Good Day, Good Life

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「パサジェルカ」(Abyss12/4、5)


出演:曽世海児、舟見和利、岩崎大、石飛幸治、内山翔人(客演)、船戸慎士、佐野幸治、前田倫明、青木隆敏、寺岡哲、奥田努、篠田仁志、下井顕太郎、萬代慶太、大沼亮吉、関戸博一、松本慎也、三上俊、荒木健太郎、吉田隆太、及川健、山本芳樹、笠原浩夫、牧島進一、藤原啓児、河内喜一朗

Abyssチーム。
やはりWキャストだとチームの「色」というものが全然違いますね。
このチームも初見の方ばかりで、Wの5人中で生で拝見したことがあるのは石飛さん(老シモン)だけでした。
いやしかし、リーザ&マルタ&タデウシュの3人、ビジュアル面ではめちゃ私好みの御三方でした!(感涙)
チームでの違いはというと、こちらのチームは当時の悲惨な状況よりもとにかく、舟見マルタ&岩崎タデウシュの深く切ない愛の物語、そして曽世リーザ&石飛ワルターの夫婦愛が印象的で、曽世リーザ&舟見マルタの2人の関係がちょっと見えにくい印象が残りました。

美っ人~でちょっとプライド高めな曽世リーザ。
舟見マルタに惹かれていると言うより女としての嫉妬、羨望の念が強く感じられました。
マルタを養護するのも、そうすることでマルタより上の立場で優越を感じる為にそうしている気がしました。
だからマルタがタデウシュに贈られた薔薇を声を荒げて奪い取る姿が一番曽世リーザが女に見えたなぁ。
 タデウシュの銃殺シーンでは、マルタより泣いてるのでは?というほどかなり泣いてらっしゃいました。
その後すぐ佐野マリエとの会話に入るんですから、その切り替えの早さたるや、リーザ役が役者さんにとっていかに難しい役か、素人の私ですら分かります。
 曽世さんの女役、私好きですね~☆高貴で少し高飛車なカンジがする貴婦人、という顔立ちだと思います。キレイです~。。
ただ声はすごく男っぽい方ですよね。別に顔と合わない声というわけでもないんだけど、不思議な魅力満載の方です。。
あの彫刻のようなお顔が、舞台上で多様に変る様は観ていてとても惹かれます。

切ない切ない、可愛い可愛い舟見マルタ。
やっと舞台で拝見できました!(岩崎さんの次に)すごく私好みの舟見さん!!!
彼女・・・はっ!!・・・彼(笑)の演技・声はもう切なくて切なくて切なくて・・・。。
あの切れ長の目の奥にすごく人を惹き付ける目力を隠し持ってるなって改めてこの目で確かめてきましたよ。
それにほんっと可愛いです!!及川さんは見た目が可愛いくて中身は小悪魔的なカンジがしたんだけど、舟見さんは内面がまずすごく可愛い~っていう感じを受けました。(外見もですけど、もちろん)
 最初はマルタのごくわずかな表情の切り替わりがあんまり感じられなくて、声で演技してるんだなぁと思ったんですが、タデウシュが死んだ辺りからは表情にも絶望感や生気の無さという表情が見られていました。
シャワー室送りの選抜の時、「もう自分にはタデウシュもいないし、この世に未練はないからやっとこれで死ねる」というような直前の穏やかな表情(これが他の女囚の恐怖の表情と相対して際立ってた!)が、マルタの本心を見抜いたリーザによって班で1人選抜から見逃される時、一瞬にして瞳に絶望の色を浮かべ、リーザを信じられないモノを見るような目で見つめ、がっくりとうなだれて去っていくんですよね。
私はAbyssチームではマルタに感情移入しました。もちろん意識的にではなく、自然と。
タデウシュの名を叫ぶシーン&エリカの花の詩を朗読するシーンは、舟見さんの表情もそうですが、なによりあの声!!!あの高くて切ない声は舟見さんしか出せないですよね!!
 エリカの詩は原作では「雨やらエリカの花やらの詩」という表現だけで、ちゃんと書かれていませんでしたが、舞台で読まれた詩は一体誰が作ったんでしょうかね?倉田さん?
この朗読シーンは特に、胸が痛くてつぶれそうでした。


                            マルタの詩(3日間の観劇でメモ取りました☆)


                      愛しいひと
                      あなたが此処にいなくても 想いの中では いつもあなたと一緒です
                      腕を伸ばせば いつもそこには あなたがいます
                      あなたが 私に 話しかけることが出来なくても かまわない
                      声は ちゃんと覚えています

                      愛しいひと
                      エリカの花の季節になりました
                      私はあなたの側にいて あなたの腕に包まれています

                      まもなく雨が降り出しそう
                      雨になったら 私の髪を両手に包んで
                      あなたはきっと 私を庇ってくださる

