蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

美輪明宏音楽会

2003年10月18日 午後三時~六時  大阪シアター・ドラマシティ

昨年に続いて、美輪明宏さんのコンサートに行ってきた。
昨年同様、それぞれの曲に人生模様が凝縮され、中身の濃いコンサートだった。
第一部の曲名:「昼メロ人生」
       「四十なんて嫌だよ」
       「兄弟」
       「ヨイトマケの唄」
       「亡霊達の行進」
       「哀しみの中から」
       「愛しの銀巴里」
       「僕は負けない」
       「金色の星」
舞台セットは、薔薇やその他の花々とそれに舞う蝶をバックに、光沢のある布をカーテンのように、天井から垂らしているものだった。まるで「天国の花園」のよう。
美輪さんが、黒のドレス姿で現れた時、会場からため息混じりのどよめきが沸き起こる。黒のドレスには、スパンコールが輝いており、まるで星空をまとっているようだ。そして黒の衣装と言えば、「黒蜥蜴」を思い出す。
それぞれの歌詞にあわせ、声色を変えたり、セリフのように歌ったり、ゼスチャアを入れたり、もう一曲聞き終わると、お芝居を見終わったように軽い疲れをおぼえるほど。
「ヨイトマケの唄」は、何度聴いても涙がこぼれる。一番最初聴いたときは、感動のあまり号泣してしまったが、今聴いても胸が熱くなる。
「亡霊達の行進」も、行き場のない憤りが感じられ、息苦しさを感じた。
「金色の星」は、ただただ美しく、金色のライトを浴びて歌う美輪明宏さんの姿が、女神のようだった。

第二部の曲名:「サンジャンの恋人」
       「恋はコメディー」
       「ラ・ボエーム」
       「ラストダンスは私と」
       「恋のロシアンカフェ」
       「群集」
       「愛の賛歌」
       「ミロール」
第一部のセットが天国の花園なら、第二部は「シャガールの描いたパリの街」のようだ。「天国の花園」のセットの前に、パリの町並みの薄絹のカーテンを垂らした風情。
美輪さんが薄いピンク色のドレス姿で、小粋に歌う。
第二部は、曲と曲の間の語りが少なめ。
あっという間に最後の曲になってしまった。
鳴り止まない拍手の中降りる緞帳。
次に幕が開いた時から、花束を渡すファンの列が出来た。これは毎回のお約束。
昨年は、そんなお約束も知らず、悔しい思いをしたので、今年はバラを用意していた。(笑)
だんだん美輪さんが近づくにつれ、ドキドキが止まらなくなってきた。
握手をした瞬間は、美輪さんの手の感触を全く覚えていないほど、緊張の針が振り切ってしまった状態。
あとでぼんやりと、右掌に顔を近づけると、馥郁と香ってきたタブーの香り。
美輪さんは、タブーの香水を愛用していて、舞台の幕が上がると、その香りが客席へ流れ込んできたのだった。そのタブーが、今私の掌から香っている。
その事実にうっとりした。
お約束の花束を渡す時間が終わると、再び幕。
アンコールをせがむ激しい拍手、拍手、拍手。
しばらくして幕が上がると・・・。
そこには、舞台の後片付けをしている係員たちの姿。掃除機を操作していたり、箒を持っていたり、小道具を上手から下手へ運んでいたり。
「?」と思いながら見ていると、係員の男性に抱えられながら、老女優姿の美輪さんが下手から登場。
「お車を呼んできます」と言って男性が舞台から消える。
そこから老女優の独白が始まる。
アンコールは一人芝居。観客も老女優の人生をなぞり、切なくなり、彼女の歌に感動する。
最後に美輪さんは老女優のまま、舞台から降りて観客の間を通って去っていった。
なんとも贅沢なアンコールだった。

美輪さん情報:来年は「椿姫」を上演。相手役のアルマンには、「黒蜥蜴」で雨宮役を演じた木村彰吾。
「黒蜥蜴」は好評につき、再来年公演決定。相手役は高嶋政宏。

「黒蜥蜴」情報には、卒倒するほど興奮した。嬉しい!!




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