笑育のすすめ

笑育のすすめ

2007年01月20日
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カテゴリ: 6年社会
 前回の続きです。

 もちろん、クラスの子も全員が千代ちゃんと思っていたわけではなかったようだ。
 一人の女の子が辞書を片手に説明をした。
「千代というのは・・・・・」
 千代というのは、名前ではない。
 辞書を使っての説明に、みんな、納得。
 とにかく、名前はわからないが、恋人や友との別れということに落ち着いた。
 ある女の子のノートである。
┌──────────────────────────────────┐

│告げたケド,本当はイヤで悲しくてこの気持ちをその人に伝えたかった。島│
│の向こうのどこかに住んでいる人に・・・ │
└──────────────────────────────────┘
私も以前は彼女と同じように思っていた。
 ところが、この解釈は間違っているのである。
 THE BOOMのアルバムよりライナーノート(CDについている解説書)の一部を読む。
┌──────────────────────────────────┐
│ 「島唄」はもともと、沖縄本島南部の戦跡を廻った時に、色々と考えさせら│
│れたのがきっかけで出来た曲です。(以下略) │
└──────────────────────────────────┘

「この歌は、戦争の歌だったんです。」

さらに少し補足する。
「『でいご』というのは、沖縄の県花。3月から4月にかけて咲く花です。『でいごの花が咲き 風をよび嵐がきた』は、1945年3月から4月に沖縄で戦争が始まったということです。」
「でいご」については、辞書を見ても載っていない。
 このあたりを時間をかけて追究していくという授業の流れも考えられたが、今回は研究授業、1時間での子どもの変容を見ていただきたかったので、教師が補足するということにした。
 そして,先に話題になった千代ちゃんの所を検証である。

│ ウージの森で │
│  あなたと出会い │
│ ウージの下で │
│  千代にさようなら │
└──────────────────┘
この箇所だけ、沖縄音階になっていないのである。(実際は,「なっていない」のではなく「できなかった」というのが正しいらしい。沖縄出身ではない宮沢さんが,この歌詞の部分だけはどうしても沖縄音階にすることができなかったそうである。)
この部分を解釈した。
「千代にさようならとは、どういうことですか?」
 戦争における永遠の別れということで、死と言うことが出た。
 単なる別れではなかったのである。
 黒板に「死・・・ 愛する人との別れ」と板書する。
 子どもたちの表情はさらに引き締まった。
「ウージの下というのは,防空壕のことです。沖縄では,ガマといいます。」
 そして、ガマの写真とガマの中で発見された人骨の写真を見せた。
「どのような死だったと思いますか?」
発表を板書した。
・米軍に殺された 
・ガマの中での死
・戦場での死・闘って勝てないから自決
・好きだった家族が死んで絶望して自決
・日本軍に殺された
・食料が無くて
 実際の発表はここに書かれているような単語での発表ではない。
 教科書や資料集から意見を述べる子。
 自分だったら・・・と例える子。
 ただ、自決と言う言葉は出てきたが、集団自決という言葉は出なかった。
 これまでに「沖縄戦」の学習はしていない。
 当然と言えば当然である。
そこで,補足資料として、「沖縄戦」についてまとめているプリントを配った。
また、米軍の攻撃が「鉄の爆風」とも言われていたこと。それは、一人あたり五十二発の爆弾、黒板程度の広さに銃弾が三百発ほどうたれたことも補足した。
集めた資料をかなり精選したつもりであったが、それでもまだ多かったようである。この部分はいらなかったのでは・・・と事後研で話題になった。

「つまり、『島唄』には、こういう意味があったんですね。」
(フラッシュ使いの先生に製作していただいたウェブワークを見せる)

┌──────────────────┐
│ でいごの花が咲き始めた1945年4月│
│ 米軍が沖縄本土に上陸した │
│ でいごの花が咲き乱れる4~6月ごろ │
│ 戦火が嵐のように続いた │
│ 繰り返す悲しみは │
│ 島に渡ってくる波のようだ │
│ サトウキビの畑で │
│  あなたと出会い │
│ サトウキビの畑の下の防空壕(ガマ)で│
│  永遠の別れになった │
│ 島唄よ風に乗り   │
│ 鳥とともに海を渡れ │
│ 島唄よ風に乗り   │
│ 届けておくれ私の涙 │
└──────────────────┘

そして、ひめゆり平和祈念館公式パンフレットより、当時の様子(集団自決)が書かれた作文(「銃殺の順番も決めてある」122~123ページ)を読んだ。
 最後に、もう一度「島唄」のCDをかける。
「島唄」を聞きながら、この日の授業のふり返りを書かせた。
┌──────────────────────────────────┐
│  戦争の歌なんて知らないで,いつも変わった曲だなあと思って聞いていた│
│けど,戦争の歌と思って聞いてみると,いつもと違う感じで違う曲みたいに│
│聞こえてきました。 │
│  たった少しの歌詞なのにたくさんのいろんな思いが込められていてビック│
│リしました。 │
│  いつもは,普通にこの曲を聞いて遊んだりしていたケド,悲しくなってき│
│ました。 │
│  戦争の苦しみなんてあまりわかんなかったケドこの曲を聞いたら,なんか│
│その戦争の時代の様子が目に浮かんできそうでした。 │
└──────────────────────────────────┘
 この後、子どもたちは太平洋戦争について、自分のテーマを決めて、調べ学習をおこなった。

 私が、「島唄」の本当の意味を初めて知ったのは、昨年の6月に放送されていたTV番組「たけしの誰でもピカソ」がきっかけであった。
しかし、「島唄」がリリースされたのは、1993年。
当時から私はこの歌を聞いていた。
アンテナが高ければ、その時点で教材化できたはずである。(実際、ファンや沖縄のバスガイドさんの間では知る人ぞ知る話だったそうである。)
調べれば調べるほど、今までの自分のアンテナの低さがよくわかった。





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最終更新日  2007年01月20日 20時21分48秒
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