                      今 私は ぬかるみの中を歩いています
                      エリカの花なんて どこにも咲いてないけれど

                      愛しいひと
                      あなたがいて よかった


オトコを感じる岩崎タデウシュ(きゃっ☆)&燕尾服メガネの船客
は~もう、素敵すぎて何とも言えません!!見事にタデウシュ像を表現していたと思います。
演技面ではこのタデウシュ役はもとから、噛むような多くの台詞もないし、なかなか良かったのではないかと思います。表情と動作、なにより存在感で勝負のタデウシュ役ですが、見事にハマっていました!!
私はマルタとオデコくっつけ合って愛しそうに見つめるあの微笑み&最期の「マルター!!!!!」という叫びで、もう充分満足!!(>▽<)
 岩崎さんの魅力の一つとして長い手足、というのがありますが、銃殺刑に送られるシーンで殴り蹴られるトコではその長~い手足が振り回されて、さらに上半身はだかじゃないですか。岩崎さんって筋肉大して付いてないし(爆)、細いから、見ていて痛々しかったです。。
ひょろんとした、囚人役としてはいい具合の体つきでありながら、言動は勇ましく、「俺が守ってやるからな」的な、オトコらしさと懐の広い、安心感を感じました☆
 そしてまた踊ってらっしゃいました!
こっちのチームではタデウシュやってるし、今度は山本さんが踊るのかなぁっと思ったんですが、またビ○トロ風メガネで鮮やかなダンスを披露してくださりました(笑)
考えてみたらすごいですよね、同じフロアでマルタ2人とタデウシュが別の相手と共にダンスしてる・・(笑)

亭主関白気味な石飛ワルター。
とっても威厳ある、ちょっと堅物なインテリ・ドイツ人のワルターでしたね。
実はワルターが今回一番、Wの違いを見せつけられた気がしました。
リーザに対する日常の態度から、人生観、怒り方まで全部違う印象を受けました。ホントに違う役みたいに。
石飛ワルターはリーザに対して普段から威圧的なカンジがしました。付いてこい、的な。
 実は最初、曽世リーザ&石飛ワルターはちょっとかみ合ってないな、って感じたんですよね。
亭主関白気味な石飛ワルターには3歩下がって付いて行きそうな、少し弱々しく女性的な林リーザの方が、自立した感じの強い女という印象の曽世リーザより似合うと思ったんです。
ワルターがリーザのアウシュビッツ時代の告白を聞いていて怒るシーンも、笠原ワルターは最初信じられない、という気持ちからすでに感情を露わにしていて、すぐに嫌悪感をリーザ自身に、その過去にぶつけていったのに対して、石飛ワルターは長いこと苦悩に耐えつつも、ため込んで一気に怒りが爆発していたと思います。
石飛さんは重々しい苦悩を表現する役が合っていて、とても上手いなと思います。だからこそ、そういう苦悩を経て和解し、微笑んで肩寄せ合っているラストではリーザとの夫婦愛が真実みを帯びていて胸打たれました。
ワルター役は、「この人しかできないワルターだ」っていうのを笠原・石飛両氏から感じられました。

堅物アメリカ人・内山ブラッドレー。
山内さんってやっぱりライフの役者さんとは雰囲気が違って、客演~って感じのする役者さんなんですが、でもそんなに上手いとは感じなかったな。
台詞トチったりカミカミだったりはしないけど、魅力を感じなかった。
このブラッドレー役は、Cチームの牧島さんがスゴク上手く魅力あるアメリカ人を演じていたので、そのあまりのイメージの違いにちょっとがっかり。
内山さんが演じたブラッドレーは結構原作そのままなカンジがするんです。
だから忠実に再現してるのはスゴイと思いますけど。。
原作読んだとき、私はブラッドレーが嫌いでした。鼻につくっていうか・・。政治話好きで哲学者なのは台詞からも変えようのないブラッドレーというキャラクターですが、そこに「真面目一徹」という要素が加わったら、なんだか嫌みに思えるんですよね。
牧島ブラッドレーはそういう原作(内山さん)の要素を取り除き、「お茶目」という、アメリカ人によく見られるプラスの要素を付け加えていたと思います。だから牧島ブラッドレーにはある種好意も持てたし、嫌みには全く感じられませんでした。だからこれも好みの問題・・・(苦笑)



AチームにはCチームにはそんなに見られなかったまとまりの良さを感じました。個々の演技にとらわれずに、演劇自体、「パサジェルカ」という世界観自体を楽しむことが出来ましたね。
しかしこちらの物語はもう最初から最後まで愛の物語、でした。
舟見マルタと岩崎タデウシュが贔屓目ではなく本当にあまりにお似合いで、深い愛でつながっているカンジが、2人が舞台上で一言も言葉を交わすシーンがなかったにもかかわらず、充分伝わってきましたから。
リーザとワルターの夫婦愛もこっちの方が14年一緒に暮らしてきたっていう重いカンジがしましたし。
全体的に見て、やっぱり私はAチームが好きでした。

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