このごろ思うこと

このごろ思うこと

セドナ旅行 1996年10月



10月5日から13日まで、再びセドナを訪れました。今回のツアーは、エアーチケットの手配以外はすべて、3月のツアーの時偶然乗った(偶然というのは本当は無いそうで、総て必然だったのでしょう)タクシードライバーのブルースに、現地での行動を総ておまかせしました。

  ブルースはヒーラーですが、もう一つの仕事としてタクシードライバーをしているのです。その彼の働いている会社の社長のデビットから、グランドキャニオンの西のはずれにある、ハヴァスキャニオンへの1泊2日のツアーのお勧めがありました。

  ヒルトップというキャニオンの山の頂上から、ヘリコプターで渓谷に降り、その渓谷に住んでいる、スパイ族の村で彼らの作った昼食をとり、ハヴァスの滝で泳いだり、瞑想したあとで、スパイ族のお祭りの踊りを見せていただき、そこから1時間30分ハイキングをして、川のほとりでキャンプをすると言うすごいものでした。『そこは天国に一番近い場所です』という企画書を見たとき、私は行きたいと思いました。そのあとを読むと、次の日は馬で3時間かけて、グランドキャニオンのなかをヒルトップまで登っていくと書いてありました。

 読んだ瞬間はすごい、まるで西部劇のようだ、と興奮した後、まてまて3時間も馬に乗るなんて無茶だ、主催者として事故でもあると大変だ、という心配がやってきました。デビットに何とかジープでいけないかと問い合わせたところ、ヘリコプターか馬でしかいけない狭い山道だということがわかりました。

 今回、参加者は21名だったのですが、ハヴァスツアーの内容を話しても誰一人として躊躇する人はいませんでした。

  実際、そのツアーはすごい物でした。ガイドが3人つき、ヒルトップからヘリコプターで次々と人と荷物をおろしました。26人分のテントと寝袋と朝食です。その後は、キャンプする場所までスパイ族の馬が荷物を運んでくれました。デビットがスパイ族の人達に愛されているから出来たツアーでした。そしてまさにそこは天国のように美しい場所でした。

馬での帰り道で、私は自分が心配の波動を出し続けているその証拠を見せつけられる事になりました。ほとんどの人が乗馬は初めてでした。デビットに問い合わせた時、馬に乗ったことが無くても大丈夫だというので、観光地で乗る馬のようにただ歩くだけだと思っていたらとんでもない誤解で、どんどん走り続けるのです。振り落とされないようにするのに精一杯で景色を楽しむ余裕などありませんでした。

 それぞれの馬に個性があり、我先に行きたがって、列に割り込む馬あり、ライバル意識があって割り込ませまいとする馬ありです。悲鳴があがったので後ろを振り向くと娘が馬の下敷きになっていたのです。引き返したくても道は狭く、それだけの技術もないし、ガイドのデビットが行ってくれたので、心配しながらも前に進んで行くしかありませんでした。 

  しばらくして、広い道になったとき、娘の馬がそばを駆け抜けて行ったので「大丈夫?」と声をかけたら、「大丈夫よ」と言ってくれたのでほっとしながらも、恐怖心が去らず、私はどうしてこの現実を見せられたのか内側に問い続けていました。 

 今私に来ている答えは、広大な砂漠のグランドキャニオンを実際に馬で移動してみて、この肉体だけが自分なら、砂の一粒ほどのちっぽけな存在で、自然の驚異の前に無力感しか感じることが出来ません。

 ネイティブの人達は、石にも、木にも、鳥にも、雨にも、滝にも総ての物に宿る精霊と自分たちが同じであると信じ、全ては一つだと知っているから、この過酷な(都会人がそう思うだけですが)自然のなかで生きていけるのだと思います。

  そして、『この瞬間は完璧です。この瞬間より良い瞬間はありません』と頭で理解していただけの私に、本当にそう思えますか? と試されたようです。

 高次元の私は、何があっても、それが例え死であっても、産まれる前に自分でシナリオを書いてきた事なのだから、何の問題もないと解っているのですが、実際に目の当たりに見ると、まだまだ恐怖心に捕らわれてしまう事がわかって良かったと思います。ゆっくり、自分に一番ふさわしい速度で悟ればいいと思っています。

  後で娘に聞いたのですが、狭い道で馬が競い合って、馬が傾いたので娘が先に落ちて、その上に馬が倒れ、馬は必死で起きあがりそうになり、もう一度倒れかかってきたそうです。幸いにふかふかの土の上だったのと、馬のお腹がのしかかって来たので、軽い打撲ですんだのでした。

 娘にその後恐怖心が来て辛くなかったかと聞くと、少し恐かったけれど、馬の足が心配でかわいそうで、レイキでヒーリングしながら乗っていたけれど、どうしても先頭に行きたがる馬で、どんどん走るので足が痛くないかと心配だったそうです。又、「馬どおしの駆け引きがおもしろかった。一番についたのよ」 と聞いて、前々から思っていたとおり、私より大きな魂の人だと感心しました。

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