Silverwork of Chiruchiru Michiru

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銀粘土は偽物か?銀粘土のホントにホント


彼女は最近では彫金に惹かれ、一日体験教室に行って来たそうです。
銀粘土をしていると先生に話したら、「あれは偽物だから。」って言われたそうです。
私も彫金一筋でこられた先生の中には否定される人がいる事は知っています。
でもそうでしょうか?

私は結婚前ですから25年以上前になりますが、彫金はカルチャーセンターから始め、個人のお教室を含め足掛け6,7年習った事が在ります。
宝石好きな私は、石の研磨のクラスにも興味を惹かれました。
でも、これは半年で挫折。

彫金作品と銀粘土作品の事少しまとめて見ました。

1)一番云われる事、鏡面の違い。
「光が鈍い。ピカッとした感じに仕上がらない。

銀粘土は純銀です。
彫金で使用する925や950の割り金(わりがね)をした物ではありませんので、おのずから光は違ってきます。
私は950銀のピカッとする輝きも好きですが、純銀の軟らかい光も好ましいのではと思っています。

2)シャープさに欠ける。
これはそうです。
どうしても粘土なのでデザインによっては物足りなさが出るかと思います。

3)強度に欠ける事。

金、純金は18金、14金に比べ軟らかく本来細工には向きません。
銀も同じ様に軟らかく純銀は細工には不向きな物だったのが、銀粘土により細工がしやすくなったと私は考えました。
でもアフターをしっかり出来ない限り、製品としては純金製品と同じ様に傷付き易い為、販売しにくい面がある事も事実です。

3)価格が高い!!

インストラクターになると多少は安く購入する事が出来ます。
でも彫金の時使用する地金代から考えると恐ろしく差があります。
粘土にするまでの工程があるので多少は仕方ないかとも思うけれど、
これは何とかしてもらいたい。

必然、製品の販売価格が高くならざるを得ない。

余談ですが、細かなパーツとパーツを繋げる作業、これは彫金のロウ付けのほうが楽です。
粘土は意外と面倒です。
個人の技量にもよるのでしょうが、ロウ付けの方が確実です。
ただ私はまだ銀粘土作品をロウ付けした事はありません。

利点は、
1)純銀の為アレルギーがおきにくい!

金属アレルギーのある人でもアクセサリーを楽しめる可能性が広がります。

2)立体製作がキャリアを必要とせずに作れる。
  ワックスとは、出来上がりの差をあまり感じる事なく作れます。

鍛金、彫金では作れるようになるまでが大変です。
2・3年習っても駆け出しです。
それが銀粘土では短期間で、誰でもが作る事が出来るようになります。
スプーンなんかもすぐ出来るようになります。

私が打ち出しの作品を習った時は何本かのタガネを作り、
銅を使いブローチを作りました。
いきなり銀は使わせてもらえません。
それから銀の打ち出しです。なまして打っての繰り返しです。
あたり前の事ですが、打ち方が平均にいかないと綺麗に形が出てきません。
経験と勘が物を言う職人の世界です。

簡単に出来てしまうって所が反発をかう一因なのかな?

3)作り直し、変更が可能。

4)たかだか10年の歴史しかありませんから
  これからどう変化していくか楽しみ。

銀粘土は誰でもが手軽にアクセサリーを作れる。
火は炉なのでバーナーより扱いやすい。
酸洗いの必要もないので気分的に楽。
異素材との組み合わせも出来る。
金属工芸分野を素人にも身近な物にした。

銀粘土はけして偽物ではない。
金属加工の一分野です。
あと10年したらワックス分野と同じポジションに就く、と私は思っています。


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