエンジェル。
この二人の奇妙な同居生活が始まった。

お決まりの設定だが、金城武の天使がなんともキュート。
下界の生活には慣れていないと見え、とんちんかんなことをする。
お酒を知らず、「おいしい水」と言い、つぶれるまで飲んだり、アテナの部屋の隣人とゲイバーに行ったりする。
この隣人はゲイで、以前アテナの恋人に惚れていた。
このゲイの男性が、なんともいい味を出している。
エンジェルがいよいよ天国に帰る時、アテナは死んだ恋人宛てに、荷物とラベンダーの花束を託すが、ゲイの彼は違う。
お別れに来たエンジェルにこう言う。
「私のこの表情を彼に伝えて」
そしてにっこりと笑おうとするのだが、エンジェルとの別れが辛く、泣き顔になる。彼もまたエンジェルに恋していたのだ。
このシーンが大好き。

エンジェルはアテナに見送られて、天国へと羽ばたく。
心にぽっかりと穴があいたようなアテナが、再び空虚な生活に戻ろうとした時・・・・。

エンジェルに出会う前、アテナが傷心の日々を送っていたときに、ちゃんと伏線がはってあった。
このラストがお気に入り。
見た人の心の中に、ちっちゃな天使が住み着いてしまうかも?




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