What’s シドニーライフ!?

What’s シドニーライフ!?

その三、Eastern Creek検疫所

Eastern Creek検疫所

28decmomo1一緒に旅してきたケージ

12月

― 上旬、モモがちゃんと検疫所で元気にしているか、様子はどうかを現地から電話で聞いてもらった。シドニーの空港では、到着すると直接検疫所の人間が引き取りにきていてそのまま検疫所まで連れて行かれてしまうのでまだ会えない。検疫所は空港内ではなく、シドニー市内からもさらに北西に1時間ほど離れたEastern Creek というところにある。書類の中にも詳しく明記されているが、検疫所内の施設や世話の仕方(どんな種類のペットフードか、部屋のサイズはどうか、など)が細かく書かれているので安心できる。その部分はさすが動物愛護国だと感心。一匹一匹にちゃんと担当者がつくので、名前をいうとすぐにその担当と代わり詳しく状況を教えてくれる。モモの担当はJennyさん。到着後は”She’s very shy.” ということでいつものごとく固まっていたのだろう。新しい場所に慣れるのに数日掛かるのは仕方がない。
とにかくからだが元気で、ご飯を食べ始めてくれれば、と思う。

12月11日

― ついに私の出発の日となった。苦節(!)8ヶ月、やっと安心して旅立てる。とはいえ、いってからモモに自分で会うまでは本当の安心はこないけれど。しかし長い日々であった。

12月14日

― Jennyに電話をしてモモの様子を聞く。くしゃみをよくしているので、風邪の症状だったら薬を飲ませる、という。モモは幼少の病気の後遺症で、目にはいつも涙がたまっており目やにがでやすく、くしゃみもしょっちゅうしている子だったからそれほど心配ではないが、とにかく早く会いたい。

12月19日

― 検疫所ではちゃんと面会日というのが設けられている。モモの入っている検疫所の面会日は毎週火曜日と木曜日の午後1時半から3時半まで。私がシドニーに到着したのが12日の水曜日だったので落ち着くまで出られなかったが、一週間たってやっと会いに行くことにした。
検疫所は離れたところにあるし、そうそういったことがある人などいないので、場所を聞いて一人電車とタクシーを乗り継いでたどり着く。さすがオーストラリア、大きい。検疫所といっても役所じみた感じはなく、大きな敷地に公園管理所のような建物があるだけ。その奥には何棟にも分かれて収容所があり、動物の種類によって分けて収容していると見られる。猫の宿舎もかなり広く、現在いるだけで100匹以上といっていたので、世話の担当者も重労働であろうと思う。が、皆親切に案内し説明してくれる。

動物みんなまとめて小さいケージに入れられているのかとも思っていたが、立派な個室にモモはいた。部屋はコンクリートの打ちっ放しで2,3人はいると一杯くらいの広さだが、横と天井は一部格子なのでとても明るく外も見え、はしごや台もついて運動できるようになっている。しかも寝るところにはホットカーペットまでひいてあるのは素晴らしい。
モモ自身は、やっぱり私のこと忘れてる・・・?と思うほど固まって初めはJennyさんにばかりすり寄っていたので悲しかったが、しばらく二人だけ(一人と一匹)にしてくれ、なぜたり話しかけたりしているうちにまたうち解けてきてくれたようだ。早く家に連れて帰って、のんびりさせてやりたい、と改めて思う。
30分の短い再会だったが、あと10日で家に帰れるよ!がんばれ、モモ。

12月28日neko5

ついにモモが検疫所から開放される日が来た。この日をどれほど待ち望んでいたか・・・!リリースはオフィスのオープン時間内ならいつでもいいということだったので、朝10時には家を出て引き取りに行く。今回はももに余計な負担をかけないようにと、厳しいオーストラリアでケージを持って電車に乗るのも不安だったので、車をチャーターしてドアtoドアで移動することに。知り合いの会社に頼むとだいぶ安い料金にしてくれた。

道も混んでいなかったので約40分で到着。ブルーマウンテンに近いので山火事のせいでだいぶ空気が煙っている。大丈夫だろうか?
出発前に確認の電話をしておいたので、オフィスで言うとすぐに手配してくれ、モモがケージに入れられ、担当のお姉さんに連れられてやってきた。緊張とまた移動のストレスかで、いつもになく激しく鳴いている。でも元気そうだ。
車に乗せ、ケージを開けて撫ぜてやっているとしばらくしてやや落ち着いてきたようす。すみで固まっているのでちょっと小さくなったような感じだが、気のせいかもしれない。
家へ着きケージを開けると、すかさず匍匐前身で家の中で隠れるところを探し出す。よく見つけるものだ、洋服ダンスのおくの暗いところで潜んでいる。でも、名前を呼ぶと返事をするし、出てきてすりすり(においつけ)もしてくるので、まもなく慣れてくれるだろう。
よく耐えたね、モモ!ありがとう!




この検疫というものでは、当然ペットにとって多大なるストレスがかかることには間違いはありません。それによってどのような精神的・身体的障害がでないとも限らない。だから、あくまでもその子その子の状態や飼い主さんの気持ち次第であることは付け加えておきます。ペットを連れて来る人はたくさんいます。私が検疫所に行く度に他にもたくさん面会やリリースに訪れている人がいました。世界中からこうやって旅してるペットたちがたくさんいるんだな、と思いました。そして無事終わった暁には、みなものすごく感謝してるんだなということが、検疫所の壁一面に張られていたThanksカードから感じられました。

私の場合も、モモには本当に一生恨まれてもおかしくないだろう、という程の苦労を与えたと思っています。ただ、連れて行くときにまだ若かったので(1歳ちょっと)体力的には大丈夫だろうと思ったことと、この検疫によって辛い思いをさせてしまった分、残りの人生は今までの数倍もケアして愛してやろう、と決意を新たにした次第です。

neko8 オーストラリア持込の情報


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