マーボー一週間生活。

マーボー一週間生活。

短編集。修学旅行でのお話




AさんとBさんは仲が悪い。
互いが互いを憎みあい、憎悪をぶつけ合う。

ある日のこと、ついにBさんがAさんを殺害してしまう。
当然と言えば当然。いずれはどちらかがこうなる運命であっただろう。

しかしBさんは死体の処理に困った。

自分の近くに置いておくなんて吐き気がするし、
もちろん見つかってはダメだ。


「そうだ焼いてしまおう。」

思慮の浅いBさんは思いついてすぐに実行した。
物を言わないAさんを山奥へと運び火をつけ、その後少し離れた場所に埋めた

そしてBさんは元の日常へと戻れる。憎い人間のいないより良い日々へ。

そのはずだった。

何日かたったある晩。仕事を終えたBさんは家に帰ってきた。

疲労が溜まっていたので夕食もとらずにすぐベットへ入った。
そしてまどろみの中一時間ほどたった頃。
ふいにテレビの電源が入った。
Bさんはビデオの予約でもしてたのだろうかと思いつつ画面を見る。すると

「あなた、火を消し忘れてますね?」

とだけ画面に表示されていた。

意味がわからないBさんはテレビの電源を切ろうとした、すると画面が切り替わ
り、今度は炎の中、自分の仕事場の先輩が燃えているのが写った。

そのあまりのリアルさにBさんは怖くなりテレビのコードを引き抜いた。
すると電源は切れて、画面にも写らなくなった。
不気味ではあったが何分疲れていたからか、気がつくとBさんは再び眠りにつ
いていた。


翌朝鳴り響く電話の音に目が覚めた。
少し苛立ちながら電話を取ると。職場の上司だった。

「おい、○○(職場の先輩)が昨日火事に遭って焼け死んだらしい」

戦慄が走った。まるで昨日の映像が本当になったみたいだ・・・と。

その日仕事は臨時で休みになった。一日中Bさんは昨日のテレビのことを考えて
いたが、何か思いつくわけでもなく、そして夜が来た。


昨日と同じ時間、またテレビがついた。
写る画面は昨日と同じ。

「あなた、火を消し忘れてますね?」

そして画面が切り替わり、今度は自分の上司が燃えている。
Bさんが電源を切ろうとする前に映像は消えた。

案の定、次の日上司は死んでいた。
交通事故に遭い車が炎上したそうだ。

そして三日目の晩、今夜もテレビに映る文字、炎。そして写ったのは、

自分の恋人の姿であった。

いても立ってもいられなくなったBさんはすぐに家を飛び出した。
恋人の家についた時はもう手遅れで、そこはもう火の海でしかなかった。

その次の晩もまたその次の晩も、どんどん家族。友達が燃えていく。

狂いそうなBさんの前でテレビは今夜も写る。
「あなた、火を消し忘れてますね?」の文字

ふと浮かんだのはAさんのことであった。

自分のまわりで火と関係があるのはアイツだけではないか?と。
それに気がついた時、今夜の犠牲者が写った。

炎の中に蠢くそれは、まごうことなき自分の姿。

Bさんはすぐに家を飛び出し警察へ自首。
Aさんの遺体は掘り返され、鑑識にまわされた。

自首であったし、遺体も見つかったので、取り調べることもほぼなく。何日か
たったある日。刑事はふと尋ねてきた。

「被害者の死体な、一つだけ不思議な点があったんだとよ。鑑識のジジィが言
うにはさ、ついこの間燃やされたみたいなんだとさ。お前、本当に二ヶ月近く
も前にあの死体焼いたのか?」

そしてBさんは確信した。消し忘れていたのはアイツだったのか、と。

その夜警察署が燃えた。火の手の不自然さから放火だろうと推測されたが、結局犯人はつかまらなかった。

火の手があがったのは一時拘置室。Bのいた独房であった。

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