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『あって当然なのに、なぜかない商品』
そう思われる商品がある。
お客さまのニーズはあって、
だから売れ行きも そこそこあるだろうと思われ、
他の小売店でも売られている商品で、
なのに、『ダ』では一度も商品化されたことがなく、
今後も見込みがない商品である。
それは、ゴミ袋である。
可燃ごみ用のごみ袋である。
ビニールのごみ袋なら種類は豊富にあるが、紙製の可燃ごみ用のゴミ袋は未だに取り扱っていない。
『ダ』のメーカーの倉庫は全国共通である。
市内では、家庭で出た可燃ゴミは今のところ紙袋であれば収集OKである。(業務用は指定のゴミ袋でないとNGだけど)
多分、他県のごみ収集の分別が指定のゴミ袋を使用しなければいけない自治体が多いのではなかろうかと推察される。
なので、市内では当たり前に売られている商品でも
他県では全く役に立たない商品になると商品製造のコストと売れ行きのバランス(そして将来廃番になる心配も)を
考えて今後も商品化しないのではなかろうかと思われる。
全国版と思っていても、実は地域限定だったと仕事をしてみて初めて気がついた。
そんな事が何度かある。
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もひとつ、ここらへんじゃ珍しくないのになぜか商品にはないものがある。
印鑑である。
印鑑といっても、印鑑そのものは立派な商品である。
数ある苗字の中で大して珍しくもないのに
"あれ? なんでこの苗字がないかね?"
という、ありそでない印鑑がたまに発覚する。
そう、ありそでない商品というのは、ありそな苗字なのに、なぜか商品化されてない苗字の印鑑である。
それは、お客さまの問い合わせから見つかるのだ。
「あのー、お店の方??」
たまに、このように声をかけられるお客さまがいらっしゃる。
エプロンして名札もつけて、どこからみても店員以外の何者でもない。この姿で
「いいえ、ちがいます。」
と、いつか答えてみたいけどホントにそんなことしたらどうなるんだろうかと思う。
「はい、いらっしゃいませ。」
(ちがいますとはまだ言えない)
「あの、こっちの印鑑見て下さる??」
お客さま、印鑑什器のほうへこっちこっちと手を招いて呼びよせる。
欠品の印鑑がいつ入るのか知りたいのかな。
「『吉川』って印鑑、ないんですよね・・・。」
「私の探し方が足らないのかしら。」
「すみませんが、ちょっと一緒に見て下さる?」
印鑑は50音順だから、探すのは難しくはないけど
文字が小さすぎて探しにくいというお客さまもいらっしゃる。
しかもメーカーごとの什器によって50音順でも並び方もまちまちだからわからないのも不思議ではない。
でも、ない。
一緒にさがしたけど、ない。
「そうですね、おっしゃる苗字はないですね。」
『吉備』『吉良』はあっても、『吉川』がない。
「・・・やっぱりないんですね。」
「こんなにありふれた苗字なのに、ないんですね。」
お客さま、どうも納得がいかない様子。
ごもっともですね。
吉備さん吉良さんなんて、一度も出会ったことないけど
吉川さんは子どもの頃にもクラスメートいたし、
子どもの同級生にもいたしね。
「どうしてないんでしょう。」
「だって、だってですよ、この中に珍しい苗字はあるのに
『吉川』がないのはおかしいんじゃありません??」
そそそ、そうですよね。
ごもっともなんですけど、
確かに、おっしゃることはごもっともなんですけど。
この中に珍しいけったいな苗字はいっぱいあるのに
なんでフツーにありふれた苗字がないのかはショップメンバーにもわからないんですよ。
なんて言えば、なっとくしてもらえるだろう。
「あのー、商品化までの経緯はワタクシにはわかりかねます。
多分としか言えないのですが、メーカーの倉庫は全国で共通なものですから
県内では需要があっても全国的にはそうでないものはなかなか商品化されない事も
あるんです。」
「もしかしたら、全国的にはあまり多くないのかもしれませんね・・・。
あくまでも推測なんですが・・・。」
(こればっかりはバイヤーでないと)
「えーー?! でもー!」
「これなんか、どうなんです?」
お客さま、イマイチ納得しがたいようで
『吉川』が全国的にあまり多くないなら
これなんかどうなんだと印鑑什器を指差した。
指差した什器、その先に差してあった印鑑は。
『纐纈』
すでにシールの封が色あせているあたり、
何年も指定の位置に収まったままと思われた。
しかも、黒丸印・長丸印・リピート印の
どれにも『纐纈』の印はおさまっていた。
ワタクシも、『纐纈』より『吉川』を商品化していた方が正解だったと思います。
ごめんなさいね、おきゃくさま。
ツールも人によりけりか。 2011年08月28日 コメント(2)
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